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アセチルコリンの子宮における平滑筋収縮について
- アセチルコリンの子宮における平滑筋収縮について理解できていないため、教えていただきたいです。
- アセチルコリンは副交感神経でムスカリン作用を示し、子宮は副交感神経支配が弱いため、なぜムスカリン作用が現れるのか疑問です。
- また、塩化バリウムの子宮収縮作用についても詳しく教えていただきたいです。
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神経終末より遊離されたアセチルコリンはシナプス後膜にある受容体と結合し生理作用を起こします。 受容体にはニコチン受容体とムスカリン受容体があり、結合するとそれぞれニコチン様作用、ムスカリン様作用を示します。 ニコチン様作用は骨格筋や神経節における刺激作用で、ムスカリン様作用は副交感神経支配器官における刺激作用です。 アセチルコリンを投与すると、通常遊離されるアセチルコリン以上のアセチルコリンが受容体に結合するわけですから、副交感神経が弱くても、副交感神経が優位に働くのでムスカリン様作用が出るのだと思います。静注したアセチルコリンは直接受容体に結合し、副交感神経が興奮したような反応が見られます。 アセチルコリンの作用についてですが、血管には内皮細胞があるため、少し混乱しがちです。 血管では、まずアセチルコリンは血管内皮細胞のムスカリン3受容体に結合します。 ムスカリン3受容体刺激→Gqタンパク活性化→ホスホリパーゼC活性化→イノシトール3リン酸生成→CaプールからのCa遊離、CaチャネルからのCa流入→Ca濃度上昇→カルモジュリンCa複合体形成→NO合成酵素活性化→LアルギニンからのNO遊離 この反応が血管内皮細胞内で起こります。ここで生成されたNOは血管平滑筋に移動します。 NO→グアニル酸シクラーゼ活性化→cGMP生成→プロテインキナーゼG活性化→Ca排出ポンプ活性化、Kチャネル開口によるCaチャネルの閉口→Ca濃度低下→血管平滑筋の弛緩 子宮平滑筋では、アセチルコリンは子宮平滑筋のムスカリン3受容体に結合します。 ムスカリン3受容体刺激→Gqタンパク活性化→ホスホリパーゼC活性化→イノシトール3リン酸生成→CaプールからのCa遊離、CaチャネルからのCa流入→Ca濃度上昇→子宮平滑筋の収縮 ちなみにCa濃度が上昇するとカルモジュリンCa複合体というものが生成され、これがミオシン軽鎖キナーゼを活性化し、ミオシンとアクチンの結合が起こるので筋肉が収縮します。 Ca、Kはそれぞれイオンと思ってください。NOは一酸化窒素です。 血管では内皮細胞ではCa濃度が上がっているけど平滑筋では低下するので結局血管平滑筋は弛緩するので血管は拡張します。子宮以外では弛緩ではなく、血管以外では収縮するという考え方のほうがいいと思います。 アセチルコリンは心臓しも作用しますがムスカリン2受容体に作用、Giタンパクを介した反応経路なのでまた反応は違います。教科書みれば分かると思います 。 塩化バリウムは解離したバリウムイオンが細胞内に流入して平滑筋内Ca貯蔵部位に作用し、Caを遊離させることによってCa濃度を上昇させるため子宮は収縮します。Caとバリウムイオンが置換するイメージ でいいと思います。 細胞内のことについてはいろいろややこしいので薬理学の勉強ならこれでいいと思います。