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少年Aの心理
神戸の小学生殺害事件の加害者である少年についての質問です。 ふと本屋さんで見つけた彼の両親が書いた手記を読みました。 母親が厳しすぎたなどの意見はネットで多々見ましたが、私には彼の家庭が普通のどこにでもあるようなごく一般的なものにも見えました。 私は彼と同い年です。 本を読み終えた後、彼の心理(殺害にいたるまでの心理、なぜ命にあのように執着するのか、どのようにして彼の人格が形成されていったのかなど)がただただ不思議でなりませんでした。 そして、「なぜ、一般的に育ったはずの少年が(手記の文面上から得たイメージですが)」、とあらためてショックを受けました。 なので、彼の事件を起こしたときまでの心の中の変化、人格の形成、性と命と殺人などの関係、などなどを解説した書籍をご存知の方、教えてください。 私は心理学には全く無知です。なるべく、一般の者でもわかりやすい本を教えていただければ嬉しいです。 ちなみに、教えてgooの中でもこの事件に関連する書籍が何冊か紹介されていましたが、理解しやすい本を教えていただきたく、ここで質問させていただきました。
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質問者が選んだベストアンサー
『「少年A」14歳の肖像』という本が、客観的でわかりやすく書かれていていいと思います。 はっきりしたことはわかりませんが、その本によるとどうやら彼は、普通の人が性欲を持っているのと同じように、長いこと人を殺したいという欲求を持っていたようです。 そして校門に置かれた生首を美しいと思う人だったようです。 しかし彼は同時に、人を殺したら自分も死刑になると思っていました。かなり長い間、そのジレンマで悩みました。 最終的に彼は、自分の命をかけてでも、その欲求に従うという道を選んでしまったわけですが。。。 彼の好きな画家に、ダリという人がいます。ダリは、少年Aのように内に凶暴な欲求を持っていて、少年時代に事件を起こしたりもしていました。 しかしダリには絵を通して自分を表現するという術がありました。 少年Aも、中学の美術の時間に粘土で血まみれの脳みそを作ったようです。先生達はそれを認めませんでしたが、それを芸術の一つだと考えて、彼に自己を表現する場を与えていたら、もしかしたら結果も変わっていたのかも、なんてことを思ったりもします。 ただ、一つ覚えておいて頂きたいことがあります。 阪神淡路大震災の時、自分から少年Aは弟たちを引き連れて、近所のお年寄りを助けに行きました。 凶暴性と共に、彼もやはり優しさを併せ持っていたのです。 淳君殺害後に、彼の人を殺してみたいという欲求は消えたようです。 今ただ自分のしたことを反省し、少しでも償おうという努力をしながら、前向きに生きて欲しいです。
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- 阿加井 凛悟(@neutral)
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私はその本を読んだことはありませんが、質問者様の感想によると、その辺によくいる親 なのでしょうね。多くの人が、「学習されたこと」によって、そう感じるのだと思います。 別の言い方をすると、そのように見える「メガネ」を無意識に持っているのだと思います。 良いことなのか悪いことなのかは何とも言えませんが・・と言いますか分かりませんが。 たいていの人は(特に幼少の頃は)、自分が暮らしている家庭を「普通の親」「一般的な家 庭」と学習して疑わず、そこが不健康で歪んでいても、生き残るために「適応」し、「普通 の親ぢゃない」とか「一般的な家庭ぢゃない」などと思うことは難しいように思います。 特に、幼少の頃は、理不尽なことを理不尽と名付けることもできませんし、そう思うより、 適応して、馴染んでしまったほうがラクだからです。 いわゆる「普通の親」「一般的な家庭」が、「実際に健康的なのかどうか」は、その家庭の 本人が判断することは難しく、また、同じようなメガネを持った人が判断するのも難しい と思います。私は、この「普通」「一般的」とされている「人間関係」に、多くの不健康な 要素があるように思います。 例えば、戦後の経済成長期以降、男性は良い働き手であることが賞賛され、女性は、それ を支え、子どもを育てる良妻賢母であることが賞賛されるというカタチができました。 (すべての家庭がそうだというわけではなく、そのような傾向があるということです。) そして、夫と妻のつながりが希薄になり、母親と子どもが密着する傾向が強くなりました。 夫と妻のつながりが希薄になるということは、一番身近な「人間関係の教科書」を失うこ とになり、人間関係を学習する機会を失うということになります。また、母子が密着する ことにより、母親が本来夫から得るべき愛情を子どもに求めたり(子どもに依存したり)、 それを失わないために過剰に子どもを甘やかしたり、子どもを自己実現の対象にして過剰 に支配・干渉・コントロールしたり・・ということになります。そして、子どもは、人格 を持った一人の人間でいることができにくくなります。 このような状況は、五感の発達を妨げ、表現力を奪います。 そうなると自分(の欲求や感情)を表現することができにくくなり、満たされることもで きにくくなります。長く続くと、恐ろしく欲求不満な状態になります。 少年Aの親が、そのような環境で両親(少年Aの祖父母)育てられ、それを「普通」「一般 的」だと思って疑わないとしたら、少年Aの両親も同じように子どもを育てることになり、 学習されたことが、世代間をどんどん連鎖することになります。 私は、これは、よく見られることのように思います。 もちろん実際に健康的な家庭もあると思いますし、外部に、表現できる場所を見つけるこ ともできると思うのですが、彼は「人と人との間のパイプ」が詰まったままだったのでし ょうか。 私は、これは、彼だけの問題ではなく、親だけの問題でもなく、「人と人との関係」に問題 があったのだと思っています。もし、彼が、先天的な問題を持っていたとしても、事件が 起きるまで気づかれなかったなら、やはり周囲との「関係」にも問題があると思います。 更に、もし、彼が過剰適応して完全に「普通の子」を演じていて気づきにくかったとして も、過剰適応せざるを得なかったこと自体、周囲との「関係」にも問題があると思います。 誰にでも起こり得たことだと思います。 私は、自分が犯人にならなかった幸運に感謝します。 長くなってすみません。この本が参考になるかと思います。 http://books.yahoo.co.jp/book_detail/30842629
