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債務不履行
労働基準法で認められている権利を債務不履行を根拠として訴えることは可能でしょうか?またそれによって2年より前で10年よりは前でないことを訴えても時効にならないのでしょうか?
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>「債務不履行」を根拠とすることはできないですね」 この理由は労基法が優先されるからでしょうか? 労基法だけが理由ではありません。民法の中でも、給料債権については短期の時効が定められているからです(174条)。 「特別法(特別規定)は一般法(一般規定)に優先する」という法律の原則については理解されているでしょうか。同一の問題について、一般的な法律又は規定と、特別に定めた法律又は規定がある場合には、必ずその特別な法律又は規定が優先するものとされています。 給料の未払いは、確かに、法律的には「債務不履行」の一つであるといえます。給料を支払うという債務を履行していないからです。そして一般的な債務の履行請求権については10年間の時効が定められています(167条) しかし、この債務の履行の請求権、即ち給料の支払い請求権について、174条は、1年で時効にかかる、と定めています。とすれば、この時点で、給料債権については、一般的な債務不履行(というか、履行請求権)に関する時効期間の適用は排除され、請求する側が勝手に、一般規定に基づく長期の時効を主張して請求することはできなくなります。給料債権については、さらに労基法という特別法が適用され、時効期間が延長されていますので、雇用者側が勝手に、民法上の1年の時効を主張することはできなくなっています。 質問者さんは、回答3へのお礼の欄で、 労基法を根拠にして未払い賃金を請求すると労基法の罰則規定(120条)が効いて 民法の債務不履行を根拠にして請求すると刑罰的な規定はなくなるというのが本旨のような気がしてきました。 労基法は雇用関係における債務不履行による請求を全て担うのでなく 刑罰付を担保するために設けているのが正しい認識だと思えてきました。 と書いていますが、罰則の適用を決定するのは最終的には裁判官であって、請求する側が決められる性質のものではありません。親告罪というのはまた別に存在しますが。また、民法の中に既に給料債権についての短期時効が定められていることを見ても、上記の理論は成り立たないことが明らかだと思います。特別規定があれば一般規定の適用は排除される、それが全てです。 ○債務不履行では無理だけど不当利得を根拠にすれば請求可能になるのはどのように考えたらよいのでしょうか? これは、債務不履行と不当利得は全く異なる要件に基づく別個の請求権であること、そして、不当利得に関しては、特別法あるいは特別規定は存在しないこと、が理由です。 不当利得というのがどういうものかは#5の答えに書いたとおり、もし興味があれば勉強してもらいたいのですが、債権の請求とはまったく別のものです。したがって、債権の請求ができなくなったからといって不当利得に基づく請求ができなくなるわけではないのです。そして、労基法にも不当利得に関する規定は存在しませんので、民法の原則に従って10年の時効を主張できるということになります。
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今日、久しぶりにこのスレ見ました。 いろいろ法学上のことが書かれていて、楽しくよまさせてもらいました。 取得時効にせよ消滅時効にせよ、なぜ時効制度が生まれてきたか、というその本源的思想を説明すると2,3日かかるほど長い時間がかかってしまうほどに「時効」という理論を確立させるには古代より論じられてきた難しいテーマです。 民法では1年や3年、10年になっているものもあれば20年になっているものもあります。また、同じ物権でも状況により10年にもなれば20年になる場合もあります。なぜ?と思うかも知れません。 民法にはいろんな物権や債権があります。それらを全て理解したいとなると大学や大学院で学ぶ必要があります。 しかし、大学に行かなくても自分で学ぶことはできます。 民法を学ぶ初心者用の本はいろいろ本屋さんで手に入れることができます。 民法の初心者用向けとして「ダットサン民法」が有名なようです。正式名称は「民法1.2.3」勁草書房(けいそうしょぼう) この本をお勧めします(簡単すぎる、との批判もありますが・・・)多くの大学で読まれているようです
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ありがとうございます。 民法だけでも奥が深いことを知り 一生勉強だと思いました。 これからも一生懸命頑張ります。 よろしくお願いします。
