整数環 0×∞を含む式
以下において、数はすべて整数とします。
論理式では"∈Z"という記述を略しています。
まず、∞を含む等式とεδ論理式の対応について確認します。
f(∞) = a
という等式は、
∀ε>0 ∃δ>0 ∀x (x>δ ⇒ |f(x)-a|<ε)
という論理式に対応しており、これが真なら元の等式は成立すると考えます。
f(∞) = ∞
という等式は、
∀ε>0 ∃δ>0 ∀x (x>δ ⇒ f(x)>ε)
という論理式に対応しており、これが真なら元の等式は成立すると考えます。
たとえば、
Σ[k=1,∞]1 = ∞
という等式は、
∀ε>0 ∃δ>0 ∀x (x>δ ⇒ Σ[k=1,x]1>ε)
という論理式に対応し、これは真であるから、元の等式は成立します。
以上の規則に従って考えた場合、
質問1:この等式は成立しますか?
1 + Σ[k=1,∞]1 = ∞
Σ[k=1,∞]1 + 1 = ∞
□私の考え
与えられた等式は、それぞれ
∀ε>0 ∃δ>0 ∀x (x>δ ⇒ 1 + Σ[k=1,x]1>ε)
∀ε>0 ∃δ>0 ∀x (x>δ ⇒ Σ[k=1,x]1 + 1>ε)
に対応し、いずれも真であるから、どちらの等式も成立する。
質問2:この等式は成立しますか?
0 × Σ[k=1,∞]1 = 0
□私の考え
乗法は
a × b = Σ[k=1,b]a
で定義されている。ただし、b = 0 ならば
a × 0 = 0
とする。(aとbを逆にする考え方もある)
たとえば
2 × 3 = Σ[k=1,3]2 = 2 + 2 + 2 = 6
となる。
任意の正数xに対し
Σ[k=1,x]1 = x
であるから、
0 × Σ[k=1,x]1 = Σ[k=1,Σ[l=1,x]1]0 = Σ[k=1,x]0
となる。
よって、与えられた等式は
∀ε>0 ∃δ>0 ∀x (x>δ ⇒ |Σ[k=1,x]0|<ε)
に対応し、これは真であるから、元の等式は成立する。
等式と論理式の対応の仕方に問題があるか、あるいは計算ミスなどがあれば指摘してください。