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浮力について 人が浮くには
現在、消防の資機材について研究しているのですが、浮力について勉強している際、息詰まってしまいました。 現在の課題は、水難救助用の、水上で人を乗せる、フローティング担架の浮力についてです。 資料には、重量14.8kg、浮力10.8kg(成人男性をのせても水没しない)とあります。 運輸省の救命胴衣の基準というのには、大人用で浮力7,5kg以上のものを使用する、とあり、 ある救命胴衣の販売業者によれば、浮力の10倍程度までは浮く、とあります。 ということは、このフローティング担架の浮力10.8kgからすると、約108kgの人までは浮くことなのか。 浮力10.8kg。 人の重さは水中で1/10になると聞きました。そこで100kgのひとの水中での重さは約10kg。 浮力10.8kgよりも軽いので浮く??という素人の考えになるのですが、果たしてそれであっているのでしょうか? 勉強していくうちに、間違っているような気がしました。 人間の体重が100kgとするなら、水中では10kg。浮力は90kg。これでは担架よりも浮力がありますよね・・・。 比重は担架は1.37・・・水より重い・・・。どういうことなのか・・。 担架は面積が広いので比重と関係なく浮くのか・・。 浮力10.8kg=成人男性をのせても水没しない の説明をするのに結果がでません。 よろしくお願いいたします。
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水難救助関連の者ではありませんので、自信はありませんが・・・。 >人の重さは水中で1/10になると聞きました。 >フローティング担架の浮力10.8kgからすると、約108kgの人までは浮くことなのか。 ちがいます。 水中での人の重さは、陸上での体重のおよそ1/10程度として救命胴衣等を設計する基準とするということだと思います。 逆に言うと、浮力10.8kgのフローティング担架では、約108kgの人までは浮く(体が完全に水上に出るということではない)・・・沈まないということです。 現物を見ないと、何ともいえませんが、息が出来る状態まで浮上させることが出来ると解釈すべきだと思います。 浮力10.8kgの表示のあるものは、人であろうが石であろうが10.8kgを超える重量のものを載せると沈みます。 >浮力10.8kgよりも軽いので浮く?? その通りです。 人の場合は、比重が1.1くらい(筋肉質の人はもう少し大きい)なので、水中では陸上での体重のおよそ1/10程度になるということです。 その重量より浮力の方が勝っているので、わずかに(体の一部、0.8kg分が)浮きます・・・全部は沈みません。 >人間の体重が100kgとするなら、水中では10kg。浮力は90kg。これでは担架よりも浮力がありますよね・・・。 その通り。 体の浮力は90kg+担架の浮力10.8kg=100.8kg 体重は100kg。差し引き0.8kg分水上に出ます。氷山の一部が水上に顔を出す現象と同じように。 人間だからわずかでも浮きますが、100kgの石とか鉄とかであれば浮力が人間の数分の1しかないため、完全に沈みます。 >比重は担架は1.37・・・水より重い・・・。どういうことなのか・ 担架の比重が1.37というのは、どこから出た数値ですか。 ネットでみた一部のフローティング担架は、担架の人を載せた部分には浮力がなく、担架のパイプ部に「浮き」が取り付けられていました。浮きを取り除いた比重が1.37?、それとも人を載せるシートの部分の比重が1.37? トータルでの比重が1を超えるとフローティングとはいえません。 >浮力10.8kg=成人男性をのせても水没しない 仮に80kgの人を浮力10.8kgのフローティング担架に載せた場合、差し引き2.8kgとなります。人の頭の重さは成人の平均で4kgから5kgといわれていますので、頭の約半分が水面から出ます。担架ですので水平に近い状態になりますので、耳が全部隠れるくらい沈んだ格好になり、何と顔が出ている感じになります。
