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電子回路
トランジスタでは、ベース電流・コレクタ電流・エミッタ電流が流れていますが、そこには抵抗が必ずついてます。この抵抗はいったい何の役目でしょうか? 基本的な質問ですみませんが、よろしくお願いします
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- joshua01
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こんにちは。 次の回答はいかがでしょう。 一応、一番標準的な「NPNトランジスタのエミッタ接地」回路で使われる5つほどの抵抗のうち、特に重要な2つを説明してみますね。また、オームの法則の検算はご自身でできるものと想定させてください(検算はしなくてもいいですが(笑)) ○ コレクタの抵抗 トランジスタは便利ながら不思議で理解しにくい素子ですが、視点を変えるとタダの可変抵抗です(トランジスタの名前も、トランス・レジスター;伝達抵抗器。コレクターエミッタ間が可変抵抗になります。)。 このとき、例えば10vの電源とこの部品を使って「信号に合わせて変動する電圧」を取り出すためにはもう一つの抵抗が必要ですね。もし、コレクターエミッタ間が100オーム~200オームの間で変動してくれたとしても、10vの電源にただつないだのでは何の電圧の変動はありません。しかし、これに、100オームの固定抵抗を直列つなぎすると、中点(2つの抵抗の接続点)の電圧が変動してくれます(エミッタをマイナスにつなぎ、固定抵抗をプラス側に置いて直列つなぎすると、中点の電圧は5v~6.6vの間で変化)。 この固定抵抗が「コレクタ抵抗」であり、「負荷抵抗」「出力抵抗」とも呼ばれ、いわばトランジスタ増幅回路の一番に重要な抵抗です。 (なお、通常は、「コレクターエミッタ間の抵抗値が変動する」と言わずに「コレクタ電流が変化する」と表現します。また、後述するベース電流が合流しますが、これは大変小さいので、基本的にはコレクタ電流とエミッタ電流は同じ(抵抗器の入り口と出口の関係)と考えていただきましょう。) ○ ベース抵抗 増幅出力を得るためにコレクターエミッタ間の抵抗値を変化させるためにはベースに流れ込む(そしてコレクタからの電流と合流してエミッタに抜けてゆく)電流を変化させます。ほんのわずかの変動幅で十分で、このベース電流が少し大きくなるとコレクターエミッタ間の抵抗が大幅に小さくなります。これで波形が大きくなる「増幅」の効果が得られます。 このために、入力信号に当たる電圧をベース・エミッタ間に加える必要がありますが、トランジスタはわずかでも電流が流れていると、「ベース・エミッタ間の電圧は常に0.7vとなる」特性があります。実はこれがくせ者。もし、入力電圧が1vだったとしたら・・・ ちょっと理解の難しい回路ですが実は1vの電池と0.7vの電池との並列つなぎをした状態であり、大した電圧差ではないものの莫大な(理論的には無限大の)電流がベースに向けて流れ込み、トランジスタを壊してしまいます。もし、壊れなかったとしても、コレクターエミッタ間の抵抗は「ほとんど0オーム」になってしまい、これは入力電圧が0.8vでも1vでもそのまま変動せず、これでは緩やかな波を増幅することはできません。(なお、0.7V以下だったら全く流れ込まない(逆流する)ので、コレクターエミッタ間抵抗は「ほとんど無限大」) そこで、例えば入力信号端子とベースの間に1KΩの抵抗をつなぐと、入力電圧が1vならベースへの流れ込み電流は0.3mA、入力電圧が0.8vなら0.1mAですので、このくらいなら、コレクターエミッタ間抵抗がほどよく変動します。これが「ベース抵抗」(入力抵抗)です。 ・・ということで、ここで上げた例で、ベース電流のとコレクタ電流の比が100(hfe=100と書き、電流増幅率と呼びます)のトランジスタを使った回路だとして検算してみましょう。 ○ 入力信号電圧が0.8v-1vの間で変動する(変動幅0.2v)・・・ベース電流が0.1mA-0.3mAの間で変動・・・コレクタ電流が10mA-30mAの間で変化・・・コレクタ電圧(抵抗同士の接続の中点の電圧)が3v-1vの間で変化(変動幅2v) (信号が逆位相になりますが、めでたく増幅成立!なお、このとき、コレクターエミッタ間の抵抗値は700Ω~900Ωの間で変動していますが、電流の関係が直接掛け算できるので、抵抗値の数字は無視することが多いです。) さて、いかがでしょうか。 ついでに、わかりにくいことを承知で他の抵抗を短く説明すると ○ ベースから電源の+につながっている抵抗・・・ 0.7v以下の信号が増幅できなくなるのを避けるための「かさ上げ」の電流を提供します。バイアス電流と言います。 ○ベースから-(グランド)につながっている抵抗・・・バイアスを補助するもので、もし+側にしかつないでないと、トランジスタの温度等で「かさ上げ」の効果が大きく揺らぐことがあるため、わざと大きめにバイアス電流を流し込み、余った分をグランドに落とすという方法で安定化すると考えていただきましょう・・ちょっと模式化しすぎで無理があるかな・・。不安定でよければ要らない場合もあります。 ○エミッターグランド間につながっている抵抗・・・トランジスタの温度等で増幅度(正しくは動作点といいます)が変動してしまうのを避けるものです。安定化の効果は大きくないので要らない場合も多いです。 さてさて、私が楽しんでしまって長くなりましたが、いかがでしょう。 これからこの世界をより楽しんでいただく上でお役に立てば幸いです。
- esezou
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eznt660さん、こんにちは。 ご指摘のように、バイポーラトランジスタ(Tr)は、電流増幅素子ですので、例えばベース電流をコントロールし、コレクタ電流を用います。 したがってベース電流、エミッタ電流を、最適動作電流に規制する、1つめ。 しかし、通常これでは何かと不便ですので、電圧に変換し外部と接続するのが普通です。これが2つめ。 外部回路とはインピーダンスという概念で整合接続するので必要、3つめ。 Trは電流素子とはいえ、Vbeなど電圧に依存するパラメータを持っている、即ちエミッタ - ベース電位を規制しなければならない、4つめ。 素子耐圧等から、例えばコレクタ - エミッタ電圧を規制しなければならない、5つめ。 電流動作素子でありながら、電圧電位を規制しないといけないので、抵抗が必要なのです。 トランジスタのバイアスの与え方が理解できれば、アナログ回路設計の入り口に到達したことになります。 ご活躍、期待いたします。
- outerlimit
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一言でいえば 安定した 入力信号の供給と出力信号の取り出しのため 入力信号の変化に伴い出力信号が変化しますが 抵抗が無いと 入力信号が不安定になる 出力信号が不安定になる/うまく取り出せない