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誤差の範囲を決めたい
今、ある研究をしようとしていて、数学的に算出するのが可能なのか知りたく、質問しています。 例 腹筋運動を40回を数回に分けて、2週間毎日続けることで、ウエストが細くなる という研究を基に、私たちもその検証をしようということになりました。 A:正しく運動をおこなえた人 B:正しく運動をおこなえなかった人 (おこなわなかった人) モニター20名 AとBに分けて、両者の違いを知ろうとしているのですが、たとえば、39回を毎日続けてきた人も正しくおこなえなかった人にはいるの?2週間の内、1日だけ休んだら正しく運動をおこなえなかったといえるの? これらは、誤差の範囲だと思うのですが、その誤差って、どう決めて、検証していけば良いのかわからないんです。わかる人がおりましたら、教えてください。
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数学というより、科学の方法論の話だと思います。 どんな実験であれ、以下のことが出来ていない「実験」は、ただのイカサマです。 [1] 何を示すために何と何を比較するか、がはっきりしている。 [2] 被験者の選定基準が明確である。 [3] 被験者を実験群と対照群とに分ける際に、選び方に偏りが生じないように厳格な手順が予め決めてある。 [1] 何を示すために何と何を比較するか、がはっきりしている。 「腹筋運動を40回を数回に分けて、2週間毎日続けることで、ウエストが細くなる」のは、何と比べてなんでしょうか。きちんとした実験なら、必ず比較対象がある。だから、結論には比較対象への言及が必ず入ります。 例えば「腹筋運動をしたかしなかったかだけの違い」を調べたいのか、「腹筋運動が他のある運動に比べて効果が高い」と言いたいのか、「腹筋運動をしなさいと命じること自体に効果がある」と言いたいのか、によって比較対象と実験方法が変わります。 [2] 被験者の選定基準が明確である。 実際に実験で対象にできる人数は限られていますから、年齢、性別、健康状態、体格などがどうしても偏ってしまう。もちろん、「スーパーモデル」や「寝たきりの人」は入っていないでしょう。 話は逆で、先に選定基準を決めておかなくてはいけません。実験の結果は、あくまでも「この選定基準を満たすような、たまたま集めた人」についての結果であって、「万人にあてはまる結論」など期待する方がおかしいですね。沢山の人数で実験する理由は、「たまたま集めた人」ということの影響を薄めて、「この選定基準を満たすような」多くの人にあてはまると期待できるような結論を導きたいからです。 当たり前のことですが、選定基準は「実験で調べたいこと」と非常に強く関係しています。 運動習慣がなく肥満している人を集めて実験すれば、どんな運動であれ効果があるでしょう。けれど、運動を続けられない人も多いでしょう。 妙齢の女性ばかり集めたら、「ウエストを細くする実験」と知っただけでウエストが気になるようになり、腹筋以外にもいろんな「ウエストに効きそうなこと(ウエストを意識した姿勢をとる、細い服を着る、食餌制限をする、普段よりよく歩くなど)」を(無意識にすら)やってしまうでしょう。だから、もし「腹筋運動をしたかしなかったかだけの違い」による差を見たいのであれば、それ以外の影響を除くように、実験は極めて巧妙に設計されねばならないでしょう。 [3] 被験者を実験群と対照群とに分ける際に、選び方に偏りが生じないように厳格な手順が予め決めてある。 ご質問にあるような「ノルマをやり遂げられなかった人を後で選別して対照群にする」というのは、やっちゃいけないことの典型です。なぜなら、そのやりかたは、逆に言えば「ノルマをやり遂げるほど強い意志や動機を持っていた人」だけを選別して実験群を作った、ということでしょう? そういう人は、できなかった人とは「何か違う」訳ですし、いろんな「ウエストに効きそうなこと」をやっている人も多いんじゃないでしょうか。だから実験群と対照群の間に偏りが生じてしまう。 正しくは、実験開始前に、ランダムに(本人の意向とは関係なく)対照群、対照群に振り分ける。そして以後、変えてはいけないのです。対照群の中でノルマをやり遂げられなかった人がいても(あるいは朝食を抜いて来た人がいても)、その人のデータも捨てては駄目で、あくまでも対照群のひとつのサンプルとして扱います。対照群の中で自主的に腹筋をやる人がいても、対照群のデータとして扱います。 また、「ノルマをやり遂げるほど強い意志や動機を持っていた人は、腹筋運動するとウエストが細くなる」と言いたいのであれば、「強い意志や動機を持ち、腹筋運動した」、「強い意志や動機を持ち、腹筋運動しない」、「強い意志や動機を持たず、腹筋運動した」、「強い意志や動機を持たず、腹筋運動しない」、の4群の比較が適切でしょう。このためには、「強い意志や動機を持つかどうか」という選定基準の測定を、「腹筋運動するかしないか」という実験条件から切り離して(別の手段で)調べる必要があります。 また、実験のデザインとして、実験群と対照群の間でできるだけ余計な差が生じないように工夫する必要があります。