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芳香族化合物
ベンジルカチオンやベンジルアニオンといったものは芳香族化合物 なのでしょうか?
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-CH2^-あるいは-CH2^+という置換基のついた芳香族化合物といえると思います。 置換基との共鳴があるという理由で芳香族でないとするのであれば、置換ベンゼンの多くは芳香族ではないということになります。たとえば、安息香酸の共鳴においても、6π電子系にならないような共鳴形もありますよね。そういった事情は、ご質問のイオンに関しても同様です。程度の問題という見方もあり得ますが、境界が不明確ですよね。 まあ、あまりそういったものに対して、厳密な?意味での芳香族性ということは議論しないと思いますが、芳香族と考えるのが普通だと思います。
- phosphole
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すいません、NO.2に変なこと書いてましたね。 カチオン、アニオンラジカルは(置換基にもよりますが)完全にパイ系の電子数がおかしくなっていますので、芳香族というのは語弊があるかと思います。 もっとも、私も専門家ではないので、理論計算や磁気異方性の測定がどうなっているかは分からないのですが。 ニトロ基などで高度に電荷が安定化されている場合は、ベンゼン環上の余剰電子分布は1より少ないはずですので、芳香族に近いものもあると思います。
芳香族性の定義: 1:(4n+2)πであること 2:環状化合物であること 3:平面構造であること 以上三つの条件を満たしていなければならない。 このことから、 Ph-CH2^+, Ph-CH2^-は芳香族性が有るとは言わない。
お礼
環状も必要なのですね。ありがとうございました。
- phosphole
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完全に流入したらそうなりますが、実際には100%移動しているわけではありませんから、ヒュッケル則を破っているということにはならないと思います。 また、私が例示した錯体の場合だと、金属イオンとの相互作用がありますから、フリーのアニオンではないので、フリーイオンとは違ってくるでしょう。 そもそも、1電子の移動で芳香族性が破れるかということ自体が問題です。私も良く分かっていません。 100%移動した状態に近いものとして、ベンゼンのカチオンラジカル、アニオンラジカルのことを調べてみられてはいかがでしょうか。 数多くの研究例がありますし、構造化学者としては興味を抱くものです。 私の記憶だと、いずれの場合も平面構造を維持していたと思います。
お礼
またも丁寧なご解答ありがとうございます。 色々と文献をあたってみます。
- phosphole
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つまり、ベンジル位の電荷がパイ系に流入しているから、芳香属性は変動しているはずだ、という疑問でしょうか。 確かにそれはありそうですね。 私も調べたことがありませんので、はっきりと言えないのが申し訳ないのですが。 母体のトルエンに比べると、芳香族性は変化しているはずです。 しかし、だからといって非芳香族・反芳香族とまではいかないでしょう。 ベンジルアニオンの場合だと、アルカリ金属塩や遷移金属錯体が数多く知られていますが、いずれの場合でもベンゼン骨格は平面構造を保っています(配位の仕方によって少し変形が見られますが)。NMRなどの分光法や理論計算も同じ結論を出しています。 フリーのベンジルアニオン、およびベンジルカチオンについては、私はちょっと分からないのですが、芳香族に分類はされるでしょう。
お礼
丁寧なご説明ありがとうございます。 “ベンジル位の電荷がパイ系に流入している”とベンゼン環上のパイ電子数が変化して、芳香族の定義の一つである4n+2(huckel則)を満たさないということにはならないのでしょうか・・・?
お礼
回答していただきありがとうございます。