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相続の難問。過去の家賃の返還要求。
昭和50年に死去した祖父名義の不動産(A)が複雑な事情で未分割のままです。相続人は私の父と父の4人の弟妹がいます。父は昭和48年に自己資金で(A)の建物を増改築して昭和61年まで住み、その後祖父の家(B)に引っ越し、祖母と同居しました。祖父の家(B)はずっと昔に父に生前贈与されていました。父はその後19年間(A)を他人に貸して、維持・補修・管理を行い、月4万の賃料を受けていました。父が今年の1月に死去しましたが、最近父の妹から、祖父の未分割不動産(A)の分割調停の申し立てが成され、(1)父は生前贈与を受けていたから、(A)には権利がない。(2)賃料は全額4人の弟妹にさかのぼって支払え、という内容の申し立てを父の相続人である私を相手にしております。(A)の建物は築90年と古く、父が改修し、維持・補修・管理をしなかったら現存していないものです。そして、省略しますが祖父の他の金融財産の行方も考えると、(A)にも一部父に権利があると思っています。昨年の最高裁で「共同相続財産たる不動産の賃料は遺産とは別個の財産」であるとの判決が出ています。 そこで(A)の父の権利を放棄することも念頭に質問ですが、 (1)19年間、一人の父の弟妹から父が死ぬまで、口頭ですら1度も賃料をよこせと言ってこなかったのに、父が死んだとたん要求されて、これは全て過去にさかのぼって払わないといけないのでしょうか?もちろん維持管理費は控除するとしても。父は建物維持のために人に貸し、父が増改築しなければ人に貸せる状況ではなかったのだが。(2)父の得た賃料は、不当利得なのか、他の弟妹の賃料債権なのか?時効はないのか? (3)父が(A)の増改築をしたときの記録が古くてないのと、維持改修費は比較的最近のものしか領収書などが残されていないが、どこまで認めてもらえるか? (4)私ができるだけ払わないでよい論理展開はないか? についてご教示いただけませんか?
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(1) 祖父の死亡後相続が未分割状態で放置されていた以上、物件Aについては全相続人による共有状態になったと理解されるので、以降父親が共有者の一人の立場で、民法252条以下に定めのある保存・管理行為として、当該共有資産の維持・運営を図ってきた。維持費用と賃料収入とのバランスが不明ですが、共有物の保存・管理に係る他共有者の費用分担債務と父が受取った賃料への他共有者からの分配請求権とが等価であり、差引がゼロ・僅少である、という流れの主張に持っていければ、相応に根拠あるものと考えます。 (2) 上記の通り、事実関係としては父親による不動産の貸借行為を、共有者の一人による共有資産の保存・管理行為と捉え、それに対しては他共有者の承認(19年間の長期に亘って敢えて異議を唱えなかったという消極行為)があった、と捉える考え方です。個別債権(共有物からの賃料への他共有者の請求権)に対する時効の主張も十分可能かと考えますが、逆に相手側の費用負担債務も時効にかかる、ということになりそうですので、直近10年間に関して限定的に争うという考え方もあり得ます。 (3) 証拠・根拠については、調停なり裁判なりでの判断基準になるレベルが好ましいのでしょうが、月家賃4万円という水準であれば当該収入による蓄財も考えにくいので、築90年の事情や建物の大きさで年間幾ら相当の管理コストといった基準値を上手く援用すれば第三者が妥当と認める概算額が出るのでは、と考えます。 (4) 法律での定める所は、兄弟であれば相続時は均等の相続割合という考え方ですので、Bについて生前贈与があるのならAについては取分が少なくなる・ゼロになると考えられそうです。主張される金融資産云々の部分をどう客観化するかという点や、生前贈与部分は祖父母との同居による介護負担を含めて価値を減額して捉えられるかという点など、個別事由をどれだけ重ねられるのか、という展開になりそうです。 (5) 親族間で調停から訴訟へとことん争うのか、労力・費用を考えて相応のところで妥協するのかという判断は分りませんが、費用負担の客観化で遡っての家賃返還という部分を打ち消すように持って行き、Aへの権利主張をあきらめれば、決着できる内容かと想像します。 判例検索は自身で(共有物 分割 遡及 法定果実等)キーワードを織り込みながら検索して下さい。 http://www.courts.go.jp/search/jhsp0010?action_id=first&hanreiSrchKbn=02
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- studing_jitsumu
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似たようなケースの判例があります。 そもそも相続財産というのは 祖父が亡くなった時点で有していた総財産となります。 つまり亡くなった後に発生した家賃収入は 相続財産には含まれません。 ただ、別の判例もあるのですが、 ご相談内容の場合ですと、積極的に維持管理を行い それで得た収入ですので 祖父の生前から存在していた家賃収入であればともかく、 家賃収入に関してはさかのぼって支払う必要はありません。 ちなみに、生前贈与を受けているから 相続分がないというのはありえますが、 それぞれの相続分と言うのは 調停終了後、遺産分割協議終了後に決定します。 その決定まで基本的には相続人の共有となります。 つまり、(A)に権利(所有権など)がなくなるのは 上記調停・協議の終了後となると考えられます。
お礼
ありがとうございます。他の叔父叔母から攻め立てられている状況で、心強いご意見で救われる思いです。 全員が今まで見て見ぬ振りをしていながら、父が死んだとたん示し合わせたように・・・しかもこの叔父叔母たちは祖母の介護も全くしませんでした。。。 その「似たようなケースの判例」の所在をお示しいただくわけにいきませんでしょうか?