惑星は量子力学的にはどのような状態?
古典力学(解析力学)では、横軸をx,縦軸をpにとった位相空間上の1点が粒子の状態に対応します。
量子力学では,横軸はxの期待値<x>,縦軸はpの期待値<p>をとり,(x,pの測定値のばらつきを考慮して)幅がxのばらつきΔx,高さがpのばらつきΔpの楕円みたいなものを状態に対応させる感じにすれば、古典力学との対応が見やすくなると思います。
1次元調和振動子のコヒーレント状態について、このような事を考えてみると、
コヒーレント状態は、(上記の意味で)粒子の状態を表す楕円が、古典論の軌道に沿って平行移動していく状態だと見る事ができます。
なので、1次元調和振動子のコヒーレント状態は、古典論の「ばねの振動」みたいな状態になっていると解釈できると思います。
質問は、
水素原子中の電子についても、同じように「古典的な状態(特に惑星の公転)」のような振る舞いをする、量子力学的な状態は存在するのでしょうか?
存在するのであれば、エネルギー固有状態で展開したら、展開係数はどうなっているでしょうか?
という事です。
具体的には、次のような条件を満たす状態|ψ>を見つければいいと思っています。
(1) ハミルトニアンH=p^2/2m -α/rに対して、任意の演算子A(t)は,ih dA(t)/dt=[A(t),H]を満たす. (hbarを単にhと書く事にします.)
(2) 位置x(t)の期待値<x(t)>(:=<ψ|x(t)|ψ>)は,古典力学における解x(t)と厳密に一致する. (空間の軌道が2次曲線になる)
(3) 位置xや運動量pの測定値のばらつきは、時間に依存せず一定.
(4) 不確定性が最小の状態.(Δx(t) Δp_x(t)=h/2などが成り立つ)
この条件を満たすのが理想的なのですが、「古典的な状態のような状態」というイメージを崩さない限り、適当に条件を緩めても構いません。例えば、
(2') h→0の古典極限(など)で一致する.
(3') 公転周期の間にほとんど変化しない.
(3'') t→∞で有限
(4') Δx(t) Δp_x(t)≒h/2
などとしても構いません。
最も簡単であろう「xy平面上を円運動する状態」で十分なのですが,全く手がかりがない状態です。何かヒントになりそうな事でもいいので、よろしくお願いします。