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「名前を述べてください」はおかしい?
ある総合病院の待合にある貼紙です。 診断時に患者さんとカルテの間違いを防ぐために、診察前に患者本人に「名前を述べてください」とお願いしているのですが、この「述べる」が私の感覚ではしっくりいきません。 辞書等でも「意見や意思を言う」と記載してあり、名前はその範疇に入らないような気がするのです。 この「名前を述べる」という用法を検索したところ、面接時のマナー、有名大学などでも使用している例があり、かなりの件数でヒットしました。 言葉の雰囲気になじめないのですが、多数の例を前に自信が無くなってきました。 言葉の定義や、私が感じた違和感などをご教示下さい。どうぞよろしくお願いします。
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人によって用法・解釈に差のあることばだと思いますので、個人的な参考意見になります。 まず「述べる」は「言う」とは違う意味だと思います。 ・漢字解釈 「述べる」は元「陳べる」です。この陳という字は陳列に使われていることからもわかるように、「つらねる」「ならべる」という意味です。つまり、単に、「はい」とか「いいえ」とか名前だけを口に出すのではなく、ことばをならべて、意見や気持、お礼などを言うものだと思います。 ・和語解釈 岩波国語辞典によれば「延ぶ」「伸ぶ」(のばふ)と同語源のようです。これらは現代でも「長くする」という意味ですね。このことからも「のべる」が単に名前などを口に出して相手に伝えることとは違う感じがします。 このようなことから「名前を述べてください」は正しくないと思います。しかし、これは「本来」の意味からすればということです。 よく言われることですが、ことばは変化するものですから、現代において定着しているかどうかは調査しないと判らないでしょう。すでに誰かによって調査済かもしれませんが、ちょっとわたしにはわかりません。 また、書いた本人は病院の事務連絡の雰囲気を出したかったのだろうなと感じました。「あらかじめ名前を呼んで確認すること」の敬語表現が思いつかなかっただけかもしれません。
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- sasa-j
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私も違和感があります。 「述べる」は、自分又はここにいない第三者「が」、 謙譲的な表現をする場合に使うと思います。 「この著者が(購入してくれる読者に対し)述べるところによると・・・」 「次の会合では(公聴者諸氏に)意見を述べる機会がある」 「名前を述べてください」と誰かに言われる場面と言えば・・・ ・面接に行って面接官に言われる(相手のほうが目上)。 ・自分が被告の裁判で、裁判官に言われる (命令でも良いが、裁判官が若干丁寧に表現している)。 ・免許の更新に行って、発行された免許証を受け取る時 (相手のほうが目上、こちらが許可を受ける)。 全て、相手のほうが目上(に近い)場合にかぎります。 つまり「言う」よりいくらかへりくだった感があります。 カルテの間違いを防ぐ為にへりくだる必要はありませんので 私は違和感を感じます。 それにしても「名前」に「お」がついていないのがやや気になります。 どんな立場だろうとつけるべきだと思いますので・・・(変なこだわりですね(汗)。 病院側と患者側は対等と見るなら「名前を言ってください」 事務的な表現にしたいなら「名前を(カルテを持っている者に)伝えて下さい」(病院側からのお願いなので丁寧表現) 病院側が上なら「名前を述べてください」(同、丁寧表現) 患者側が上なら「お名前をおっしゃってください」 になると思います。 病院としてはどの立場でも良いようなものですが、どっちつかずで 結局失礼な表現になってしまっているように思います。
お礼
「名前を述べる」の実例を挙げていただき、相互の立場やシチュエーションが理解できました。 どっちつかずの表現というのは困りますね。 カルテの間違いを防止するため、どの病院でも防止策として医療現場の方々は名前や生年月日の確認をしています。 上下関係ではなく、お互いの信頼と理解のためであれば、このようなスタンスの告知にはならなかったのでしょうか。 短い文章に相手との関係を表現するときは、注意が必要ですね。 どうもありがとうございました。
- kyofu-chan
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> 私が感じた違和感 元の作成者は (私が憶測するに恐らく) 尊敬語、あるいはその類のニュアンスを出そうとしたにもかかわらず、実はこの表現にはまったく尊敬が含まれていないことにあなたが気づいたからであると思います。 正しい例の一つは「お名前をおっしゃってください」です。
お礼
ご回答ありがとうございます。 そうですね。「言う」より「述べる」のほうが仰々しいというか、かたい表現ですので、通達という意味で使用したところ、相手に依頼する、尊敬するという視点から逸れてしまったような感じですね。 前回答者様が、言葉は変化するもの、とお答えくださいましたが、この言い回しに尊敬が含まれていないと感じる方と、問題なく受け入れられる方がどの位の割合いらっしゃるか、ですよね。 病院は年配の方も多く来られます。「述べてください」が最近ポピュラーになった言葉だとすると、使用するのはふさわしくないですね。 どなたにも受け入れられる、やさしい表現をしてほしいです。
- geyan
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「名前を述べる」という言葉そのものには違和感はありません。 「述べる」にはあなたが書いておられるような「意見や意志を言う」という用法がありますが、 単に「言葉で言い表す」という用法もありますので。 ただし、病院側から患者に対して「名前を述べてください」はおかしいです。 この場合は「名前を仰ってください」でしょう。 そういう意味では私にも違和感があります。
お礼
早速のご回答ありがとうございました。 「名前を述べる」という言葉ではなく、続く「下さい」がポイントですね。 自分の意思ではなく、依頼する側が使用するには適切ではないということでしょうか。 公共の場で使うには、もっとスマートに汎用されている言い回しがあるはずなのに?と思います。 院内に数箇所貼ってあり、何度も目にするので「あれ?」と、気になってしまいます。
お礼
詳しいご回答をありがとうございます。 漢字や和語の2つの観点からの解釈は、とても参考になりました。 「述べる」を使っている時に、何となく身についていった、こんなニュアンスだろうな…という感じが、概ね定義されていて、改めてきちんと理解できました。 ことばが変化するもの、というのも同意です。 インターネットで検索したところ多数のヒットがあり、この言い回しが実用されていることが分かったのですが、私の経験ではニュースや活字、公共の場での使用、特に目から入る情報としては覚えが無かったので、気になりました。 もう少し、皆様のご意見を伺いどの程度の定着があるのか知りたいところです。 病院の事務連絡の雰囲気というのは理解できます。 他の方が書かれた「名前をおっしゃって下さい」より簡潔な感じを表そうという意図があったのでしょうか。