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結像に2種類以上の回折光の干渉が必要な理由

半導体関連の光学を独学で勉強しているところです。 資料を読んでいると、「ステッパーによる結像では、ウエハー上で少なくとも2つの回折光が干渉する必要がある」とあるのですが、その理由がよく理解できません。 0次光だけでは解像されないのでしょうか? 光があたれば、そこは露光され、フォトレジストは反応すると思うのですが。 どうか、詳しい方教えていただけませんか。よろしくお願いします。

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  • TCM
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回答No.1

 近年、最小線幅がますます小さくなっていますね。するとマスク縁端部での回折とその干渉によって、パターンが細くなったり所望の形状が得られなくなくなるのです。そこで、ちょっと変形したマスクパターンを作成して所望の形状を得ようとします。これを光学的近接修正と呼びます。  さらに、最小線幅が小さくなって光の波長程度になり、光学的近接修正でも修正しきれなくなると、交替位相シフト・マスクを使います。これは、パターンの一辺からくる回折光と他の辺からくる回折光の位相のずれを積極的に利用するものです。位相のずれがnπならば露光量が減少し、2nπならば増加します。これを考慮して、予め数値解析によって最適マスク形状を決めるのです。これが「ステッパーによる結像では、ウエハー上で少なくとも2つの回折光が干渉する必要がある」の意味するところだと思います。

smash
質問者

お礼

詳しい回答、どうもありがとうございます。 位相シフトマスクについては丁度いま勉強しようとしているところなので、またわからないところがあれば、質問するかもしれません。そのときはよろしくお願いします。

smash
質問者

補足

TCMさんに追加質問になりますが、もう少し単純な場合、例えば、 「レチクルで回折した±1次光がアパーチャーからはみ出してしまい、0次光のみがウエハ表面に届くような場合」 には光が当たったレジスト部分というのは全く反応が起きないのでしょうか? 2種類以上の回折光が結像しないので、ぼけたイメージが形成されるのでしょうか? 露光量が足りず、完全に抜けきらない状態になるのでしょうか? 初歩的な質問で申し訳ありませんがよろしくお願いします。

その他の回答 (2)

  • TCM
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回答No.3

 申し訳ありません。うろ覚えで回答するとろくなことはないです。おっしゃる通り、0次光だけではシャープな回折格子を再現できませんよね。よく考えると(よく考えなくても)高次成分がはいるほどエッジはシャープになりますね。ただ、ギプスの現象によって無限に高次の回折光を集めても、エッジ近傍に振動が残って完全な再現がされるということはありません(のはずです(^.^; )。  「お礼」の中の(1)から(2)の解釈はそれでよろしいかと思います。

  • TCM
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回答No.2

 #2の補足見ました。 > 初歩的な質問で申し訳ありませんが > よろしくお願いします。  いえいえ、私も仕事の関係で少し知っているだけで、専門家というわけではありません。どうぞよろしく。 > レチクルで回折した±1次光がアパーチャー > からはみ出してしまい、0次光のみがウエハ表 > 面に届くような場合  ということは、回折格子のようなものを想定しているんですね? 0次光の照射光量が、レジスト内のインヒビタを十分に破壊することができれば、露光は大丈夫でしょう。結像もシャープになると思います。でも、パターンは完全な回折格子でもないし、そういう状況ってなかなかないような気がします。

smash
質問者

お礼

そうですね。あまりこういう状況ないかもしれません。 レチクル内のL/Sのピッチを細くすればするほど、回折角が広がり、アパーチャーの幅を超える状況になるのでは?と考えたのでした。 TCMさんの説明だと、 (1)2種類以上の光が干渉する場合、位相が合っていればエネルギーが強くなる。露光量を確保するのに有利な状況。 (2)2種類以上の光が干渉しても、逆位相ならばエネルギーが打ち消し合う。つまり露光量がたりず、十分な反応が起きない。この現象を利用してより細いパターンを解像する技術もある(位相シフトなど)。 (3)1種類の光でも、十分なエネルギーをもっていれば、光反応は起こる。 という解釈でよいのでしょうか? 私が疑問に思っていたのは、1種類の光(0次光)のみが当たる場合、(フォーカスがずれて0次光、1次光が表面で交わらない場合もこれに当てはまると思います)、像ができるのかどうか、ということだったのですが、0次光だけでも露光量が確保できるような状況の場合、OKということですね?でも、実際は露光量不足になりそうな気がしますが。 ある講義で「通常は0次光、±1次光のみをレンズで集めて結象するが、原理的には高次の回折光を集めれば集めるほど、元のイメージに近い象が形成される。エッジのコントラストもシャープになる。」といったことを習った覚えがあります。 TCMさんの回答では、0次光だけでもシャープな像ができる、とありましたが、0次光、1次光とあるほうがよりシャープになりますよね? 違いますかね?(^_^;) 要はどれだけもとのイメージに近い像をつくるか、光エネルギーを確保できるか、という問題ですね。 疑問が少し解けた気がします。どうもありがとうございました。

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