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伊藤海彦の「あふれる」
日本語を勉強中の中国人です。伊藤海彦の「あふれる」という文章を読んでいますが、第一段落の理解に苦しんでいます。恐れ入りますが、この段落を説明していただけないでしょうか。 「月並みだがやはり五月は緑。心に浮かぶのは芽ぶいたばかりの新鮮な若葉、それも目にまぶしくあふれてくる緑だろう。美しく晴れあがった日はまさにそのとおりで、あながちこのイメージも誤りとはいえないが、統計でみると五月という月、意外に雨の日が多いのだ。逆にいえば、その数少ない初夏の日の美しさ、輝かしさが強烈な印象を人に与えている……ということになるだろうか。」 1.「月並みだがやはり五月は緑」の意味は何でしょうか。「五月は緑」の後ろに何が省略されたのでしょうか。完備した文を見たいです。 2.「それも目にまぶしくあふれてくる緑だろう」の意味は何でしょうか。特に、「あふれてくる」が理解できません。 3.「美しく晴れあがった日はまさにそのとおりで」の「そのとおり」は、「心に浮かぶのはめぶいたばかりの新鮮な若葉」を指すでしょうか。 4.「あながちこのイメージも誤りとはいえないが」の「このイメージ」は何を指すでしょか。 5.この段落は平易な日本語で書き換えていただけないでしょうか。 6.第一段落の単語ではないのですが、よろしければ、下記の文の中の「羽」と「色名」の読み方も教えてください。 『緑という言葉は、そに鳥ーーカワセミの羽の色から転じたものだというが、色名としては比較的に新しいもので、古くは「あお」である』 また、質問文に不自然なところがありましたら、それも指摘していただければ大変ありがたいです。よろしくお願いいたします。
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1.「月並みだがやはり五月は緑」の意味は何でしょうか。「五月は緑」の後ろに何が省略されたのでしょうか。完備した文を見たいです。 ⇒一般的には「五月は緑がいい」ということになると思いますが、この文章の後半を読み進むと、ここにはもう少し別な言い回しが隠されているように思えます。 ★この文の後に続く筆者の表現から判断すると、 「五月は緑がいい」というよりも、「五月は緑で代表される」「五月を色で表せば緑色だ」「五月は緑色だ」「五月のイメージは緑だ」ということを言いたいように思えるのです。 ★「月並みだが、五月を色で表現するとすれば、やはり緑ということだろう」という感じです。 ◎「月並みだが」は皆さんから出ている通りです。 2.「それも目にまぶしくあふれてくる緑だろう」の意味は何でしょうか。特に、「あふれてくる」が理解できません。 ⇒五月を色で表すとしたら「緑色」である。 その緑色の中でも、心に浮かぶのは新鮮な若葉である。 その新鮮な若葉の中でも、《五月晴れの太陽を燦燦と浴びて、眩しいばかりに光り輝いている若葉、我々の眼の中には入りきれないほどの、溢れんばかりの輝きを持っている若葉が心に浮かぶのである》 ★このように目に入りきらないほどのまぶしさを持った緑のことを表現していると思います。 3.「美しく晴れあがった日はまさにそのとおりで」の「そのとおり」は、「心に浮かぶのはめぶいたばかりの新鮮な若葉」を指すでしょうか。 ⇒そうではなく、「そのとおり」は、【心に浮かぶのはめぶいたばかりの新鮮な若葉、それも目にまぶしくあふれてくる緑だろう】という文章の中で、筆者が新鮮な若葉をイメージしている部分のこと、すなわち、【目にまぶしくあふれてくる緑】のことです。 ⇒【美しく晴れあがった日は、まさにそのとおり】と書かれている様に、美しく晴れあがった日の新鮮な若葉は、まさに【目に眩しくあふれてくる緑そのものである】と書き換えられます。 4.「あながちこのイメージも誤りとはいえないが」の「このイメージ」は何を指すでしょか。 ⇒筆者は【新緑の若葉】を【目にまぶしくあふれてくる緑】というイメージで捉えたのです。 5.この段落は平易な日本語で書き換えていただけないでしょうか。 ⇒【ありきたりの言い方になるが、五月を色で表すとしたら緑だろう。心に浮かぶのは芽を吹いたばかりの新鮮な若葉の緑、それも目から溢れ出してしまうほどに眩しく光り輝いている緑だろう。 美しく晴れあがった日の若葉は、まさに目にまぶしくあふれてくる緑そのもであり、私のイメージもそれほど間違ったものではないだろう。 しかし、統計で見ると意外にも五月は雨の日が多いことがわかる。言い方を変えれば、数少ない初夏の晴天の日の美しさや輝かしさが、人に強烈な印象を与えているということになるのであろうか。 6.第一段落の単語ではないのですが、よろしければ、下記の文の中の「羽」と「色名」の読み方も教えてください。 ⇒「羽」・・・・「はね」 ⇒「色名」・・・「しきめい」で良いかと?? 最後に質問1.の文末「完備した文・・・」は間違いです。「省略されていない完全な文章」のような表現の方が良いと思います。 頑張ってください。
