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医薬品の研究について
ヒトゲノムの塩基配列が全て解読されたことで、これからの医薬品の研究開発の方法は大きく変わると聞きました。これまでの方法とこれからの方法は具体的にどのように違うのでしょうか。
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従来まではターゲットのレセプターを単離してきて、 そこに結合する骨格をリード化合物として研究を展開していました。 しかし、最初のレセプターを大量にとってくるのが極めて大変です。 ゲノム情報を利用して創薬する際には、 DNAの配列からレセプター型たんぱくに類似の構造をもつであろう遺伝子をライブラリーよりピックアップし、 機能がわからないけどもそれらを全てクローニングします。 例えば、レセプターの多くは膜貫通型である事が多く、 疎水性と親水性のアミノ酸が交互にコードされている配列を選びます。 そこから得られた機能が未知のレセプター群に化合物ライブラリーから結合定数の大きいものをとってきます。 ここで得られた化合物を色々な病気のマウスに打ち込む事で効用を調べるということを行っています。 そうすることで、リード化合物の探索に対する時間と労力の短縮だけでなく、 今まで構築した化合物ライブラリーを再利用できるというメリットもあります。 ただ、ある特定の病気に関する薬剤を作るのには向いていないので、 これからも両者の方法を併用しなくてはなりません。
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- ebikichi
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キーワードは「個の医療」でしょうか
「ゲノム創薬」という言葉が独り歩きしている感がありますが、ヒトゲノムの配列が解読されたからといって、そこまで劇的に創薬の方法論が変わるわけでもありません。 ただし創薬技術が進歩しているのは紛れも無い事実であり、1980年代以降あたりの遺伝子技術を総称して「ゲノム創薬」と捉えるなら、既に創薬に欠かせないものとなっていると言っていいでしょう。 また、医薬品の研究開発というのはある程度、行程が決まっており、ゲノム創薬などの最先端の研究をしている学生よりも、コンベンショナルな技術(合成や動物実験など)を身に付けている学生の方が製薬会社の需要は高いです。もし企業への就職を考えておられる際は、そのあたりも考慮することをお勧めします。
お礼
回答ありがとうございます。 >ゲノム創薬などの最先端の研究をしている学生よりも、コンベンショナルな技術(合成や動物実験など)を身に付けている学生の方が製薬会社の需要は高いです。 製薬会社に就職することも考えているので、これからの研究室配属などで参考にしたいと思います。
お礼
回答ありがとうございます。ゲノム創薬にも「ある特定の病気に関する薬剤を作るのには向いていない」ということには驚きました。確かにこれから両方の方法を使うことが創薬分野にとっては大切そうですね。