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iPS(induced pluripotent stem)細胞誘導に用いた Oct3/4、Sox2、Klf4、c-Myc の4種の遺伝子はヒト由来ですか?
iPS(induced pluripotent stem)細胞の誘導にOct3/4、Sox2、Klf4、c-Myc の4種の転写因子の遺伝子を導入したとのことですが、この遺伝子はヒトの遺伝子なのでしょうか? 今回のiPS細胞はヒトの皮膚の細胞に上記4種類の遺伝子を導入したとのことですが、元になるヒトの皮膚の細胞の核のゲノムにはこれらの遺伝子は存在しないのでしょうか? もし、ヒトの遺伝子でないとすると、何由来の遺伝子でしょうか?
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ANo.1です。 Oct3/4はレトロウイルスベクターに、それ以外はレンチウイルスベクターに入れて導入しているので、皮膚細胞のゲノムのどこかにランダムで挿入されていると考えられます。特に相同組換えを考慮しているわけではなさそうです。 >素人の発想では、もともとのゲノム上の遺伝子を発現させるシステムができれば便利なのではないかと思うのですが。 いやもう仰るとおりで、素のES細胞は4遺伝子を全部発現しているわけですから、本来は細胞自体が持っているこれらの遺伝子を発現させるに越したことはありません。ところが、遺伝子の発現制御というのはかなり複雑で、どうすれば特定の遺伝子の発現を自由にコントロールできるかはまだ未知の領域なのです。ですので、今回のiPS細胞では、実現可能性の検討というところで、手っ取り早く外部から遺伝子を導入して強制発現するという方法をとっているのです。 おそらくは、外部から遺伝子を導入することなくES細胞のような特性を持った細胞の作製法、あるいはゲノムに遺伝子を挿入することなく一過性の遺伝子発現だけでES細胞様の細胞を作出する方法の検討が激化するのではないかと思います。 遺伝的な特性に影響されて・・・の件もお考えの通りです。ただし、例え癌化しやすい遺伝的特性があったとしても、本当に癌化するかどうかはまた別の話ですので、「すでに」癌化した組織を培養組織と入れ替えることが無駄、というわけではないでしょう。
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- miya_0726
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すべてヒト由来の遺伝子です。論文に書いてあります。 すべてヒトゲノム中に存在しています。 斜め読みしたので細かいことはよくわかりませんが、Oct3/4とSox2はヒト皮膚細胞では発現していませんが、Klf4とc-Mycは発現しているように見えます。 ウイルスで導入すると、強制的に発現させることができますから、 ・Oct3/4とSox2は発現させることが重要 ・Klf4とc-Mycは皮膚細胞での発現レベルより高い発現が必要 ということみたいですね。
お礼
ありがとうございます! 教えてgooに初めて質問したのですが、回答の速さにびっくり仰天しています! ちなみに、導入した遺伝子というのは、元の皮膚細胞の染色体に組み込まれるのですか?それとも染色体外で発現されるのでしょうか?素人の発想では、もともとのゲノム上の遺伝子を発現させるシステムができれば便利なのではないかと思うのですが。 また、このiPS細胞は自分の細胞を使うので、外傷性の治療に関する整形外科分野での再生医療には極めて有効だと思いますが、それ以外の疾患(癌など)で傷害された臓器の再生については、その個体の持つ遺伝的な特性に影響されて、再生された臓器が再度同じ疾患で同じように傷害される可能性はないのでしょうか?
お礼
再びありがとうございます。 迅速かつ明解なお答えに感謝いたします。 このようなやり取りを他の方もご覧になることで、「教えて!goo」と科学的な思考方法が高く評価されることと思います。 また、何か質問することもあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。