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- gekkamuka
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1.「五月は緑」の後ろに何が省略されたのでしょうか。 普通に受け取れば、いわゆる「体言止め」ですから、その後は何もなく、読み手が勝手に前後の文脈から想像するほかありません。文末を言い切ってしまわない形で余韻や余情を残すという韻文ならではの技法ではありますが、それだけにこのような多くの読み手を前提とする随筆や主張文などでは曖昧すぎて望ましくない場合も多いとされています。もし枕草子の有名なくだりをなぞったとしたらそれは形だけでしかなく、やや軽率なきらいがありましょう。 2.特に、「あふれてくる」が理解できません。 私もまったく同感です。「目に」は「まぶしく」に懸(かか)っています。しかし「目に」や「まぶしく」が、果たして「あふれてくる緑」に懸るものかは不明です。その緑はどこからどこに向かって「あふれてくる」というのでしょう。目から出る「涙」ではあるまいし、それがどう「目」と関係するのでしょう。目に向かうものなら眩しく=「刺さってくる」具合ではないでしょうか。 日本の有名な詩の一節に「川面に春の光はまぶしく溢れ。そよ風が吹けば光りたちの鬼ごっこ葦の葉のささやき。」(草野心平「富士山(第肆)」冒頭部)とあります。このばあいの「まぶしく溢(あふ)れ」は川面に反射する光のまぶしさであり、その溢れる様は「光たちの鬼ごっこ」としてくっきりイメージされます。しかしこの文章に戻ると言葉だけが類似の連なりを見せても、もはやイメージ喚起力は曖昧模糊となっているように思えます。 3.「そのとおり」の指すもの 私も迷いました。普通ならその直前の「それも…」以降の「目にまぶしくあふれてくる緑」でしょう。ただ、これが2.で触れたように曖昧なトーンがあるのでその前の「芽ぶいたばかりの新鮮な若葉」も入れて読み取らざるをえないというのが実情だとも思えます。これこそまさに「まさにそのとおり」という極(き)め台詞の指すべき対象自体がブレて感じられる次第です。 4.「このイメージ」は何を指すでしょうか。 前段の「美しく晴れあがった日」という条件が加味された上での「まさにそのとおり」が指す、3.のイメージでしょう。 5.平易な日本語で書き換えていただけないでしょうか。 これまでの皆さんの明快なお答えがありますので省きます。 6.下記の文の中の「羽」と「色名」の読み方も… はね【羽・羽根】鳥の羽毛(うもう)。 しきめい【色名】個々の色の名。基本色名や慣用色名などがある。日本工業規格(JIS)では工業用色名を統一している。(講談社「日本語大辞典」) 今回の淡雪さんのご疑問は、そのまま私自身のそれとも重なっております。したがって直接的な意味での答えとはなっていないともいえます。あくまでも私見でしかありませんが、この文章は、余りにも当たり前だと思い込んだ筆者の、いわば「上手の手が滑った」感じで、筆者の思惑以上に「月並み」に終始した面白みのない平凡な筆致に止(とど)まった様に思えてなりません。 以前お読みになっていらっしゃった吉本ばなな「キッチン」での、あの緑の描写は、あの雨の様子とともに活き活きしていたことを思い起こします。五月雨(さみだれ)が卯の花=空木(うつぎ)の花を腐らせる、それはまた4月(卯の花月)に五月が取って代わる意味も込めてか、「卯の花腐(くだ)し」と呼びますが、そんな露雨(つゆさめ)によってこそ「新鮮な若葉」が映えて来るのだとの、あの作品での吉本ばななの記述の方が、この文章より一層「五月の緑」を鮮明にしてくれている思いがします。 ところで「そに鳥」は古来「青し」に掛かる枕詞ですが、そのカワセミは翡翠(ひすい/しょうびん)とも書き、新緑の水辺のイメージが強いので「水恋鳥」とか「雨乞鳥」とも記されます。宝石ヒスイと称せられるその羽の青=緑色は、水に縁(ゆかり)の、青い空と碧い水の両方の意味を持つ「瑠璃(るり)色(=ラピスラズリ)」なのではないでしょうか。
お礼
毎度お世話になります。 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。素直に意見を下さりとても嬉しいです。『キッチン』のお勧めの段落をもう一度読みました。大変参考にさせて頂きます。月下無可さんはいつも美しい日本語を紹介してくださり、心より感謝いたします。草野心平の「富士山」の冒頭部の文が気に入ります。本当にきれいです! これからも美しい日本語を紹介し続けてください。よろしくお願いいたします。大変参考になりました。 本当にありがとうございました。
