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植物体内に発生したアンモニアの行方
植物の代謝経路内で、アンモニアを遊離する反応がありますが、 このアンモニアが遊離された後、どこに行くのか知りたいです。 アンモニアのままだと毒性が高いので、どこかに蓄積されるか、 或いは排出されるのではないかと思うのですが、実際は どういう末路をたどるのでしょうか。
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直接的な回答ではありませんが、以下のサイトが参考になりますでしょうか? -------------------------------------- アンモニウム塩は窒素肥料として使われ植物の生長を促進するが,遊離のアンモニアは生物に対して有毒であり,その施用によって植物の根に障害(伸長の阻害)が生じ,またガスやミストによって葉などにも障害(黄化やネクロシス)が発生する(4,50)。しかし,植物に対するアンモニア毒性の正確なメカニズムは,まだはっきりとはしていない。多分,イオンの直接的な毒性よりはむしろ,生理代謝の攪乱によっていると思われる(50)。植物のアンモニアの吸収は主に葉の代謝によるアンモニアの同化である(4,50)。葉に吸収されたアンモニアは, グルタミン合成酵素とグルタメート合成酵素系によって代謝されて, アミノ酸とタンパク質に変わり, 生体成分として利用される(32)。アンモニアの毒性は(1)電子受容体として作用し,膜での電子伝達の脱共役を生じる, (2)膜脂質の不飽和脂肪酸を飽和化し,膜の悪化を生じる, (3)非常に高濃度では直接の組織のネクロシスを生じる(4)。アンモニアを解毒する植物の能力は, 植物の内部と外部的パラメータに依存する。アンモニアの同化には, 炭素骨格, エネルギー (ATP), 還元力 (NAD(P)H,フェレドキシン) が必要である(4)。植物の解毒能力を越えた場合に障害が発生する。野外でのアンモニアによる植物被害は,家畜農場, 堆肥貯蔵所, 肥料製造工場のようなアンモニア発生源近辺というようなローカルなスケールで樹木によく見られる(4)。例えば,家畜農場の近くの針葉樹は, まず古い針葉の先端にネクロシスを生じ, 次いで針葉の落葉が生じ, 最終的には枯死する。ドイツでの巨大な養豚場では豚を200,000 頭も飼育しており, それらの地域では森林が衰退し,その森林衰退地域は2,000 haにも及んでいる(4)。一方, 人工的なアンモニアの暴露実験では, 2.9 ~40μl/l のアンモニア濃度で多くの植物に可視被害が発生している(4)。 -------------------------------------- このページの最後にある参照文献をあたられては如何でしょうか? ご参考まで。
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- bazil
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的外れならごめんなさい。 その分解の一部の生理現象での話ですが、葉緑体には硝酸還元酵素があり、これが分解に一役買っています。光合成のときなんかに。 しかしこれもまだ研究の段階です。これによってNOができ、NO自体がシグナルとなって様々な生理現象を引き起こしている可能性があります。活性酸素等との関係も非常に興味深いものがあったりします。 大まかすぎて判らなかったら本当にごめんなさい。
お礼
回答ありがとうございます。 硝酸還元酵素によって生成したNOがシグナルになって、 様々な生理現象を引き起こしていたり、それが活性酸素と 関わっている件は、確かに興味深いと思います。 アンモニアの行方とも関係していると思いますので、 何らかの機会があれば勉強してみたいと思います。
- m_nkgw
