脳内イメージ.......、たとえば衣服を着けた人のイメージ、正面、側面、斜め上から、斜め下から、どんな角度に変化しても、ちょっと考えれば、その姿が正確に頭の中に描かれます。
その衣服を着けた人物とは、実際に目で見て記憶した姿でもよく、あるいはまったく頭の中で作り上げた人物像でもいいのです。
例えば人物がフレアのスカートを履いていたとします。スカートのフレア(ドレープ)がどこにあるか、どんな具合に波打っているか、それさえイメージできれば、人物の角度が変化してもドレープの位置や柔らかな波打ち具合までイメージできます。
そして、そのイメージ、つまりその人物の姿を欲しい角度のまま紙の上に描くことができます。
こうしたことはかなり小さい頃から、好き故に無意識に積み重ねてきた技能?だろうと思います。幼稚園の頃に電車を、正面も側面も見える斜め前から描いて、それで先生が驚いた.....ということですが、自分ではそんなのは当たり前のことでしたし、先生が驚いたなどということそのものには記憶にありません。
そしてその後も、やはり相変わらず「好き故に」、なにかあると、頭の中でイメージを繰り返し、欲しい姿を形作る....、そんなことの繰り返しでした、いえ、だっただろうと思います。
そうしたことから、例えば与えられた設計図など三面図からモノの姿を立体的に頭の中に描けたり、自分で最も納得の行くモノの姿を描けたり、たとえば人からこんなものが欲しい.....などと言われると、それをすぐイメージして描くなどといったことができるようになりました。というわけで結局、それが仕事となりました。
こうして見ると、結局、まずイメージすることが好きであること、観察力と想像力が人一倍あること、そしてモノが「ある」姿を常識で理解できること、最後にそんなイメージを紙の上に描ける再現力、こんなものが欠かせないと思います。先天的なものはないと思いますが、足りなければ努力して補うことになるのでしょう。
ちなみに、わたくしの場合、電車や新幹線などに乗ると、早速頭の中で「何か」を姿や色や模様のイメージにして、さらにそれを変化させるなどで楽しむクセがあります。こんなところが「資料がまったくない環境からでも自在に描けるようになるでしょうか?」へのお答えではないかと思います。
つまり、「資料がまったくない」のではなくて、資料はあるのです。イメージの上でなにか欲しいものがあると、まるで仕立て屋さんが店の奥からいろいろな布地を持ち出してくるように、いつも頭の中のどこかにいろいろ在庫が取り揃えてあって、そこからピッタリのものかが出てくる感じです。そして、イメージを「自在に描けるようになる」には、これはもう訓練しかないように思います。
お礼
非常にぼんやりとしたイメージしかなく 細部が明確にイメージ出来ないんです。 絵が描ける方は細部の細かいところまで イメージできているのか、と思ったので