- glifonglifon
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こんにちは。 1. ●省略されている言葉としては、 「~がいい」 「~のイメージだ」 ●ただ、こういう表現の場合は、全文を言い換える方法もあると思います。 「五月といえば、やはり緑が似合う」 「五月という季節は、緑色に包まれている」 2. (目に)眩しく、そして(目から)溢れてしまうほどのボリュームで迫ってくる、緑。 ※コップから水があふれる、というように使います。 3. 5月の美しく晴れ上がった日は、まさに「芽ぶいたばかりの新鮮な若葉、それも目にまぶしくあふれてくる緑」というイメージだ。 4. 上記3を指します。 5. ありきたりな表現になってしまうが、やっぱり五月と言えば、心に浮かぶのは「緑」だろう。人々に想像されるのは、芽ぶいたばかりの新鮮な若葉だ。それも、まぶしくて目から溢れてしまう、そんな圧倒的なボリュームで迫ってくる新緑だ。 確かに、5月の美しく晴れあがった日のイメージは、そのとおりだろう。決して間違っているとは言えない。しかし、統計を見ると、五月という月は、意外に雨の日が多いのだ。逆に言えば、数少ない初夏の日の美しさ、きらめきが、かえって強烈な印象を私たちに与えている……ということになるだろうか。 6. 省略させていただきます。
お礼
毎度お世話になります。 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。書き換えていただき大変参考になりました。理解しやすくなりました。 本当にありがとうございました。
既に各項目に適切な回答が出ていますので6番のみに お答えします。 羽 はね 色名 しきめい 古代の日本人は緑色は青色として捉えていました。従って現代でも交通信号の緑色を多くの日本人は青色と呼びます。「信号が青に変わった」
お礼
毎度お世話になります。 ご丁寧に教えていただき誠にありがとうございます。日本の方は信号の緑色を確かに「あお」で呼んでいるのですね。参考になりました。 本当にありがとうございました。
- luune21
- ベストアンサー率45% (747/1633)
1. 月並み: ありふれている、平凡、新しさがない、月例 緑: 緑の色をあらわすとともに木々の若葉、新芽およびその群 日本人の誰でもが知っている古典の清少納言『枕草子(まくらのそうし)』に「春はあけぼの」という書き出しがあります。これは「春はあけぼのがいい」ということです(あけぼの=曙=夜明けの頃)。つまり述語の「いい」というものが省略されているのです。 この有名な作品があることで「XXは○○(がいい)」という表現が今でもよく使われてます。 「『ちびまるこ』はたまちゃん。」ときたら、「『ちびまるこ』の登場人物の中ではたまちゃんが一番いい!」ということです。 予備の文例 「誰がなんと言おうと、五言律詩は杜甫」 http://contest.thinkquest.jp/tqj1998/10134/makura.htm 2. まぶしい: 眩しい、光が強すぎて目に過剰な刺激がある状態 あふれる: 溢れる、いっぱいになって内から外にこぼれる あふれてくる: あふれる状態がしだいに進んでくる 3. 「心に浮かぶ~あふれてくる緑」またはその状態の五月の好ましい緑 4. イメージ: 上記3.と同 5. 要約: 五月はまぶしいくらいの新緑がいい。しかし、五月は意外なことに雨天の日が多い。それが逆に晴天の日が少ないからこそ、美しい若葉の印象をよりいっそう強めることになっている。きっとそういうことなのだろう。 6. 羽: 「はね」、この場合、翼のことなのか羽毛のことなのかは不明。 カワセミの外見全体でしょう。 色名: わかりません。候補は「シキメイ」「いろな」「いろのな」 --どうでもよい、というのは回答になりませんかな?
お礼
毎度お世話になります。 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。とても理解しやすいと思います。大変助かりました! 本当にありがとうございました。
お礼
毎度お世話になります。 ご丁寧に教えていただき誠にありがとうございます。詳しくて理解しやすいです。また、質問文までも貴重なアドバイスを下さり心より感謝いたします。大変参考になりました。 本当にありがとうございました。精一杯頑張ります!