- 締切済み
干渉や回折の単色光の位相同期
単色の光源から平行に並んだスリットを通してスクリーンに明暗縞をする実験や 単孔をとおしてスクリーンにあたった光が明暗縞を作る実験があります. それらは2重スリットの干渉、フラウンホーファー回折という現象を試す実験です. 実験の光源はレーザー光でない場合があります. レーザなら光波の位相は揃って、同期した波動があります. ところが単色光はその位相の同期は得られていません. 干渉と回折を生じた時その光源とした単色光は光源で光波の位相が時間的にランダムな光波の集合でしょうか、それとも同じ位相がある単色光が集まった同期した位相の光源や光波なのでしょうか? 質問1.位相のランダムな光源なのか、同期した位相の光源、どちらなのか教えて下さい. 干渉と回折の論理によればたとえば位相が揃わない光波からは、もし同じ位置で同時に光りが重ね合せられたとしても、スクリーン上に暗くなる偏りは生じないはずです. たとえばサーチライトの多数を何灯も使って同じスクリーンの場所を照らしたとすれば、そこのスクリーンの明るさは重ねた灯の影響で暗くなるようなことは決して起きません. そして実験には波長の構成が一つでなく、白色光の干渉回折の実験すらあります. すると回折や干渉が起きた光波には位相の同期がスクリーンの周囲に存在したことになります. まさにフラウンホーファー回折のとき光波には位相の同期がスクリーンの周囲に存在したことになります. 単なるひとつの孔をとおした光からスクリーンに縞模様が生まれる現象があり、フラウンホーファー回折と呼ばれています. 質問2. フラウンホーファー回折の単孔には光波の位相を揃え同期させある空間に特定の位相を偏在分布させる能力があるのでしょうか.それともそんな能力がないのでしょうか. 質問3. 単孔の波動の位相を揃え同期させる能力は現代の光学と物理学の学説で見落とされているのでしょうか.きちんと取り上げられているでしょうか?どちらでしょうか?
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
みんなの回答
- leo-ultra
- ベストアンサー率45% (230/504)
> 単色光がある程度の期間コヒーレンスがあるとしたら、それより数倍長い期間の観察時間にはいくつかの光波群の集団を観察するので、位相には差があり、幅があるでしょう.すると明暗縞の幅にもその影響かがあるでしょう. 干渉という現象は、位相の絶対的な値ではなく、位相差(光学経路の距離の差によって生じる)で決定されます。 最初に原子Aが発光し、仮に1マイクロ秒後に発光をやめるとします。(位相緩和時間~発光寿命としました。) 原子Aの電子が上の準位から下の準位に遷移する間だけ、発光が起こるわけです。 この1マイクロ秒の間はコヒーレンスが保たれているので、干渉縞はよく見えます。 次になんの関係もない原子Bが発光しますが、これも1マイクロ秒間だけ干渉縞を作ります。 原子AとBはなんの関係もないので、それらの発光の位相はでたらめの関係になります。 干渉を作るのは、同じ原子から出た光の間だけです。しかし同じ原子から出ているのでコヒーレンスは完全です。 この発光を秒のオーダーで観測する(つまり積分する)と、干渉した部分だけが観測されます。 干渉してない部分はブロードで強度の弱いバックグランド信号となるだけです。 ノーベル賞受賞者の朝永先生は、この状況を「光子は自分自身とのみ干渉する」とおっしゃいました。 (もちろん、レーザーは例外です。)
- leo-ultra
- ベストアンサー率45% (230/504)
