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各臓器のLDH量について

LDHの量によって、心疾患や肝疾患などの疾患の有無がわかりますよね。 何の疾患もない正常な人の場合、肝臓・脳・心臓で、LDH量に差が見られるのはなぜですか? 「何かの働きをするために肝臓にはLDHがたくさんある」など、なにか、理由はあるのですか? ちなみに私がLDH測定を行なった結果、肝臓が一番活性が強く、二番目に心臓、最後が脳でした。 簡単にでいいので教えて下さい。

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回答No.1

LDHはisozyme(イソ酵素)とその機能分担の好例として、生化学の教科書に出てくる定番です。ちょっとした教科書を見れば、苦労せずとも参考になる記述が見つかると思います。 >肝臓・脳・心臓で、LDH量に差が見られるのはなぜですか? LDH量といっているのは正確には「酵素量」のことではなく、ある測定方法で調べた「比活性」のことだと思いますが、ちがいますか? 酵素を精製して重量を量ったとか、電気泳動で分離、活性染色してバンドの濃さを調べたとか、ではないですよね。組織によって酵素量が実際どのくらい違うのかはわかりませんが、 isozymeの違いにより反応の性質が異なるというのは重要な点です。あげられている3つの中では、心臓は特殊でH型、肝臓を含め多くの組織は筋肉型の M型と呼ばれています(実は4量体でどのサブユニットのタイプの組み合わせでいろいろできる)。酵素の至適条件が違うので、ある一つの方法で LDH活性を測って、肝臓のほうが心臓より活性が高かった、ということに意味があるかどうか、、、、少なくとも、活性が高かったから量が多いとは、この場合言えないと思います。 心臓にあるH型は、ピルビン酸→乳酸よりも、好気条件で乳酸→ピルビン酸の反応を主に促進します。基質濃度が低いときに活性が高く、基質濃度が上がっても反応速度があがらないばかりか、高すぎると活阻害されます。酸素を多く要求する組織で、少量ずつ生じる乳酸をコンスタントにピルビン酸変えてクエン酸回路に送る、という代謝形態に適しています。 つまり、筋肉のように一次的に解糖系だけでエネルギーをまかなうことが出来る組織とちがって、好気条件で持続的にクエン酸回路・電子伝達系が動くことが前提となっているような組織に適応しているということでしょう。心臓が無茶をして乳酸疲労するような働き方をしたら困りますし、心筋は酸素を多く要求する組織の一つであり心筋梗塞で新鮮な血液が供給されなくなると他の組織よりダメージを受けやすいですしね。 脳のLDHがどちらのタイプかよく知らないのですが、代謝形態から考えると心臓型に近いのではないかと想像します。脳は酸素を多く要求するエネルギーを食う組織ですし、酸欠で真っ先に機能を失ってしまいますから、無酸素状態で解糖系だけで、乳酸を蓄積していきながらエネルギーをまかなうことができるとは考えにくいです。 M型は条件によって(ピルビン酸が多いか、乳酸が多いか。好気条件か嫌気条件か)どちら向きの反応もしますし、反応速度は基質濃度が高いほど高くなります。 筋肉が酸欠条件で仕事をするときは解糖系からエネルギーを得ようとしますが、このときLDHはピルビン酸を処理して乳酸反応にして、結果、乳酸がたまって疲労するわけです。たまった乳酸は好気条件でLDHによってピルビン酸に変換されてクエン酸回路に入り、再び呼吸エネルギー源になります。たしか、筋肉中で生じた乳酸は筋肉中でもピルビン酸に戻るけれど、大部分は血液によって肝臓に運ばれそこで変換されるのだったと記憶します。肝臓のLDH活性が高いのもうなずけます。

bi-
質問者

お礼

とても分かりやすい説明をありがとうございます。 かなり参考になりました!!この説明のおかげであとは自分で調べられそうです!! 本当に助かりました。ありがとうございます!!!

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