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C3対称性
文献に書いてあったC3対称性の構造特性を持っているという意味がわからないのですが、C3対象性とはどのようなことなのか、また、それがあることでどのような利点があるのか教えてください。お願いします。
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C3対称性の簡単な例の内さらに対称性が高いのがアンモニア分子(C3v)です。 アンモニア分子模型を作り、水素を三つ机の上に乗るようにして下さい。三角錐みたいな形になります。 このとき窒素を通る垂線を三角錐の底面に下ろしたモノが中心線でこれを軸として120度毎に以前の形とピッタリ重なるのがC3の要件です。 アンモニアの場合その垂線を通り水素をひとつ通る面で面対称になるのでC3vになっています。 水素の代わりに「3つの同じ光学活性基」が付いていると対称面が無くなりますが、3回回転軸は健在です、これがC3です。 「利点」うーむ。人間からすると「分子軌道の計算」がその分楽になる位でしょう。 もちろん対称性が高ければ高いほどその分子は安定になるのですが、その辺りは計算化学やさんに聞いて下さい。 m(_ _)m
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- anthracene
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ちなみに、計算による構造最適化の場合は、必ずしも対称性が高い方が安定ではありません。 ヤーンテラー歪みというものを無機化学で習っているかもしれません。 これは、対称性が高い構造から、あえて対称性が低い構造に変形することで、電子エネルギーが返って低下し、結果として系全体が安定化するというものです。 このような効果を、vibronic couplingと呼んだりしますが、同様のことは有機化合物でも良く起こります。 理論計算を対称性をかけて行って、得られた構造を、今度は対称性を無視するオプションで計算しなおすと、構造がひずんでより安定な構造に収束することはしばしば見られます。
- anthracene
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ホスト分子がC3対称を持つということは、取り込むゲストも同じ対称性を持っていると相互作用およびパッキングが有利になり取り込みやすくなる、ということがあるかもしれません。 また、私がNo.1で書いたように原理的にキラルになります。 質問者さんのホスト分子が、エナンチオマーが分離可能なら、キラルを認識して取り込みを行うことができるかもしれません。
- anthracene
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C3対称性というのは、たとえばトリフェニルホスフィンが該当します。 分子構造をソフトなりモデルで組んでみれば分かると思いますが、この分子はフェニル基がプロペラの羽のようになっていて、リン原子のところで120度回転するごとにフェニル基が重なります。 このことから、トリフェニルホスフィンのような構造の分子をプロペラ構造をしている、とか言ったりします。 このように、ある軸を中心にして120度回転すると、もとの構造と重なるよ、というとき、C3対称性を持つ、といいます。また、その軸をC3軸と呼びます。 他の例だと、トリフェニルメタンもそうですね。 一方、トリフェニルアミンは違います。 この分子は平面構造をしているため、C3対称性も持ちますが、より高いレベルの対称性に帰属されます。詳しくは点群の本など見てください。 うーん、利点といっても難しいですね。 たとえば、C3対称の分子は、不斉点を持たなくとも原理的にキラルになります。 構造をモデルで見ると分かると思いますが、プロペラの羽根の向きを反転させると、重なりません。 実験的に両エナンチオマーを分離できるかは別問題ですが。
お礼
すごくわかりやすくて勉強になりました。本当にありがとうございました。
お礼
ありがとうございました。今回はその物質がホスト分子であることの利点を考えていたのですが、対称性になるほど安定するということも一つはあるのかな?と思いました。理解しやすいように書いていただいてありがとうございます。