お礼
ご回答ありがとうございます。 おっしゃること、とてもよくわかりました。 うまく表現できないのですが、本を読んでいて、一人の人間を育てるという難しさ、子供であっても全くべつの個体であり、それを尊重すべきであること、家庭が持つ独特の閉塞感などを感じずにはいられませんでした。 neutralさんのおっしゃるように、人間と人間の関係、 非常に重要なことだと私も思いました。 ご紹介いただいた書籍、読んでみようと思います。 ご回答ありがとうございました。
- lukakok
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私は、その本を読んでおりませんが 息子が殺人を犯し、それをネタに手記を出して金儲けをする親が 普通の神経をしているとは、思えませんが。 (文章では、償いのために本を出しました、とか書いてると思いますけど) なのでやはり、一般的ではない親の教育と環境から、命への執着が生まれたのではないかと思っています。 売上金は全額、相手の親への慰謝料として支払っているのでしょうか? そうだとしても、私がもし殺人犯の親であれば 家族と息子の恥を晒して、楽して金を稼ぐのではなく たとえ少なくても、朝昼晩と働いたまともなお金、誠意のこもったお金で 償うと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 私も、本を読むまではlukakokさんのおっしゃるように加害者の両親が書いた本なんてと思っていましたが、 読んでみるといろいろ考えさせることがありました。 それは、例えばマスコミの行動や加害者の家族が味わう辛さ(決して辛いなんていったらいけないかも知れませんが。。。)、弟たちの反応、さらには人を育てる責任の重さ、人間と人間の関係などです。 なので、個人的に読んでみる価値はあるかと思いました。 ともあれ、私はこの事件に関してこの本しか読んでいないので、すごく偏った考えになっているのかなぁと自分でも思います。 これから、もう少し関連する書籍を呼んでみようと思います。 貴重なご意見、どうもありがとうございました。
- kigurumi
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そもそも少年Aが本当に犯人なのかという問題を解決しない限り、その先にある「どうしてやったのか」という議論をいくらやっても意味をなさないように思います。 http://www.sweet-cupcake.com/index.html http://www.sweet-cupcake.com/sakaki_enzaifaq.html
お礼
ご回答ありがとうございます。 掲載されてあるページを見ましたが、そういう見方もあったのですね。 リンク先、もう少し読んでみようと思います。
>私には彼の家庭が普通のどこにでもあるようなごく一般的なものにも見えました。 両親の手記を読んでそう思うのは当たり前です。 なぜなら、本が両親の主観で書かれているからです。 彼らだって別に特別な人間だったわけではありません。普通の人間を主観的に見たら、それは普通に見えて当たり前です。 人間は、ちょっと変わった人をすぐに変人と決め付けてしまいがちです。なぜなら、そういうふうに進化したから。 でも、他人から見てどんなにおかしい人だって、「主観的には普通の人」なんです。 >なぜ、一般的に育ったはずの少年が もし、全ての子供の人格が環境によってのみ形成されるとすれば、俺は日本の子供はみんな不良になると思います。 なぜなら、日本の現代教育は子供を押さえつけすぎるから。 そうならないのは、周囲からの重圧に強い子もいるからです。 でも少年Aはそうではなかったのです。 その点を感覚的に理解する必要があると思います。 俺が今まで読んだ本では、今回の事件と直接関係のあるものではありませんが、「アルジャーノンに花束を」があなたに合っているように感じました。
お礼
ご回答ありがとうございます。 おっやるように、本を客観的に読めていなかったようにも思います。 ただ、特別な人間というか、普通の人と変わっていると思ったと書いたのは、直感素質像があったということ、などです。 でもやっぱり、母親の主観から見がちなんでしょうね。 ご指摘、ありがとうございました。
ごめんなさい、書籍を教えて欲しいというご質問のお答えにはなりませんが、心理学を研究した者としての意見を。 この少年Aの両親は確かに普通の親です。 このような親はいくらでもいます。 少年Aがあのような事件を起こすに至るようになった心理的要因は「生まれつき」という見方がありますが、私もそうだと思っています。 自分の中で神を作り出しそれに命令されてやったというあたりも典型的な強迫によるもので、このような子供は多いです。私自身もそうでしたし私の身内にもいました。 ただ現実に犯罪を「実行」するかしないかは大きな違いがあるのですが。 ただあの当時、マスコミも両親を糾弾し、庭にミイラ化した亀の死骸が放置されていたのをあげつらって「ここにも子供からのサインが出ていたのに」などと書き立てました。 それをいちいち子供のサインといっていたらきりがありません。 私はこれは防ぎようのなかった事件ではないかと思っています。
お礼
ご回答ありがとうございます。 dorenさんがおっしゃったように、「生まれつき」という考えにも納得できるところがあります。 やっぱり彼は普通の人とは変わった能力(というか、変わったものの見方というか、あぁ、わからないけど、、、)なにかそういうものを持っていたのでしょうか。本を読んでいると、彼には変わった見方があることを感じずにはいられませんでした。そう感じたのはわたしだけかなぁ。。。 そのような力を良い方向へ向けられれば良かったのに、と個人的に思います。 ご回答、どうもありがとうございました。
お礼
ご回答ありがとうございます。 「彼に自己実現する場を与えていたら」と、kaburayaさんがおっしゃること、とてもよくわかるようなきがします。 教えていただいた書籍、読んでみたいと思います。 どうもありがとうございました。