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cos(有理数*π)=有理数、などについてお尋ね(長文)
先日、「cos(有理数*2π)=有理数となるのはどういったときか」 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=2212683 という質問に、親切なご回答を頂きました(感謝です)。 結果だけをまとめますと、 「mとnを互いに素な自然数とする。 cos{(m/n)π}が有理数となる⇔n=1,2,3 sin{(m/n)π}が有理数となる⇔n=1,2,6 tan{(m/n)π}が有理数となる⇔n=1,2」 ここで、新たに疑問が浮かびます。 http://www.iis.it-hiroshima.ac.jp/~ohkawa/math/math_prob_analy.htm の問題177で、 「a(但し、0<a<1/4とする。)を有理数とする時、tan(aπ)は無理数である。」 がGaussの整数環がPIDで有る事を使えば、容易に証明出来るとあります。 (僕が考えた証明、多分不備あり。) tan(aπ)が有理数とすると、 tan(aπ)=y/x(x,yは互いに素な自然数)とかける。 Gaussの整数x+iyを考えると、原点との線分がx軸とのなす角度は、 arg(x+iy)=aπ 有理数a=p/qとして、Gaussの整数x+iyをq乗すると、 arg(x+iy)^q=aπ*q=pπ つまり、 (x+iy)^q=実数 http://members.ld.infoseek.co.jp/aozora_m/suuronN/node57.html に書かれていることから、両辺を因数分解すると、単数倍の違いを除いて一意的。 右辺が奇素数を因数に持つとき、上記サイトの定理40より、 それはガウス素数か、(a+bi)(a-bi)の形になるが、左辺はそれを因数にもたないから不適。 右辺が2を因数に持つとき、上記サイトの定理40の上のコメントより、 それは単数倍の違いを除いて2=(1+i)(1-i)なので、左辺は、x+iy=1+iなどの場合に限られる。 このとき、0<a<1/4では、tan(aπ)=y/x=1に矛盾。証明終わり。 この問題は、aを有理数とするとき、tan(aπ)も有理数であるのは、a=整数or奇数/4と主張しています。 これを使って、Gaussの整数の観点から、cos(aπ)が有理数である条件を求めれないでしょうか?
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- adinat
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質問(続きのほう)が削除されていたのでこちらに回答しておきます。 無理性などの考察をしたいときは解析数論を使うのが常道です。Lindemannの定理を使えばsin(0以外の代数的数),cos(0以外の代数的数),tan(0以外の代数的数),sinh(0以外の代数的数)などはいずれも超越数になることが証明できます(したがって特に無理数)。参考URLをご覧ください。また、cos(0以外の有理数)などが無理数であることだけなら、すでに削除された質問で挙げられていたリンク先にあるように、三角関数(あるいは双曲線関数)の連分数展開を用いて、無限に続く有理連分数が無理数であることを用いれば直ちに結論が得られるでしょう。連分数展開から超越性を読み解くのはたぶん難しい(というか不可能?)だと思うので、この方法では無理性しか出てきませんけれど(とはいっても巡回連分数になるかならないかで、二次無理数であるかどうかだけなら判別できる)。 またcos(有理数*π)は必ず代数的数になります。それは明らかですよね。つまりcos(π*n/m)を求めたければ複素平面上の単位円の円周を2m等分したうちのn番目の座標を求めることに等しいので、ようするに2m次方程式x^{2m}-1=(x^m-1)(x^m+1)=0を解けばよいことになります。あるいはm倍角の公式からm次方程式を解けばよい。ときどきこの方程式が簡単に解けるmがあります。たとえば17や257や65537など(フェルマー素数)だと、ガロア理論によってこれは平方根のみで計算できる、ということがわかります。いずれにしても代数方程式の解だから、必ず代数的数になるわけです。また、これは円分方程式と呼ばれる、特にガロア群が巡回群になる方程式なので、ベキ根と四則演算のみで具体的に解を書くこともできます。cos(2π/7)などが表記できる、というわけです。またcos(2π/11)なども実際に求めることができます。ただ、後者の場合、解ける5次方程式を解く、という作業が必要で、これはなかなかの難問です。歴史的にはファンデルモンドが初めて解決しました。 Gauss整数を使ってcos(aπ)が有理数ということに関しては、別の回答者の回答を待ちたいと思います。