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革命による宗教政策は
各国の革命、あるいは革命もどきの政変によって、宗教政策は変化があるものなのでしょうか。例えばフランス革命ロシア革命明治維新文化大革命など。
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フランス革命について限定して回答しますが、 大革命においては二つの大きな流れがありました。 第一は、信仰の自由という市民的権利の柱のひとつを守ろうとする流れと、 第二は宗教を革命化しようという反教権主義的な流れです。 この二つの流れは、フランス国内のカトリックの地位を揺るがすという ところまでは同じだったのですが、後者は非宗教化を目指したという点で 異彩を放っています。 フランス革命はおそらく宗教を正面から否定した最初の革命で 極左派を中心に信仰に唾を吐き、対外戦争や内戦で好んで教会やその領地を略奪したのは 興味深い現象でした。 また「理性の崇拝」という人間礼賛の新世界を標榜し、 旧世界の世界観・秩序の完膚なきまでの破壊を”試みた”点は それが過激すぎて上手くいかなかったとしても、 一種のエポック・メイキングだったといえると思います。 こういうある種の愚行があったおかげで、文化・芸術の分野まで 表現の自由の幅が広がり、思考が柔軟になったという側面があるからです。 また混同されやすいですが、「最高存在(=)の祭典/崇拝」は 宗教(組織)に毒されてない神への新たな信仰を創設しようとして動きで、 キリスト教の革命化の第二パターンといえます。 つまりは神や信仰を否定せずに、(世俗的)宗教を刷新しようという動きです。 フランス革命においては、財際悪化、歳入不足という問題が 最初にあったので、国内の教会領地を国有化するという問題は 宗教政策以上の切実なものだったわけですが、 カトリック勢力・教皇と対決するというのは、 実は、フランスの王家がフィリップ4世以来ずっと続けてきた路線であり、 この点は政策変更があったわけではありません。 フランスは革命前から国内の教会から教皇の影響力をそぐために 有名なアビニヨン教皇など分裂の時代を自ら作ってきたわけです。 しかしフランス革命で異常な事態になったのは、 従来なら国益を重視すべき国王が、信仰を優先させたことです。 フランスのルイ16世はカトリック信者としての立場から 教会の国有化、聖職者基本法への反対を表明し、 誕生間もない立憲議会を結局はつぶしてしまいました。 これはまったくのイレギュラーで、予期されたことでも 賢い振る舞いでもありませんでした。 また国内での宗教政策で忘れてはならないのは、 ヴァンデの反乱についてです。 この地方は農村部はカトリック信者が、都市部ではユグノーが 多いという古くから宗教戦争が起こっていた土地柄で それが革命の徴兵制とさっきの聖職者基本法との反対があわさって 反乱となり長い内戦を引き起こしました。 この反乱は各教区の神父が指導的立場で、放棄を煽り、 2年後に反乱が軍事制圧され、信仰の自由が再び認められるまでは かなりの紆余曲折がありました。 最終的には信仰の自由という懐柔策でおちつくのですが、 それまではかなり過激な弾圧がおこなわれたことはおぼえておくといいでしょう。
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- nacam
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しばしばあります。 最も典型的な変化をしたのが、ロシア革命です。 ロシア革命後、宗教禁止が国是となり、ロシア正教やイスラム教の信仰が制限され、教会の領土没収、教会やモスクの破壊などがかなり行われました。 明治維新(革命とは呼べませんが)の場合、そりまでの神道の解釈が変更され、「国家神道」が国教とされ、他の宗教が弾圧されました。 ピューリタン革命は、イギリス国教会が権力と組んで住民弾圧を行ったために起こった革命です。 革命が進行する過程で、裕福市民層である長老派、無産労働者である平等派を独立派が押さえ込み、独立派の主要教派の会衆派を他者に強制したために、急速に革命の力か失われ、王制復古となります。 この復古した王チャールズ2世が、カトリックを擁護したため、名誉革命となり、イギリスにおいてイギリス国教会の優勢が確定します。
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ロシア革命のような市民革命において、特権階級はどうなったかということを知りたかったものです。やはり教会は攻撃されているんですね。イギリスの市民革命でもやはり教会はネックになっているのですね。
- 成る丸(@Narumaru17)
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「るろうに剣○」を読んだ事があればご存知だと思いますが、 明治維新に関して言えば、廃仏稀釈が有名ですよね。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%83%E4%BB%8F%E7%A8%80%E9%87%88
お礼
廃仏稀釈について知りたいと思っていました。明治維新の経済政策なのですね。よくわかりました。
- a-koshino
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明治維新や文化大革命を革命とするのは、何を革命とおっしゃっておられるのか疑問ですが、まあそこはスルーします。(いずれもクーデターではないかと思うのですが) 産業革命によって勃興した新興資本家が、封建的特権階級からの権力奪取を目的として起こす、いわゆる市民革命について述べるなら、キリスト教会はまさしく、封建的特権階級ですので、教会から富を没収するのが革命後の宗教政策となります。 フランス革命後の「理性への信仰」などは、特に極端なケース(キリスト教そのものを否定)ですが、目的は教会財産の没収なので、宗教弾圧にはつながらず、最後にはウヤムヤというか、穏便な線で妥協が図られることに。
お礼
革命とは違ったかもしれませんね。 キリスト教会は特権階級ですか。結局イデオロギーよりも経済政策という風になっていかざるを得ないのでしょうね。よくわかりました。
お礼
フランスの開明的な伝統というのは、革命に伴い教会を否定していくという歴史に負っているのですね。たいへんよくわかりました。しかも革命前までの王権が必ずしも教会べったりでなく16世が逆行した結果だったのかもしれないということですか。