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文献を調べた限りでは普通に同化・異化を繰り返している範囲では産出されるアンモニアは植物の生命活動を阻害するほどの量ではないと思われます。(逆に足りないほどだと思います)植物のpHに対する順応性はかなり高いようで、特に硝酸によるpHの上昇にはかなり耐えうるようです。(切り花等は異なると思いますが)アンモニア(アンモニウム塩)に弱い植物はそれを脱窒素してくれる細菌等と共生しているでしょうし、逆に大量の窒素を必要とする植物は窒素固定をしてくれる細菌と共生しているでしょう。 何らかの要因で環境に大量のアンモニア・硝酸が長時間存在することになった場合はその植物は枯死する以外に道はなくなります。 個々の植物種の窒素同化・必要量などについてはそれぞれの文献をあたって下さい。(農学系専門誌などにあるのでは?) 同化経路、酸化還元等の反応は「生物学事典」(岩波)を調べて下さい。詳細に載っています。
お礼
回答ありがとうございます。 微生物と共生しているということは考えておりませんでした。 この辺りも何かのヒントになりそうです。 さっそく専門誌と生物学事典をあたってみます。
- KOH_da
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自信はありませんが、水草水槽をいじっているので、 その知識を元にちょっと書いてみます。 動物と違い、植物にとってアンモニアはさほど有害ではありません。 水槽に入った水草であれば、魚によって、 水ごとアンモニア責めになったりします。 このような環境でも、水草は魚よりもずっと丈夫です。 植物体でそれが過剰になり過ぎると...と書かれていますが、 硝酸塩に戻ってまた再利用されるとと思います。 その細胞がアンモニア過剰になる前に、 次の反応は止まってしまうし、 硝酸塩に戻るための物質はいくらでも存在すると思います。 また植物体内にある硝酸塩がすべてアンモニアだったとしても、 たいした量ではないので、植物は平気だと思います。 世間でアンモニアと呼ばれる化学肥料がありますが、 あれはアンモニアじゃなくて、何とかアンモニウムで、 しかも吸収前に硝酸塩に変化しているのでは。 どれもこれも推測なので自信はありません。
お礼
回答ありがとうございます。 私が想定していたのはイネ科植物なので、水草とは多少 違うかもしれませんが、解決の糸口がつかめたように思います。 まず、アンモニアが植物にどのような影響を及ぼすか、 また、その程度はいかほどのものか、調べてみます。 伝え聞いた話だと、ほうれん草とかは、窒素を過剰に与えると アンモニアを蓄積して、枯れやすくなるらしいです。 詳細については不明ですし、多分このへんも植物によって 違うだろうと思いますが。 また、アンモニアと硝酸塩を含んだ代謝経路について もう少し調べてみようと思います。なんかこの辺が 突破口のような気がします。 さらに何かご存知の方が居られましたら、回答をお願いします。
- tukitosan
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動物の場合、アンモニアからさらに何かを作り出すことは、出来ません。 しかし、植物の場合は、このアンモニアを使って、タンパク質を合成します むしろ、アンモニアなどの窒素化合物は物にとって必要なものです。むしろ肥料などで、窒素化合物を補ってやる必要があります。 動物に対してはもちろん毒性が高いのですが、それと混乱さているように思います。 助言にでもなれば、幸いです。 tukitosan でした。
お礼
回答ありがとうございます。 が、質問を少し補足させていただきます。 まず、植物にとってもやはりアンモニアは有毒です。あまり ありすぎると細胞内障害を起こして枯れやすくなるようです。 だから、アンモニアが発生した場合は、直ちにアミノ基の形で 再び代謝経路に戻す必要があると思うし、実際 そういう窒素回収経路はあります。でも、この経路が 遊離された全てのアンモニアに対して働いているとは 思えないし、そもそも、例えば過剰に窒素が吸収された場合、 それを全てタンパク質合成に利用できるはずもなく、大量に 生成してしまったアンモニアはいったいどこへ行くのか、 それが知りたいのです。 なにかご存知なら、回答をお願いします。
お礼
回答ありがとうございます。 アンモニアの作用とその同化経路が示されている辺り、 これが私の最も欲しかった情報に近いものであると思われます。 グルタミン合成酵素とグルタミン酸合成酵素が関わっている事は解っていましたが、その経路がアンモニア同化の 中心であったことは初めて知りました。 更なる理解のために、お教え頂いた論文を調べてみたいと思います。