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宗教改革が文学に与えた影響??
英文学を勉強しているのですが、 宗教改革が当時の文学に与えた影響とはどんなものなのでしょうか? 教科書を読み返してみても今一はっきりせずもやもやしています。 教えてください。
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わたしも英文学について、 「ど」 のつく素人です。 No.1 さんと同じ意見を述べます。 宗教改革当時の英文学となると、小説がまだ発生していないので、韻文や戯曲ということになりそうです。 国教会 (1534~) もふくめた宗教改革は、英語の文体が確立していく過程と重なり、さらに英語で書かれた文学作品の格を上げることにも貢献したのではないかと思います。 11世紀のノルマン征服以来14世紀まで、英語は下層階級のことばで、貴族はフランス語を用いました。英語が復権したきっかけは百年戦争 (1337-1453) のはじまりですが、14世紀のウィクリフ訳 (宗教改革の先駆け。ちなみにこの英訳聖書の序文に "of the people, by the people, and for the people" と記されている)、16世紀のテンダル訳 (ルター訳を参照しつつ、ヘブライ語・ギリシア語の聖書原典からの英訳。欽定訳の原形)、17世紀の欽定訳と、英訳で出版され普及した聖書は、イタリア・ルネサンスの影響をうけたチョーサー (c.1343-1400) やシェークスピア (1564-1616) とともに、英文学の母体を形成したといえるでしょう。 国教会の教義はプロテスタントよりカトリックに近いものですが、1544年にはその祈祷書が、ルター (1483-1546) に影響された内容で、英語でつくられました。多くの宗教書も、英語で出版されました。こうして、17世紀まではいわゆる文学作品よりも聖書や宗教書の方が多く出版され、聖職者やインテリ層以外にまで普及していたという研究があります。 http://www.graduates.slis.keio.ac.jp/shodoc/2002/tomioka_0610.html あるいは、つぎのようにも紹介されています。 ≫ 『英国民小史』 を著したグリーン氏は、ピューリタンの台頭を論ずるにあたって、 「エリザベス治世の中葉より、長議会の開会 (1640年) に至る間に、英国は唯一つの書物を読む国民となった。そしてその本とは聖書であった」 と述べているが、英訳聖書の普及は人々の想像を超えて、大きな結果をもたらすことになる。16世紀の終わりには、聖書は 「当時の英国においては、なお今だすべての英国人が知り、かつ親しんでいた唯一の英国の書物であった」。 http://homepage2.nifty.com/hinakom/americaron.htm カルヴィニズムの影響を受けたピューリタンの宗教改革・革命についていえば、人間中心的なエリザベス朝の文学に対してとても抑圧的な影響を与えたはずです。とはいえ、ピューリタン的な文学の代表として、ミルトンの 「失楽園」(1667) などをあげることができます。 参考 ウィキペディア 平凡社世界大百科事典 中尾俊夫 『英語の歴史』 講談社現代新書 福田歓一 『政治学史』 東京大学出版
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- gulgul
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英文学のことは素人なので申し訳ないのですが、 旧教は基本的にラテン語(あるいはギリシャ語) 新教は信仰を民衆に広めるため、通常話している言語、ドイツであればドイツ語、イギリスであれば英語での賛美歌などを使いました。文学も同様と思います。