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(1) キーワード・公式、およびその簡単な説明 【アルキメデスの原理】 公式: F1=W1 ・・・(1) F1:水中で物体が受ける浮力の大きさ[kg重] W1:物体のおしのけた水の重さ[kg重] 「水中の物体にはたらく浮力の大きさは、その物体がおしのけた水の重さに等しい」・・・(a) (完全に水没している場合は物体の全体積分だけの水を押しのけたことになる。浮かんでいる物体の場合は、水中に沈んでい部分の体積分の水をおしのけたことになる)・・・(b) 【比重】 公式: S=W2÷W ・・・(2) S:比重 W2:物体の重さ[kg重] W:物体と同じ体積の水の重さ[kg重] 「物体の重さと、その物体と同じ体積の水の重さの比を、比重という」 (「W2:W3」や「W2/W3」も比重を表している。ふつうは、物体も水も、単位体積あたりの重さで比を取るので、密度に等しい。なぜなら、水の密度は、1[g/cm^3]だからである) ・・・(c) 【密度】 公式: D=M/V ・・・(3) D:密度[g/cm^3] M:物体の質量[g] (すべての物質の重さの基準になる、水の密度を1[g/cm^3]と決めている。大きな単位では、1[kg/l] である。なぜなら1リットルは1[cm^3]の1000倍だし、1キログラムは1[g]の1000倍だからである。さらに大きな単位で水の密度は1000[kg/m^3]である。) 【重力】 公式:F4=W4 ・・・(4) F4:物体に加わる重力[kg重] W4:物体の重さ[kg重] 【力のつりあい】 公式: F1+F2・・・+Fn=0 ・・・(4) F1,F2,・・・,Fn はある座標軸でみた、物体にはたらくn個の力をあらわす。 直行する平面座標を定めて、x軸の正の向きの力の大きさを+で表し、負の向きの力の大きさは-であらわして、公式に当てはめる。つりあっているときは、その合計が0になる。 静止している物体にはたらく力はつりあっている。 (等速度運動をしている場合も力はつりあっている) (2) 問いのたてかた、問題の見方・考え方の基礎 【問いの立て方】 一つの複雑な大きな問題を、多くの単純な小さな問題に分ける。答えやすい問いにする。 【考え方の基本】 複雑なものは単純なものにして考える。 単純な場合が理解できたら、それらを組み合わせる。 (3) 誤解をなくす 具体的に書きましょう。 >比重は担架は1.37・・・水より重い・・・。 これは誤りです。おそらく、重量14.8kg÷浮力10.8kgを計算されたためだろうと思いますが、フローティング担架は、水に浮く物体です。 (a)(b)の説明にあるように、沈んだ部分の体積に等しい重さが、10.8kgなのであって、比重を求める公式(1)にあてはまりません。では、(求める必要はないとは思いますが)このような考え方で比重を求めるにはどうすればよいか、水面下すれすれまで、フローティング担架を沈めるのに必要なおもりの重さを調べます。そののちに(3)をつかって、浮力を求めます。たとえば、22.2[kg重]のおもりでそうなったとしましょう。上向きを正として、フローティング担架に加わる力は、下向きの重力 -14.8[kg重]、おもりが下向きに押す力 -22.2[kg重]、そして、浮力が F[kg重]であるとします。すると、(4)より、 F-14.8-22.2=0 これを解いて、F=37.0[kg重]となります。このようにして求められた浮力は、物体と同じ体積の水の重さですから、比重計算に使えます。14.8/37.0=0.40 理科年表で密度を調べると、木材(すぎ)が0.4です。この値になるようにしました。ということは、木材(すぎ)を浮かべて、体重20[kg重]の子どもを乗せると水にぬれなくてすみ、体重30[kg重]の子どもの場合だと、少し水に体がつかることになります。 >資料には、重量14.8kg、浮力10.8kg(成人男性をのせても水没しない)とあります。 この「水没しない」ということばは、水底に沈んでしまわないということです。成人男性の体か、水につからないということではありません。体のほとんどが水中にあって、頭部のみ水上に出ている状態でとどまっていられれば、それは「浮く」といいます。 単純に人だけの場合を考えると、 体重100[kg重]の人が、水に頭部だけ出して浮かんでいるとき、垂直方向で、下向きに、その人に加わる力は、重力100[kg重]、そして、上向きに、浮力 F[kg重] これ以外にはたらいている力があるでしょうか。