「人の進化」言ってもいいと思いますが、どちらかというと、「人類における進化方式の進化」と言ったほうが良いと思います。
人類以前の進化は、生物の環境適応力を規定する情報の伝達は、遺伝子によってのみ担われていました。
しかし、人類誕生以降、生物の環境適応力を規定する情報は、個人の経験を言語により、他者に伝え、また、紙や記憶装置の発明により、後世の人類にも伝達できるようになりました。
そして、さらなる技術進歩が行われ、最終的に、人類は、人類自身の遺伝子の書き換えを行うことができるようになりました。
その結果、遺伝のメカニズムは、全く新しい方式に移行したことになります。すなわち、遺伝子(正確には、遺伝子の持ち主である人間)が、遺伝子を書き換えるという「進化の方式の進化」が起こったと考えられます。
これは、生物誕生以来、全く初めての出来事です。人類誕生以前は、進化は、遺伝子の偶発的変異にまかせて行われてきたので、進化に要する時間が非常に長かったわけですが、人類誕生以降は、進化の方式が変わったので、偶発的ではなく、目的的に遺伝子書き換えが行われるので、進化のスピードを極端に上げれる可能性が出てきたわけです。
ここに到って、これまでは、「進化の方向」は、自然が決めていたのに、これからは、人類が勝手に決められるという事態が生じています。このため、人類が人類の遺伝子を勝手に書き換えていいのかという大問題が生まれてきたわけです。
補足
人と海イグアナの違いを“進化”について考察していただけないですか? よかったらご回答ください。