「おくり」というのは標準語なのでしょうか?
私は聞いたことがありませんが、
意外と日本の軍隊言葉のほうが廃れたので厄介です。
英語のほうが残っているのでアレなんですが、
そういうんでしょうか、名称とは難しいものです。
話を聞くと、要するに弾と火薬を入れた後の
薬包(カートリッジ)のことでしょう。
日本ではかつては早合といったものですが、
弾丸と一回分の火薬を筒状ににした紙/布に入れてあるものです。
発砲時は、この包みを噛み切って中身を銃口に入れたり、
銃口に当てて指で押し出すと
反対側から弾と火薬が入る仕組みだったりするわけです。
さて、役割ですが、最後に押し込んで
弾と火薬を銃身の底にとどめるためのものです。
銃口を下にした時に弾が落ちないように・・と思うでしょうが、
最も重要なのは装薬が銃身のなかでバラけないことです。
バラけると一部にだけ発火して、残りが弾と一緒に噴出すので
白煙と共に黒い霧みたいにバフっと出てしまい、
弾丸の威力が著しく減退します。
薬包、もとい”おくり”を入れて込め矢で押し込むと
くしゃくしゃになった油紙や布ですから、
モップではいたように火薬が銃弾ごとぐっとおしこまれるわけです。
銃口の直径と弾丸の直径の差、つまり”遊隙”を埋めるため
というのは、論理的ですが、現実的にはそれをやっても
ガス圧はほとんど変わらないのでその役割は気休め程度でしょうね。
大型砲と違って、小銃の場合は装薬も少ないので
むしろそれに拘るよりは、素早い装填、素早く次の発砲を行うことの方に
兵隊は注意を注ぎます。
火縄銃でも遊隙はコンマ数ミリ程度のため、
実際に弾を布や紙で包んだ状態で入れようとすると
逆に途中で詰まったり、上手く入らなかったりするはずです。
力ずくで入れれば入るのでしょうが、
現実的に考えれば、
弾を入れた後にその上から”おくり”を入れたでしょうね。
お礼
はっきりした回答ありがとうございました。私が質問した銃も散弾銃なので、このことだと思います。ようやく意味がつかめました。ありがとうございました。