- InfiniteLoop
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○時効が10年になるというのは民法162条又は163条から出てくるのでしょうか? 162条、163条は取得時効に関する条文です。債権の消滅に関する「消滅時効」については166条以下に定められています。不当利得に基づく返還請求権は一般の債権として、167条で10年の時効にかかります。
お礼
ありがとうございます。 請求する側の立場からしたら消滅時効なんだなと思いましたが 会社側の立場からですと取得時効かなとか思い 消滅時効と取得時効は相対的に整合性が取れていなければいけないのかなと思いまだ悩んでいます。 また債務不履行による請求と不当利得による請求は別々であるとしながらも 時効に係るときの根拠の法律が共に債権の時効になっている所も理解に苦しむ所です。 私の方でも色々調べて考えて見ます。 これからもよろしくお願いします。
- InfiniteLoop
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「債務不履行」を根拠とすることはできないですね。ただ、確かに賃金債権などは短期の時効にかかるわけですが、そうなると2年以前の分については、会社は本来支払うべき給料を支払わずに労働という対価を得ていたのですから、「不当利得」に当たるともいえます。不当利得の場合は時効期間は10年ですから、2年より前で10年は経っていない分の請求も可能かもしれません。 もし質問者さんが労働事件の当事者なら、弁護士さんに相談してください。もし勉学上の興味に基づく質問であれば、民法(不当利得)について勉強してください。
お礼
ありがとうございます。 >「債務不履行」を根拠とすることはできないですね」 この理由は労基法が優先されるからでしょうか? 債務不履行では無理だけど不当利得を根拠にすれば請求可能になるのは どのように考えたらよいのでしょうか?
- tk-kubota
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基となる請求権がいろいろあるようなので変わってきますが、10年とはならないです。
お礼
ありがとうございます。 労基法、民法の債務不履行以外に根拠になる可能性があるのでしょうか? 他にどんな請求権がありうるのでしょうか?
訂正 民法上、給料の時効は1年でしたので先ほど、1年と書きましたが、労基法を調べたところ、給料の時効は2年となっていましたので訂正します。 また、退職手当は5年です。 労基法は、特別法なので民法より優先されます。ですので、民法の規定より時効が長くなります。 債務不履行の時効は確かに10年ですが、これは例えば、金銭の貸し借りや、物の売買のときに援用されます
お礼
ありがとうございます。 労基法が民法の特別法である根拠は 労基法の内容が雇用関係を想定している所にあるからでしょうか? ですが労基法が特別法であることは間違いないと思えます。 ですがどうも違うような気がしました。 労基法を根拠にして未払い賃金を請求すると労基法の罰則規定(120条)が効いて 民法の債務不履行を根拠にして請求すると刑罰的な規定はなくなるというのが本旨のような気がしてきました。 労基法は雇用関係における債務不履行による請求を全て担うのでなく 刑罰付を担保するために設けているのが正しい認識だと思えてきました。
- tk-kubota
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文章がよくわかりません。もっと具体的に説明してください。 「権利を債務不履行を」の「を」が重複していますし、権利と不履行は繋がりませんので。
お礼
ありがとうございます。 具体的には未払いの賃金や退職金・休業補償などを会社に請求するとき 民法の債務不履行を根拠にすると時効は労基法の2年や5年でなく 10年になるのかどうかが知りたいのです。
具体的な権利が書かれていないので、なんともお答えいたしかねますが、労働基準法が出てくるので「給料」のことを意味しているのでしょうか? お給金なら時効は1年です
お礼
ありがとうございます。 具体的には未払いの賃金や退職金・休業補償などを会社に請求するとき 民法の債務不履行を根拠にすると時効は労基法の2年や5年でなく 10年になるのかどうかということです。
お礼
大変ありがとうございます。 おかげさまで民法174条を理解することによりかなり納得できました。 あと疑問に残っているのは不当利得の時効についてですが 時効が10年になるというのは民法162条又は163条から出てくるのでしょうか?