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植物の種名の命名歴史に付いて
植物の種名の中で、万葉集などに出てくる名前もあります。 逆に、アメリカセンダングサとか、ブタクサ、など帰化植物に至っては、明治時代以降であろうかと思われます。 これらの種名を命名した時期を、大まかで結構ですので教えていただけませんか?
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植物にしても、動物にしても、種類の名称としては、学名と通称があります。以下の参考URLでのわたしの回答のなかで、日本名シラネアオイ(白根葵)、別名ハルフヨウ(春芙蓉),ヤマフヨウ(山芙蓉)と呼ばれる植物の学名を記しています。 学名は、「Glaucidium palmatum Siebold & Zucc.」で、古い学名が「Glaucidium paradoxum Makino」です。この場合、Glaucidium palmatum が「属+種」の学名で、後ろについている、Siebold & Zucc.は、この植物を正式に分類し、学名をつけた人の名前で、この名前は日本人のものではありません。 シラネアオイは日本の固有種で、特産種でもあるので、これを分類したのが日本人でないということは、外国の植物学者がこの植物を研究し、的確な分類を行い、学名を付けたのだと分かります。 古い学名は、Makino という人が分類したことになっています。マキノというのは、違っているかも知れませんが、日本の植物の系統的分類を試みた日本植物学の先駆者で有名な牧野氏のことではないかと思えます。 学名は、正式に分類し、種名を記載した人の命名が優先されます。従って、学名が何時頃決まったかというと、その生物が研究され分類され、報告記載されたときになります。分類学はリンネから始まっていますから、リンネ以降にすべての学名は名づけられています。 それに対し通称は、各国語でも色々あり、日本語のなかでも、地域によって呼び名が変わっていたりします。古くからある植物でも、「属+種」という分類学上の種が確定された生物について、昔から通称名があるとは限りません。 昔は「種の概念」がなかったのであり、カニとかトンボというのは種の名前ではないのです。 外国種の生物で、何時の間にか日本に入ってきていたものや、意図して導入したものなどは、何時の間にか入っていたものは、それに気づいて、通称ができる場合がありますし、導入した時点で、通称を決めることもあります。 しかしまた、日本に入っていない段階で、翻訳のために必要なので訳語として通称を作ると、それが後に日本に入って来ることもあります。何時の間にか入ってきていたものや、意図的に導入したものの場合、通称がなくとも、自然発生的に呼び名ができ、それが通称となることがあります。 こういう場合、通称は何時頃できたのか、よく分かりません。しかし、少なくとも、日本に相当広がって、呼び名が必要になった結果、通称を作って呼び出したはずで、日本への入来と、かなりな繁栄の後で通称ができるとも言えます。 「アメリカセンダングサ」とか、「ブタクサ」という通称が何時できたのか分かりません。誰か導入した人が名づけた場合は、通称の命名時期は分かっているでしょう。しかし、何時の間にか繁栄して、通称で呼ばれていた場合、通称ができたのは、上に述べたように、日本に入来した後、人々の関心を引くまで繁殖した頃だと言えます。 日本に入来する前に、日本語通称が翻訳などで作られている場合は、翻訳が行われたときが、その命名の時です。例えば、菩提樹というのは、これはインドに時世していた樹の名前のはずですが、漢訳仏典を通じて、日本に入って来たもので、ドイツやヨーロッパにある、よく似た種類の樹の Linden または Lindenbaum の訳語として、これが当てられています。 ドイツの Lindenbaum は、恐らく明治時代にドイツの文学を翻訳した人が、訳語としてこの名を付けたのだと思えます。あるいは、ドイツの地誌などを記すとき、訳語として「菩提樹」を選んで、それが通称になったのだと言えます。 「うめ(梅)」とか「うま(馬)」は日本語になっていますが、これらは元々中国語(漢語)です。馬の方は日本に自生種がいたような気がしますが、あるいは両方とも、中国から帰化したのかも知れません。通称の成立は多分、紀元前後か、少し後だと思えます。 生物の学名については、しかるべき資料で調べると、誰が何時分類し命名したのか分かりますが、通称は、誰かが決めた場合以外は、何時の間にか、そういう名で呼ばれていたというので、「通称」として一般名が決まります。 帰化した個々の生物で、通称が何時頃成立したのか、ケースバイケースで、何時かの時点でまとめて名を決めたのではありません。 (どうも回答になっていないようですが)。 >シラネアオイについて!!! >http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=348643
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- seascape
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一般的に,日本国内で植物を呼び表す際に使用する名称は,学名・和名の大きく二つに分けることができます。植物(生物)の世界共通の名称として考え出されたのが学名で通常イタリック体で表記されています。一方,私達が使用する機会の多い和名については,更に「標準和名」と「地方名」の二つに分けることができます。同じ種が地域によって異なる名前で呼ばれる場合(地方名)は,情報伝達に支障が大きうえ混乱が生じやすいので,国際的学術界が学名を定めたのと同様の理由で,日本国内で通用する名前を1つの種に対して一つの標準的な和名を与えようという気運があり,そこで選ばれた(方言などではなく,多くの学者が共通して用いる)名前のことを標準和名と言い習わしています。しかし,標準和名には学名のように約束事があるわけではないので,しばしば混乱がみられています。 帰化植物の和名については,新種の発表と異なり,新しい帰化植物の発表には何もルールが設けられておらず,発表の場所,形式,標準標本の公示,保管などの定めが無いため,先取権(同一植物に2つ以上の名前があるときは,最も早く発表されたものを生かして生名とするということ。もともと学名について定められた規定。)を適用する慣習が生まれているようです。 それぞれの植物に地方名や標準和名が付けられたのがいつなのか,正式な年代はわかりませんが,標準和名は学名の命名法の規定が定められた後にきめられたんじゃないでしょうかね(流れからいって)。