Ａ級戦犯のＡの意味

質問

Ａ級戦犯のＡとはＡ項（平和に対する罪）ですよね？
よくＢＣ級戦犯とひとくくりに云われますが、
Ｃ級戦犯とはあまり聞かないと思われませんか？
ではＣ級（人道に対する罪）では有名な軍人だと
どんな方がいたのでしょうか？
それともＡ項とＡ級には関連性がないのでしょうか？
私はＢ級は下士官、Ｃ級は兵と書いてある本を読んだ記憶もあり
どうも腑に落ちない部分があります。
もしＡ級がＡ項であるならば松井石根大将もＡ級戦犯から
はずされるべきではないのでしょうか？

回答No.3

m-jiro · ベストアンサー

Ａ級が特別視されるのは容疑者全員が東京に集められたことも原因するでしょう。Ｂ級Ｃ級は東アジア各地（シンガポールやマニラなど）５０余箇所で裁判があり、被告は延べ５６００人余にのぼります。なぜ「延べ」かというと戦線の移動とともに複数の場所で犯罪（容疑）を犯した人がいたためです。
裁判を行ったのはＧＨＱではなく、裁判地を管轄（領有）する国が連合国から委託されて行いました。シンガポール攻略で有名な山下奉文はマニラ（当時米国領）で裁判を受け、処刑されていますが、フィリピンは独立後は死刑の人を減刑して日本に送還しています。
日本でのＢＣ級裁判は横浜でありました。
そしてＢＣ級での死刑は約９００人います。「約」が付くのは裁判地によって死刑の宣告を受けたものの、減刑された人や病死・逃亡した人の数え方が違うためです。
Ａ級に比べてＢＣ級の研究は遅れていると思います。私も読み漁った記憶で書いていますので間違っているかもしれません。茶園義男氏が深い研究をしておられます。

お礼

ありがとうございます。茶園義男さんは存じ上げませんでした。
ご著書は興味深そうなのでぜひ読んでみたいと思います。
アジア各地で行われたＢＣ級裁判は、連合国側としても早く帰国したいがために
スピード判決で終わらされてしまったそうですね。

ところで、この場を借りて質問の補足をさせていただきます。
手元にある「Ｂ２９墜落」という本では
主要戦争犯罪人２５名のことをもって「Ａ級」としています。
さらにその内訳として
Ａ項（イ項）平和に対する罪：有罪１５名
Ｂ項（ロ項）通常の戦争犯罪：有罪１名
Ｃ項（ハ項）人道に対する罪：有罪０名
Ａ・Ｂ項（イ・ロ項）併合：有罪９名
となっています。
つまり、必ずしもＡ項有罪であるから「Ａ級戦犯」というわけでもなく、かといって
Ｂ項のみ有罪の松井石根大将も「Ａ級戦犯」に含まれているのが不思議なのです。
しかもウィキペディアでは、Ｃ項（含む捕虜の虐待）の説明に
＞なお、このC項は、日本の戦争犯罪とされるものに対しては適用されなかった。
とあるではありませんか。
では、「私は貝になりたい」の話や、俘虜にゴボウを食べさせて戦犯にされたという人たちは
いったい何項で裁かれたことになるのでしょうか？（何級戦犯と呼ばれるのでしょうか）

回答No.8

Tacosan

#4 です.
捕虜虐待は b項違反だと思います.

お礼

たびたび有難うございます。
と云うことはやはり日本にはＣ級（Ｃ項）戦犯は居なさそうですね。

おかげさまでＡ級、ＢＣ級の定義には曖昧な面があるということがよくわかりました。
私のあやふやな質問にもご丁寧に御示教くださったみなさまに、この場を借りてお礼申し上げます。

回答No.7

PENPENMAKKY

裁判における死者数のトップはオランダです。特に病死と事故死が極端に多いのが特徴です。

その謎を知りたいのでしたら映画「ムルデカ」を見ることをお薦めします。

お礼

そんな作品があるとは存じませんでした。インドネシア国民との約束を守った方々のお話ですね？ぜひそういたします。そういえば「蟻の兵隊」という作品も公開されるそうですね、こちらは国民党軍に合流した部隊のようですが。

回答No.6

m-jiro

＃３です。ずい分詳細に調べておられますね。敬服です。
小生もこの件については以前から興味がありいくつかの史料を入手して調べていました。パルの判決書も全文持っていますが、あまりに膨大なので読んでいません（お恥ずかしい限りです。講談社学術文庫から刊行）。
＃４さんがいわれるようにＡ級単独でなく、ＢＣの訴因も含まれていたのでしょう。その訴因もいいかげんと思われるケースもあります。重光葵は裁判開始直前にソ連の要求で起訴されました。ノモンハンも張鼓峰も終戦処理は完了していたといいますから無茶としか言い得ません。
ゴボウで起訴された人は横浜で裁かれたと思います。
少し古い本ですが、新人物往来社に「戦争裁判処刑者一千」（１９９３年）というのがあります。特にＢＣ級に詳しい本です。

