• ベストアンサー

有機化学

芳香族化合物や共鳴構造を取れる物質はなぜ安定化し、酸性度が強くなるのですか?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
noname#62864
noname#62864
回答No.4

補足します。 安定な物質の酸性度が高いというわけではなく、H+がとれた形が安定な物質が酸性度が高いということです。 つまり、ある物質がHをもち、その化学式を仮にH-Aで表したとします。 H-A ←→ H+ + A- の平衡が右に偏っているほどH-Aの酸性が強いことになります。これは酸の強さというものの定義といえます。 A-が安定であるほど、式の右辺は安定となり、平衡は右に偏ることになります。 すなわち、H-AからH+がとれた形であるA-が安定であるほど、H-Aは強い酸ということになります。 たとえば、Cl-はCH3COO-に比べて相対的に安定であるために、HClはCH3COOH(酢酸)よりも強い酸となります。

yamanpe
質問者

補足

知りたかった事が分かりました! ありがとうございます!   ピクリン酸と硫酸、塩酸、2,4ペンタジオン、超強酸(クロロ~、フルオロ~詳しい名前は忘れました)の酸性度はどのような考え方でくらべればいいのですか? 上のような考え方はすべての物質にいえるのですか?

その他の回答 (5)

回答No.6

負電荷の安定化の仕組みはいろいろありますから、思考実験だけでこっちの方が強い酸だな、と決めるのは無理だと思いますが・・・ 例えば、安息香酸とニトロ安息香酸、メトキシ安息香酸の酸性度を推定することはできます。 電子を引っ張るニトロ基は負電荷を安定化しますから、ニトロ安息香酸は安息香酸より強い酸でしょうし、メトキシ基は逆に電子を流し込みますから、安息香酸よりも弱い酸になるでしょう。 また、クロロスルホン酸ClSO3Hとフルオロスルホン酸FSO3Hだとどっち? と聞かれれば、フッ素の方が塩素よりも電気陰性度が高いから、FSO3Hの方が負電荷の安定化が良く働いて強酸だろう、と推測できます。実際、これはマジック酸の一つですね。 しかしながら、例えば超強酸の一つとしてマジック酸FSO3H-SbF5錯体と、置換安息香酸でどっちが強酸?と聞かれても、分子構造が全く違うため、負電荷の安定化機構が異なりますから、上述したように比較して考えることができません。

noname#62864
noname#62864
回答No.5

補足です。 ピクリン酸はベンゼン環上のニトロ基が負電荷を安定化します。 硫酸は、酸素原子の電気陰性度の大きさが負電荷を安定化する要因になっていると思います。 塩酸は、塩素の電気陰性度の大きさと、陰イオンになったときの電子配置(希ガスの電子配置)が安定であることが重要でしょう。 2,4-ペンタンジオン(これは特に強い酸というほどではありませんが)では、エノール(片方はエノラートといえますが)構造の共鳴安定化(というか負電荷の非局在化)が安定要因といえるでしょう。 超強酸に関しては??というか、単純な説明は困難です。 なお、上記の説明は単純化し過ぎているようにも思えますので、そうじゃないよという声も聞こえてきそうです。 ただし、構造だけから、それらの酸の強さの順序を正確に予測するのは困難です。実験結果の説明に過ぎないという面もあるかもしれません。 なお、ブレンステッド酸(プロトン酸)に限れば、酸の解離平衡が酸の強さと密接に関係しますし、それはA-の安定性と関係するといえると思います。

回答No.3

補足が無いので勝手に返答しますが、w-palaceさんがコメントされているように、電子の非局在化(要するに電子が分子全体を運動できるようになること)のためです。 電子軌道に関するある程度の知識はあるものとして説明します。 酸性度の方から説明します。 以下の説明は大学初頭の知識を前提にしているので、分からなかったら、細かいことは省いて、「電荷が非局在化すればハッピーだ」ということだけ覚えておいてください。 フェノキシドイオンPhO^-とエトキシドイオンEtO^-を比較してみましょう。 エトキシドイオンの負電荷は、酸素原子のsp3混成軌道に入っています。 このときの負電荷のエネルギーをEとしておきます。 さて、フェノキシドイオンの場合は、酸素原子上の負電荷が入っている軌道とベンゼン環上のパイ軌道(正確には電子の入っていないパイスター軌道、LUMO)が相互作用できるので、もともとのsp3混成軌道よりもエネルギーの低い安定な軌道が新たにできて、ここに負電荷が入ります(エネルギーE')。E'<Eなので、フェノキシドイオンの方がハッピーというか活性がなくなるというか、とにかく安定化します。 カルボン酸や硫酸など、オキソ酸の強い酸性度も負電荷の非局在化で説明されます。 芳香族性、芳香族安定化は実は説明しにくい。 今でも議論がなされている分野です。 いちおう芳香族化合物には次の共通点があります。 「パイ電子が、平面(またはほぼ平面)上のパイ軌道をリング状に非局在化している。」 ベンゼンとヘキサトリエン(CH2=CH-CH=CH-CH=CH2)を考えてみてください。 どちらも分子全体に非局在化したパイ軌道を持ちますが、後者は芳香族とはいいません。パイ軌道がリング状に閉じていないからです。 両者は反応性が全く異なります。 ベンゼンは臭素を混ぜれば置換反応でブロモベンゼンなどになりますが、ヘキサトリエンはアルケンなどと同じく、臭素が付加します。 ヘキサトリエン自体、結構不安定だった気がします。熱、光や酸素で反応した気が・・・ベンゼンはそんなことないですね。 細かい説明は省きますが、電子が非局在化すればするほど、分子全体としては安定化していく傾向があります。これは、上述した酸の陰イオンの安定化と同じ傾向です。 そして、非局在化のタイプとして、芳香族タイプと非芳香族タイプがあって、両者を比較すると、環状に非局在化する芳香族タイプの方が概して安定化の効果は大きくなります。 芳香族安定化の効果を実感したければ、ご自分でベンゼンと1,3,5-シクロヘキサトリエン(パイ軌道が局在化したベンゼン)の分子軌道を描いてみればある程度感覚はつかめるでしょう。

yamanpe
質問者

補足

お二人とも解答ありがとうございます! なぜ安定な物質は酸性度が高いのか教えて欲しいです!

noname#62864
noname#62864
回答No.2

>芳香族化合物や共鳴構造を取れる物質はなぜ安定化し・・ 安定化というのは、単純に説明するならば電子の非局在化ということで説明されます。芳香族性に関してはそれだけでは説明できない部分もありますが。 >酸性度が強くなるのですか? これも、H+が取れた状態(つまり酸が解離した状態)が負電荷の非局在化によって安定化される場合と、Hが結合している炭素原子の軌道の混成状態の変化による場合があります(強酸:sp>sp2>sp3:弱酸)。もちろん、両方が関与する場合もあります。 質問が漠然としていますので、回答も漠然としています。悪しからず。

回答No.1

質問者さんは高校生ですか? それとも、量子化学を学習された大学生の方でしょうか?

関連するQ&A