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1,4-付加?
マイケル付加は1,4付加ですか? αβで1,2付加じゃないんですか?
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1,4-付加体を経由して1,2-付加体を与えるか、直接1,2-付加体を与えるかについては、付加する側の塩基性やカウンターカチオンも関係すると思います。 そこで、そういったややこしい問題を回避し、かつ、カルボニル基への「1,2-付加」と区別するために、習慣的に1,4-付加、Michael付加、共役付加等の言葉をもちいているという意味です。それが常に、現実の反応機構を反映しているとは限りません。しかも、Michael付加というのは時としてかなり広範囲に用いられ、受容体側もカルボニル化合物とは限りませんので、「習慣的」な色彩が強いと思います。 ちなみに、エノンに、有機金属化合物を加え、それにクロロトリメチルシランを加えれば、通常、1,4-付加体(シリルエノールエーテル)が得られます。1,2-付加体と1,4-付加体のどちらが得られるかに関しては、付加体のカチオン側(たとえば、H+であるかLi+であるか、TMS+であるかなど)の性質にも関係します。このことは、通常、HSAB則(Hard and Soft, acids and bases principle)によって説明されます。 また、モリソンボイドに関してもチェックしましたが、ケトとエノールの両方が生成するが、より安定なケト型に収束するという主旨で書かれていると思います(版が違うかもしれませんが)。
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- phosphole
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金属にもよりますが、基本的には酸素上にメタルはたかりますよ? 例えば、私が挙げたオルガノキュプラートの場合、X線解析、NMR実験、理論計算から、銅エノラートになっているとされています。 アルカリ金属のように硬いモノならなおさらです。 反応の最初と最後だけみたら、アルケンへの1,2-付加となりますが、実際の機構はそうではないのは明らかです。 金属およびアルケンの種類によってはアルケンへ1,2-型で付加するので、確かに全てが全て、1,4-だ、とは言えませんが。
結果的には1,2-付加ですが、なかば習慣的に1,4-付加といいます。 実際に1,4-付加体を経由して1,2-付加体に異性化するかどうかは反応系によって違うでしょうが、マイケル付加を1,4-付加と呼び、カルボニル基への付加を1,2-付加と呼ぶことによって区別するという意味合いもあるでしょう。
- phosphole
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違います。 勘違いされているようですが、例えば有機銅試薬RCuが、アルファーベータ不飽和アルデヒドH2C=CH-CH=Oに付加する場合を考えてみましょう。 付加が起こると、 R-H2C-C=CH(OCu) というアルコキシ銅が生成しますね。 構造を見てみますと、付加が起こったのは元々の不飽和アルデヒドの4個の原子を挟んだ位置です。ベータ位と酸素原子上ですね。 この銅エノラートが加水分解されれば、目的のマイケル付加体を与えます。 1,2付加といったら、ケトンR2COへのグリニャール試薬RMgXの攻撃などが上げられます。最初の付加生成物R3C-OMgXでは、付加が起こったのはケトンの2個の原子を含む位置ですから1,2です。
お礼
しかし、モリソンボイドでは生成する中間体は、エノキシド?アニオンではなく、共役系のカルボアニオンだと説明してます。酸素上にはおそらく付加は起こらないんじゃないかなと思うんです。起こっても確率は低いんじゃないかなと。酸素上に付加が起こったら、その後ケトエノール互変が起こるんですよね。