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対称性の破れについて
- 物理学における基本的な対称性にはCPT対称性がありますが、これらの対称性はなぜ破れるのでしょうか。
- パリティ対称性ではなく、CやTについても同様の疑問があります。特殊な現象が観測されたら、それは対称性の破れを意味しますが、その原因は何でしょうか。
- 専門書を調べても、対称性の破れの理由については触れられていないことが多いです。明確な答えはなくても良いので、考えを教えていただけると助かります。
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何度もすみません。やっぱり、ご質問の内容にはお答えできていない 気がしてきました。 No.4 に書いたことは >専門書を探ってみても、 >「この現象が観測されたので、対称性は破れている」 >というロジックしか見つからず、その理由については触れていません。 という内容なのかなと思えてきました。 弱い相互作用なら、なぜ対称性を破る結果が生じるのかという ご質問なのでしょか? 弱い相互作用はパリティの異なる二つの状態を混ぜてしまうので ベータ崩壊の角度の非対称性を生むのですが。 専門的には、等方な崩壊(散乱振幅)と非等方な崩壊(散乱振幅)との 干渉によって崩壊の非対称性が生じます。 ご質問の意図がこのような内容についてでしたら、もう少し上手い 説明を考えますが
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- ahoahoaho3
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日本語のもので入手しやすそうな物ですと、 「素粒子物理学」ファインマン・レクチャー 大場一朗著 丸善 p177 くらいしか見付かりませんでした。日本語訳はひどいですが。 どうしても、数式は避けて通れないと思います。 分かりにくいところがありましたら、掲示板ででも質問してください。
お礼
ありがとうございます。 とりあえず、Amazonなら現状2冊ほどあるようですね。 http://www.amazon.co.jp/%E7%B4%A0%E7%B2%92%E5%AD%90%E7%89%A9%E7%90%86%E5%AD%A6%E2%80%95%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC-%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BBP-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%B3/dp/4621037579 定価より高くなってしまうのは常ですが……。 邦訳版がひどいなら頑張って英語版でもいいかな? http://www.amazon.com/Theory-Fundamental-Processes-Advanced-Classics/dp/0201360772 こっちのほうが図書館にもありやすいようなので。 読んでみて、分からないところがあったら また質問させてもらうかもしれません。 その時には是非よろしくお願いします。 ありがとうございました。
- ahoahoaho3
- ベストアンサー率63% (14/22)
> 質問文で例に挙げた、 >「ベータ線は親核のスピン方向に対して非対称に放出される」 >という現象は、内部で何らかの相互作用が起きた結果、 >生じるものだと考えています。 >つまり、特別な相互作用が起きなければ、対称に(等方的に)放出されるべきで、 >そうではないことには何らかの理由があるはずだと思っているのです。 はい、その通りです。 自然界には重力、電磁力、弱い相互作用、強い相互作用の 4種類の相互作用があり、パリティやCPの対称性を破るのは弱い相互作用 のみで確認されています。 もしご質問の内容がβ崩壊の角度分布の非対称性が、なぜパリティの 破れの根拠となるのかということでしたら、下記を御覧ください。 ご質問の内容を誤解していましたら、再度指摘してください。 http://homepage3.nifty.com/iromono/kougi/timespace/node10.html 真ん中の点線の左と右で鏡像(パリティ反転)を表しています。 点線に一番ちかい左右の原子核をみると、左の原子核は原子核の スピン方向が右ネジで考えて上向きに対しβ線は下に飛んでいます。 右の原子核はスピンが下向きに対しβ線は下に飛んでいます。 パリティを反転させると左の原子核から右の原子核に移ります。 すなわち、原子核のスピンと同じ向きにβ線が飛んだ時と逆向きに 飛んだ時はパリティの反転状態に対応します。もしも原子核のスピンと 同じ向きにβ線が飛ぶ確率と逆向きに飛ぶ確率が等しければパリティ は保存しています。等しくなければパリティ対称性は敗れています。
- ahoahoaho3
- ベストアンサー率63% (14/22)
No1の者です。ふとファインマン先生の言葉を思い出しました。 日光東照宮の話が出て来る味わい深い話です。 http://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%B3%E7%89%A9%E7%90%86%E5%AD%A6-2-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%B3/dp/4000077120
- eatern27
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人間の身体って、左右対称ではありませんよね。 分かりやすい所では、心臓など多くの内蔵が対称性を破っています。 では、何故、人間の身体は左右対称ではないのでしょうか? ってか、人間の身体が左右対称でない事に理由なんてあるんでしょうかね?つまり、「左右対称であってはならない理由」があって、左右対称にならなかったのでしょうか? 「左右対称であってはならない理由」があるというよりも、「左右対称でなければならない理由」がない、というだけのことではないでしょうかね。 さて。 「自然が、C,P,Tのような対称性を持っていなければならない理由」ってあるんでしょうか?
補足
やはり、このような領域の物理学で迂闊に「何故」を問うと、 哲学に足を踏み入れるような形になってしまいますね。 「対称性を持っていなければならない理由」はないと思います。 ですが、「一見すると対称性があるかのように見える理由」は存在すると考えます。 つまり、人間の身体は、一見すると左右対称になっているのに、 上下や前後の対称性は全く持っていないわけです。 その理由としては、上下方向は地球の重力による影響、 前後方向は視界を確保する必然から、などが考えられます。 この流れから行くと、左右方向に関しても 何らかの理由によって全く左右非対称であって良さそうなものなのに、 一見すると対称になっていることには疑問を抱きます (対称な方向を左右と呼び出した、と言い出してしまえばそれまでですが)。 対称性を持つ必然、持たない必然がそれぞれ存在するのではないか と考えて、今回の質問をさせていただきました。
- ahoahoaho3
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根本的な理由は分かっていないと思います。 ベータ崩壊のパリティ非保存は弱い相互作用が極性ベクトル結合(V)と 軸性ベクトル結合(A)の両方を含んでいるからであり、(V-A模型) 標準理論の SU(2)xU(1) ゲージ対称性から、V-A模型を導くことは できますが、なぜ、自然は SU(2)xU(1)ゲージを選んだかについては 分からないと思います。実験データを非常に上手く記述する理論を 作り上げたということに過ぎないと思います。 CP 対称性の破れは小林益川行列の複素位相に起因しますが、これは パラメータとして測定値を代入するので、破れの度合いを予言するもの ではないと思います。(ユニタリティのチェックは行われていますが) いづれにしても、実験結果を説明する理論として、選ばれたもので あって、自然がなぜその理論を選んでいるかは謎だと思います。
補足
根本的な理由についても興味はあるのですが、 もう少し上のほうのレベルでの理由についてお聞きしてもよろしいでしょうか。 質問文で例に挙げた、 「ベータ線は親核のスピン方向に対して非対称に放出される」 という現象は、内部で何らかの相互作用が起きた結果、 生じるものだと考えています。 つまり、特別な相互作用が起きなければ、対称に(等方的に)放出されるべきで、 そうではないことには何らかの理由があるはずだと思っているのです。 この考えは間違ったものでしょうか?
補足
> 弱い相互作用はパリティの異なる二つの状態を混ぜてしまうので > ベータ崩壊の角度の非対称性を生むのですが。 ああ、きっとそれです。 それが訊きたかったことだと思います。 そのことについての詳細な説明、あるいは良い参考書の紹介などしていただけますか。