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「かける」はなぜ「かけ算・multiply」の意味をもった?
「たす」は、もともとの意味そのままです。 「ひく」は、元のものからいくらか引っ張ってきて元のものが減ると考えれば理解できます。 「わる」は、割っていくつかのものになった一つを考えれば理解できます。 しかし、「かける」の意味は、液体や布を物の上に広げて乗せるような動作です。 この意味から「かけ算」の概念は出てこない気がします。 なぜ日本語でmultiplyのことを「かける」というのでしょうか?
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「掛ける」は古語では「掛く」ですね。 手元の古語辞典には十種類もの意味が載っていますが、その中に「ある物の上に他を加える」とあり、例文として「五割掛けて売る」とあります。 そこで、わが国最初の数学書「塵劫記」に、「掛く」が掛算の意味で使われているかを調べると、次の用例があります。 「右に十三俵と置、又左に十三俵とおきて、これにうえの一俵くわえて十四俵と成。これを右へ掛くれば百八十二俵に成。是を二つに割れば、九十一俵としれ申候也。」 また、 「六里に馬三匹を掛くれば十八里となり、これを四人で割れば四里半となる。」 「塵劫記」が出たのは江戸初期の寛永4年(1627年)ですから、この当時すでに「掛ける」という意味があったということですね。 そこから「掛け算」という言葉ができたと思います。 http://homepage1.nifty.com/zpe60314/jinkokiindex.htm 「掛く」は、古語辞典では、掛ける、吊り下げる、取り付ける、かぶせる、掛け渡す、兼ねる、(錠を)閉ざす、心に思うなど、多くの意味があって、なぜ数学で使う「かける」という意味になるかということは分かりません。 「塵劫記」に使われているというのも一つの答えだと思います。
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- goo-par1732
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#5です。少し分かってきました。 角川古語大辞典によれば、 「かく」の意味として、「ある数にある数を乗ずる」「掛け算をする」 とあります。 依拠は「日葡辞書」で「九九をカクル」とあります。 日葡辞書が出たのは1602-03年です。 多くの意味をもつ「かく」ですが、注目すべきは、「他に向けてある動作・作用を及ぼす」場合に広く使われる言葉であるということです。 「橋を架く」「気に懸く」「話しかけ・・」などの例から推測すると、掛け算の 「かく」は、「乗数」が「被乗数」に作用するという概念から「かく」と言い始めたのではないでしょうか。 それから「掛け算」ですが、塵劫記には「掛け算」「懸算」の文字があります。 また、「九九」は奈良時代に入ってきていますが、「掛け算の九九」という表現は見当たりません。 正解は、数学史学会に聞くしかないですね。
お礼
回答ありがとうございます。 >「乗数」が「被乗数」に作用 という主従関係がポイントのように思えてきました。思えば乗算も似たような概念です。 純粋に数学の問題として見た時には主従関係はないのでそのあたりで感覚と食い違っていたようです。 multiplyも主従関係はなさそうな気がします。
- luune21
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「掛ける」ではなく、「掛け合はす」「掛け合わす」からきています。 この語源は「掛売り」や「売掛金」の掛けと同じかもしれませんが、それ以前の問題として、「掛け合はす」そもそもが古来より「掛け算」という意味を持っているのです。 「ににがし」というような九九は奈良時代からあります。それをなぜ「かけ」といったかといえば、そう言いたかったからとしかいいようがない気がします。手紙のことをなぜ「フミ」と言ったのか、といっても音韻論から分析はできるかもしれませんが、その必然性は発見できないのではないでしょうか。 「掛ける」というのは、もともと「帽子を掛ける」というように、「ある所に支えとめる」という意味です。しかし「掛け合ひ」は「掛け合い漫才」というように双方が互いに関係し合う、そしてその釣り合いがとれている状態という語感を持っているようです。
お礼
回答ありがとうございます。 なるほど!確かに「掛け合い」の「双方が互いに関係し合う」関係は掛け算のイメージに合っているように感じられますね。
》 「かける」の意味は、液体や布を物の上に広げて乗 》 せるような動作です そうでしょうか? 「掛ける」の本来の意味は、“ひっかける、つりさげる”のほかに“人手や金や時間などを費やす”や“「掛け値」のように値段を高くいう”や“「掛け売り」のように後払いの約束で売買する”などではないかと。 そういうところから、「割っていくつかの(小さな)ものにな」ることに対して、“小さなものが何倍にも大きくなる”ことを想定して「掛け算」と称することしたと考えるのはコジツケでしょうか?
お礼
回答ありがとうございます。 確かに“ひっかける、つりさげる”、“人手や金や時間などを費やす”という意味もありましたね。 「掛売り」は「吊り下げる」からの発展でしょうか。 「掛け値」は「掛け算」ありきの言葉のようにも思えますが…。 >“小さなものが何倍にも大きくなる”ことを想定して「掛け算」 うーん、ちょっとよく分かりません。
- danke3
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ある物の上に他を加える意味から派生したものですが、 ただ足すのではなく、 比率で加える概念に、これを当てたのだと思います 九九で言えば9が一つ、二つ... 商売なら仕入れ値に儲け分を1割、2割見込んで 仕入れ値×1.1とか×1.2という風に
お礼
回答ありがとうございます。 基本は上に加えるということですね。 比率で加えることと「かける」という語のイメージがうまく結びつきませんが。
- kekerokun
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元のもの全体をみて、そこに作用させるというような考え方で「かける」という概念はどうでしょうか? (例:保険をかける)
お礼
回答ありがとうございます。 なんとなく分かる気がします。
お礼
回答ありがとうございます。 ずいぶん昔からある用法だったのですね。思えば「六里に馬三匹を掛くれば十八里」のような計算の必要性は昔からあったわけで、私は純粋に数字×数字で考えていたから「かける」のイメージと結びつかなかったのかもしれません。 しかし何かしっくり来ないのが、「かける」という言葉に物が増えるイメージがあまりないところ。 せいぜいadd程度の増え方しかイメージできません。 それに引き換え英語のmultiplyは凄い勢いで増殖しそうでまさにイメージぴったりです。 ところで「13俵×14俵=182俵」って単位無視してますよね…。