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反応速度
p-キシレンとm-キシレンをニトロ化する場合、どちらのニトロ化の反応速度が速いかを知りたいのですがわかりません。 どなたか教えていただけないでしょうか?
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m-キシレンの方が反応速度が速いと思います。 一般に芳香族求電子置換反応は、求電子試薬が芳香族環のπ電子雲に攻撃し、π錯体を形成します。その後、π錯体からσ錯体に移行し、水素イオンだ脱離することにより、置換反応が完了します。 反応速度は、一般的にはσ錯体の安定性に依存していると言われています。 p-キシレンに対するσ錯体の安定性を1とすると、ベンゼンでは0.09 トルエンでは0.63 o-キシレンでは1.1 m-キシレンでは26となります。 5つメチル基が付いた物では29000となります。 塩素化での反応速度もp-キシレンに対する反応速度を1とすると ベンゼンでは0.0005 トルエンでは0.157 o-キシレンでは2.1 m-キシレンでは200となります。 5つメチル基が付いた物では360000となります。 ニトロ化の速度はp-キシレンに対する反応速度を1とすると ベンゼンでは0.51 トルエンでは0.85 ですが、他のデータの持ち合わせがありません。 ニトロ化の場合も一般的にはσ錯体の安定性に支配されると思いますが、(NO2+BF4-)の型ような強い求電子試薬のNO2+を使用すると 反応速度はπ錯体の安定性に従うそうです。 ここで、π錯体の相対安定性を調べると p-キシレンに対するπ錯体の安定性を1とすると ベンゼンでは0.61 トルエンでは0.92 o-キシレンでは1.13 m-キシレンでは1.26となります。 弱い型の求電子試薬ならばm-キシレンの方が、かなり速くなり、強い型の求電子試薬ならば、m-キシレンの方が、わずかに速くなるか、あまり変わらない。ということになるんではないでしょうか。 ニトロ化に関しては、実際のデーターがありませんので、最後の結論はあくまで推定です。よって、参考意見とさせて頂きました。
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遅くなってすいません。 ありがとうございました。