冠詞の使い分けって難しいですよねぇ。
取り敢えず、時々言われる「初出には不定冠詞のaで、既出には定冠詞のthe」というのは間違い!
不定冠詞のaやanは可算名詞の単数に付くわけですが、それは別の視点から言うと同様の物が他にも世の中には存在することを示唆します。
でもその中で、どれかは特定はされていません。
例えばこんなイメージ。
抽選箱の中に赤玉と白玉が何個かずつ入っています。
赤をひけばあたりです。
この時、ひとつ引いて当てた赤玉がまさに「a」のイメージです。
同種の物が他にも存在する中で、"ランダムに"引き当てた1個なのです。
訳語として初学者は「ひとつの」と覚えるケースもあるでしょうが、もう少し正確にニュアンスを掴んで言うなら、「とあるひとつの」の方が良い感じですね。
因みに、ここで「どれでも構わない」と言う感覚がもう少し強くなるとanyになるでしょうね。
更に、ここでつかみ取り感覚でガバッと赤玉をいくつか掴んだ場合の感覚がsomeになります。(aの複数版って感じ)
一方、同じ赤玉でも取り出された後は、まだ箱の中に残っている赤玉とはより分けられて、もうそれでなきゃいけない・他と替えられない存在になります。
これがtheの感覚に近いですね。
良く駅までの道のりを尋ねるのに、Could you tell me how to get to the station?と、初出なのに定冠詞のtheを使いますが、これは駅ならどれでも良いわけではなく、目的の駅が既により分けられているという心理が働くからなんですね。
更に、複数名詞で冠詞が付かない"無冠詞複数"と言う使い方もあります。
I like dogs.(私は犬が好きです)や、Reading bokks is interesting.(読書は面白い)と言う時ですね。
取り敢えず単数ではないのでaはつけられないしにても、aの複数版のsomeは付けられないのかというと使えます。
しかし、ニュアンスがかなり変わりますし上記のような例文では不自然です。
例えば最初の文だと、someを使うと世の中にあるあらゆる犬の中からランダムに何頭かor何種類か選んで好きだと言っているだけになってしまいます。
つまり裏を返せば、選ばれなかった犬が存在することになります。
そうすると、日本語のニュアンスには合いませんよね?
読書の文でも同様です。
このように、無冠詞複数だと「その種類に属するもの全般」といった少し漠然としたイメージとなります。
以上が基本的な使い分けですが、結構リズムでtheが入ったり入らなかったりみたいなところもあるようですし、地名などの固有名詞とtheの関係とか難しい物もありますので、都度覚えるしかないですね。
This is an apple. ←何の脈絡も無く「りんご」が出て来たので、この apple は単数の一般名詞。なので「an」が付く。
The apple is red. ←最初の文で出て来た apple が赤いって言ってる。「そのりんご」の「その」に相当するのが the。an は付かない。
母音で始まる単語に付くので「a」が「an」になっている事に注意。
その他、前の文に関連せず、何の脈絡も無く、いきなり「The ~」が出て来た場合は、The は「その」と言う意味ではなく、普通の名詞を特定の固有名詞として表現する特殊な場合。例えば「The Big Apple」は、大きなりんごではなく、ニューヨークの事を意味する。
ネイティブはほとんど意識することなく、a と the を使い分けるそうです。おおまかにいうと、a + 単数名詞は、漠然としたもので特定されない場合、the + 単数名詞は、具体的にどういうものかはっきりしている場合、と覚えてください.ペンを使っていいですか を英語にすると
May I use a pen? が自然な英語です
May I use the pen? にすると、ある特定のペンになってしまい、そのペン以外はだめということになってしまいます。そんなことはありえませんね.
man を例にとると、a man なら漠然と男の人、the man なら、ある特定の男の人、になります.
特定のものや人が、複数の場合は、当然 the + 複数名詞 の形になります
お礼
ありがとうございます! みなさまのおかげで少しずつ分かってきました!