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月面反射通信(EME: Earth-Moon-Earth)は、誰が考案したのですか?
無線通信における、月面反射通信(EME: Earth-Moon-Earth)は、どこの国の誰が最初に考案したのですか? 通信衛星のアイデアと関連があるのでしょうか?
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通信衛星の原理は、かの有名なSF作家、アーサー・C・クラークが、まだ無名時代の1945年、米国の科学雑誌、「ワイヤレス・ワールド」に衛星通信に関する論文を寄稿し、現在、通信の基幹となっている衛星通信の構想を初めて科学的に示したことに始まります。彼は、無線信号を中継するために人工衛星を静止軌道に配備する方法の基本原理を示しました。 月面反射通信EMEの歴史はもっと古く、1935年にアメリカの海軍のネーバル・リサーチ・ラボラトリーの若手技師がハイパワーのメートル波レーダーで月の反射をとらえたことに端を発するといわれています。
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- merlionXX
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> EMEはずいぶん早い時期に考案されているのですね。 そうですね。 ただ、考案はされても実現したのはもっとあとになってからです。レーダー波の反射を検知し、遠距離軍事通信への応用を研究したアメリカ軍も、実際にEMEを成功させたのは1950年です。アメリカ陸軍通信隊が月面反射による電波で初めて無線通信に成功し、後の衛星通信の実現可能性を示したのです。 しかし当時はまだ宇宙空間に人工衛星を運ぶ運搬手段がありませんでした。 1957年のソ連のスプートニク打ち上げにより、アメリカでもにわかに実現を検討されるようになりました。当初は軌道上で安定に動作する中継機の開発が困難だったため、1960年には受動型衛星エコーによる実験が行われました。エコー衛星は、プラスティック薄膜でできた、直径30mの巨大な風船です。表面にはアルミニウムが蒸着されていて、地上からの電波を反射できるようになっていました。つまり、月面反射同様、衛星を軌道上の反射板として用うというものです。これは単純なので故障もしないという長所もありますが、地上からの送信に大電力を要するという大きな欠点があります。このため、衛星でいったん信号を受信して電力増幅し、地上に向けて送信する能動型衛星の開発が急がれました。 初めての能動型通信衛星はごぞ存知とは思いますが、アメリカのテルスター衛星によるものです。1962年のことです。 そして、アーサー・C・クラークの夢だった最初の真の静止通信衛星、つまり固定された地上のアンテナで補足可能な通信衛星となったのは、1964年8月19日に打ち上げられたシンコム3号でした。
お礼
再度のご回答たいへんにありがとうございました。 EMEは軍事通信の研究により実現したということですか。 きっとアマチュアも実験しようとしていたのでしょうけれど、やはり良い設備を持っているのは軍なのですね。 通信衛星について、たいへんお詳しい説明をしていただきとても感謝致します。
お礼
ご回答を拝見いたしました。 EMEはずいぶん早い時期に考案されているのですね。 たいへん参考になりました。 ありがとうございました。