特に心理的な差を除くことが重要です。 例えば、薬の効果を見る実験の場合には、対照群には偽薬(プラセボ、プラシーボ)を与える。本物の薬を飲んだと思わせて、薬の効果への期待が実験群と同じになるようにするのです。だけど運動をするかしないかという実験だと、実験群と対照群の間で被験者の期待が違って来る。このために、この種の実験は非常に難しいんです。 実験デザインが適切にできるかどうか、ということが、[1]で言う「何と何を比較するか」への制限になります。たとえば「腹筋運動をしなさいと命じること自体に、ウエストサイズの減少と相関があるかどうか」ならば実験できそうですし、「腹筋運動がペダルこぎ運動に比べて、ウエストサイズの減少との相関が高い」も少し工夫すればできるでしょう。一方、「腹筋運動をしたかしなかったかだけの違い」を見るのはかなり難しい。(1) 他の幾つかの運動と組み合わせたメニューをやらせ、腹筋運動が入っているのといないのとの比較をするだとか、(2)偽薬の代わりとして「毎日つけるとウエストを細くするかもしれない香水の効果を調べる実験です」と説明し、対照群は香水だけ、実験群は運動と香水をやらせる、だとか。それでもまだ異論の余地がありそうですね。 以上を要するに、「もし腹筋運動とウエストのサイズの減少に相関があったとしても、だからといって腹筋運動がウエストに効いたとは言えない。(例えばその人の年齢、体格、健康状態、生活習慣、性格、動機の強さなど違いのせいかも知れない。)」ということを常に念頭に置いて、何を調べるか、どうやって調べるか、それで本当に調べたことになっているか、を慎重に検討にすべきだ、ということです。
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- stomachman
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No.3です。チョンボで意味不明になってる箇所がありました。 > 正しくは、実験開始前に、ランダムに(本人の意向とは関係なく)対照群、対照群に振り分ける。そして以後、変えてはいけないのです。対照群の中でノルマをやり遂げられなかった人がいても(あるいは朝食を抜いて来た人がいても)、その人のデータも捨てては駄目で、あくまでも対照群のひとつのサンプルとして扱います。 を以下に訂正です。 正しくは、実験開始前に、ランダムに(本人の意向とは関係なく)実験群、対照群に振り分ける。そして以後、変えてはいけないのです。実験群の中でノルマをやり遂げられなかった人がいても(あるいは朝食を抜いて来た人がいても)、その人のデータも捨てては駄目で、あくまでも実験群のひとつのサンプルとして扱います。
- proto
- ベストアンサー率47% (366/775)
話を単純にするために、 A:腹筋運動を毎日40回おこなった人 B:腹筋運動を全くおこなわなかった人 のグループについて調べ、まずは「腹筋運動とウエストに関係があるか?」についてはっきりさせましょう。 つぎに運動方法の違いのことで気になるのであれば、 A:腹筋運動を毎日40回おこなった人 C:腹筋運動を1日おきに40回おこなった人 のグループで調べてみればよいでしょう。 ふつうこのような人を対象にした実験では、実験の方法や環境はきっちり決めます。 例えば、朝食はきちんととって来てもらう、服は皆同じものを着てもらう、非喫煙者のみを対象とする、等々 なぜ、そんなことをするのか、そうしないと関係ないものの影響が出てしまうかもしれないからです。 腹筋をしていないグループは全員朝食を抜いていたのでウエストはくびれ、腹筋をしたグループは全員朝食を食べてきたのでウエストがぽっこりしている。 このようなことになっては、実験データが腹筋による影響なのか朝食による影響なのかわからなくなります。 だから、そのようなときには朝食を抜いてきた人のデータはどちらのグループのものでも、捨ててしまって使わない。そのようにするのです。 今回も、腹筋運動を正しく行えなかった人のデータは使わない。 (また逆を言うと、しっかりと指導し必ず正しく運動してもらう) とするのも悪くないと思います。
お礼
ありがとうございます。 やはり、グループをしっかり分けなければいけないようですね。また、考えてみます。
- BaritoneSax
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すべての人の 平均運動回数/成果 をマトリックスして 分布を測定してみては? たぶん 当初の仮説が 有効であれば 自ずと 誤差の範疇も見えるのでは? もちろん 当初の仮説が無効な場合は 特徴ある分布にはなりません。
補足
早速のお返事、ありがとうございます。 平均運動回数を成果で÷ってことですか? 結局、実際に20人にやってみてもらわないと、その誤差がでてこないわけですね? 現時点で、誤差を設定し、「40回±5回とする。」などとしたいのですが、やってみないことには、わからないってことですかね?
お礼
大変詳しく教えて頂き、ありがとうございました。ぜひ、今後の研究に参考にしていきたいと思います