お礼

めっそうもない、今回のご回答も知らない話ばかりで、またしても御高教を賜るばかりです。
敗戦国で文句は云えませんが、強引な起訴や容疑者捜査は少なくなかったのでしょうね。
Ｂ項のみの松井石根大将は、ご承知のように南京虐殺の責任ですから、なんとしても彼を「Ａ級」にしたい国があったのかもしれません。
ご紹介いただいた本もぜひ読んでみたいと思います。

回答No.5

PENPENMAKKY

pbfさんはＢ級戦犯死刑者が最も多かった国は何処かご存知でしょうか？

米国・英国・中国・オランダ・オーストラリア

お礼

いいえ、勉強不足で忘れてしまいまいした。
確か、オランダ（？）が戦闘期間がいちばん短かった割りに
厳しい判決が多かったような記憶がございます。
意地悪なさらずにどうかご指南お願いします。

補足

うろ覚えですが、田中宏巳さんの『BC級戦犯』
という御著書でそう読んだ記憶です。すみません

回答No.4

Tacosan

真面目に調べてませんが, 「国際軍事裁判条例」の 6条に列挙された「戦争犯罪」が
a項: 平和に対する罪 (侵略戦争を始めちゃった罪)
b項: 通例の戦争犯罪 (戦時における敵国民への犯罪)
c項: 人道に対する罪 (戦時及び平時における, 敵国民及び自国民への犯罪)
で, a項に問われたのが A級戦犯 (米: class A war criminal/英: major war criminal).
東京裁判では 28人が起訴され, 25人に有罪判決 (うち死刑 7人) となってますね. なお, 東京裁判では A級戦犯に対して裁いていますが, a項だけではなく b項についても起訴されており, 実際には A級だけで死刑になった被告はいないそうです. なので, A級戦犯 (として起訴された人) の中でも「a項のみ有罪」, 「(a項については無罪で) b項のみ有罪」, 「a, b項ともに有罪」とわけることができるのではないかなぁ.
俘虜に対してゴボウを食べさせて戦犯になった人は, 多分 B級ではないかと....

参考URL：

http://www32.ocn.ne.jp/~modernh/paper47.htm

お礼

ありがとうございます。ご紹介いただいた参考ページ、興味深く読ませていただきました。
書かれている内容ですが、以下のようにまとめてみました。

●ヴェルサイユ平和条約違反（戦争を起こした罪）→Ａ項→Ａ級戦犯　 メイジャー
●ジュネーブ条約違反（通例の戦争犯罪）　 戦時 →Ｂ項→ＢＣ級戦犯　マイナー
●ホロコースト（想像を絶する犯罪）　 含む平時 →Ｃ項→ＢＣ級戦犯　マイナー

つまり、Ｃ項はひとりもいないのに「ＢＣ級」と呼ばれ、
Ｂ項のみで有罪なのに「Ａ級」と呼ばれる人もいる。
ということはやはり、Ａ項だからＡ級戦犯、Ｂ項だからＢ級……
という単純な線引きは出来ないということになるのですね？
それにしても「捕虜虐待」のＣ項は、どこへいってしまったのでしょうか。

回答No.2

PENPENMAKKY

Ａ級戦犯は「平和に対する罪」で、当時の国家指導者や作戦立案者が該当します。国際法上、当時は存在しないものです。

Ｂ級戦犯は通例の戦争犯罪者です。国際法を無視して民間船を攻撃したり、停戦合意を無視して攻撃したりした者などに対してです。

Ｃ級戦犯は人道に対する罪です。捕虜、住民などを虐待したり殺したりした者が該当します。

お礼

ありがとうございます。
ただ書き忘れてしまったのですがＣ項（人道に対する罪）で裁かれた日本人はひとりもいないと記されている本もあったのです。

補足

すみません。ウィキペディアでＣ項（人道に対する罪）とは、絶滅を目的とした大量殺人、奴隷化などと物凄いことが書いてあるんです。

回答No.1

schwantz34

A級の意味については下記の『詳細な定義』に
B・C級については『関連項目』に書いてありますよ

参考URL：

http://ja.wikipedia.org/wiki/A%E7%B4%9A%E6%88%A6%E7%8A%AF

お礼

ありがとうございます。ただウィキペディアだとＣ項（人道に対する罪）なのに、いきなりニュルンベルグの話題になってしまうのですよね。