(離れて働く力は、重力、電気力、磁力のみ。接して働く力はこの場合水からうける力である浮力のみ。大気も接しているが、大気中の物体の浮力は、物体のおしのけた空気の重さに等しいのでわずかであるから無視する。ですから、)ありません。すると、力のつりあい(4)より、 F-100=0 これをといて、浮力は、100[kg重]です。これと、(b)から逆に分かることは、この人の、水中に沈んでいる部分を、うめなおす水の重さが100[kg重]であることがわかり、(c)より、水の体積が100リットルであることがわかる。 水上に出ている頭の部分の体積が、水中に沈んでいる体積100リットルに対して1/10というのであれば、水中に体全体があるときには、110リットルの水をおしのけているのだから、110[kg重]の浮力がかかり、それにくらべて重力、(すなわち体重)が100[kg重]なのだから、上向きの10[kg重]の力がはたらくことになって静止できない。沈んでいる状態から浮かぶ状態へ、浮かんでゆく。 >人の重さは水中で1/10になると聞きました。 水中で体重計に乗っているとする。体全部を水中に沈めて、体重計に乗ることができないのは先ほど述べたことで分かる。そして、体の大部分を水中に沈めたときも浮かんでいるのだから、体重計には乗れない。すると、体の、それほど多くの部分が沈んでいない状態で、水底に足がつくような場合を考えなければならない。体重計の目盛りが示す値は、体重計に人がくわえる力は、【作用反作用の法則】から、体重計が人に加える力でもある。ただし、向きは逆になる。これをFw[kg重]とし、浮力をF[kg重]、真の体重を100[kg重]とする。 水の中に下半身を沈め、水中での体重を量ろうと、じっとしている人に加わる力は、力のつりあいより、 Fw+F-100=0 これから、F=100-Fwとなるので、もし、体重100[kg重]の人の、水中の体重が、その1/10の10[kg重]であるならば、F=100-10=90より、浮力は90[kg重] それは、90リットルの体積である。人体の密度を、0.985として、(3)より、 0.985=100/(その人の体全体の体積)であるから、(その人の体全体の体積)は100/0.985=約102リットル。つまり、90/102が水中にあるということになる。かなりの部分が水中に沈んでいるので、それだけ浮力も大きくなり、見かけの体重は小さくなるのである。水中に沈んでいる部分の割合によって、水中に体重計を置いて量った見かけの体重は変わるのである。いちがいに1/10とはいえない。
お礼
90/102。 なるほど、わかりやすいです。 ほとんどのご回答の部分は私の知識ではわかりませんが、せっかくいただいたので勉強させていただきます。でも結論は大変わかりやすいです。 ありがとうございます!!!
- Willyt
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何か勘違いがあるようですね。浮力を考える場合、重さの他に体積データが必要です。浮力は体積に等しい力をその物体に及ぼしますから、重い戦艦だって浮くのです。ですから成人男性が水没しないためには成人の体重100kgと担架の重量14.8kgを加えた114.8kgの浮力が必要ですから、その担架が114.8リットル=0.1148立米以上の体積を有することが必要です。 もしも担架に乗った人間が水に浸かってもいい場合には人の比重は殆ど1ですから(1以下の人もいます)、担架の体積が自重分、つまり14.8リットル=0.0148立米以上の体積があることが要件になります。 担架の10.8kgの重量を支えることができるという仕様ならば担架の体積が25.6リットル=0.0256立米以上であればいいということになり、要するに体積に関する仕様が必要になります。
お礼
体積ですか・・・ざんねんながら、資料が乏しく、わかりません。 もうちょっと勉強します。
お礼
10時間でご回答いただけるとは、思ってもいませんでした。 わかりやすいご説明、ありがとうございます。 >人の頭の重さは成人の平均で4kgから5kgといわれていますので、頭の約半分が水面から出ます この一文が特にさんこうになりました。これで他の人にも説明がつきます。 大変ありがとうございました!!