masabanさんはこのサイトでいろいろ難しい問題提起をされているので、 なかなか答えられませんが、この問題は少し意見が言えそうです。 単色光源:Naランプなど、原子の遷移により発光するものでしょうか? 簡略化して、二準位系で考えると、上の準位にある電子が下の準位へ遷移して そのエネルギー差の光子を放出するプロセスですね。 この時、光の放出はどのくらい続くのでしょうか? 一瞬でしょうか? いいえ、デルタ関数的パルスはスペクトルにすると 多様な波長を含んでしまいます。 単色光という以上、波束は十分な時間、放射続けられるわけです。 たぶんマイクロ秒とかミリ秒の間はコヒーレンスが保たれます。 質問1の答えは、マイクロ秒とかのスケールで見れば、位相の確定した波です。 マイクロ秒よりもっと短い時間スケールで干渉は起こってしまいます。 この点に関して,masabunさんの矛盾提起は正しくないと思います。 白色光源:これは白熱電灯のようなブロードな波長をもつ光源のことですね。 これはプランク分布をしたブロードは光で、理論的な意味の「白色」つまり、 すべての振動数をもつ光ではないですよね。 高温発光体でもミクロには電子遷移によっているでしょうから、マイクロ秒のつながり(コヒーレンス)を 光の集まりです。発光波長はいろいろあって、それがプランク分布に従っている。 だから白色光源もある程度のコヒーレンスを備えています。 確か、大学の講義かなにかで、太陽からの光でさえも、マイクロ秒のコヒーレンスはあると聞きました。 質問2と3の答えは、レーザーでない自然光でもマイクロ秒程度はコヒーレンスがあるとすれば、 従来の物理学の範疇で説明できるということです。
お礼
ご回答ありがとうございます. 設問を正確にご理解いただいてうれしいです. >自然光でもマイクロ秒程度はコヒーレンス すると次の理由でご回答者のご意見はわたしの設問と同じ立場に立つしかなくなります. その通り、データや文献で確かめてはいませんがその位の時間を思い浮かべます. たとえばマイクロ秒10^-6より小さく10^-18くらいの間で継続期間はきっと短く期間の幅は不定でしょう. それに比べてどのような観察方法をとったとしても、観察期間ははるかに長い時間です. シャッター速度、スクリーンの露光期間がその光波のコヒーレント期間よりも長いので、観察期間が長いのです. たとえば1眼レフフィルムカメラは最速シャッター速度1万分の1秒ですから100マイクロ秒です. 電子カメラで10万分の1秒としても10マイクロ秒の、コヒーレンスが何度も破れた長期間の観察です. するとコヒーレントがあったとしても別な集団が複数観察された状態になるのです. これは観察の時間単位を短くするとコヒーレントですが、長時間になる観察ではランダムな位相をもった光源を観察したことになってしまいます. たとえば1万分の1秒のシャッターで1マイクロ秒のコヒーレント期間の光源を観察すれば、100回も位相のサイコロを振ったランダム位相を観察したことになります. 100個の位相の別な光波を重ねたので100個のランダムな位相が重なったのです. 分散や平均偏差は小さいとしてもランダムであることは同一です. そして分散や平均偏差の小さい保証は全くありません. このときスクリーンではピーク信号または平均信号を明暗縞に観察しているはずです. 位相が異なったそれぞれのコヒーレントから明暗縞の位置はそれぞれのコヒーレント単位でスクリーン上の配列位置が異なります. すると信号ピークがスクリーンにとどまり記録されるならスクリーン面でどの位置も最大照度から明が一様にスクリーン全面に並ぶでしょう. 暗線は生まれません. ピーク信号の代わりに平均や音声復調器の積分器で信号を処理した時にもスクリーン面に記録された時も、一様の明るい面がスクリーン面の前面に拡がります. このスクリーンにも暗線は生まれません. 要するに単色光からスクリーンに縞模様の明暗分布が生じたら、2重スリットでも、回折でも、単孔でもそのスリットや孔の作用によって、明暗縞をつぶし平均化させるはずの光波のランダム性が失われています. 位相が特定の位相に揃ってしまっています. ウルトラさんの回答なら結局、孔には波動をコヒーレントにする能力があるのです.
補足
単色光がある程度の期間コヒーレンスがあるとしたら、それより数倍長い期間の観察時間にはいくつかの光波群の集団を観察するので、位相には差があり、幅があるでしょう.すると明暗縞の幅にもその影響かがあるでしょう. 明暗縞の幅は単色光のコヒーレンスの連続時間や、観察期間中の位相のバラつきの平均偏差に影響されるはずです. ところがフラウンホーファー回折という現象では明暗の干渉縞が位相の揃わぬ単色光から生まれるそうですが、明暗縞の幅は単色光のコヒーレンスの連続時間や、観察期間中の位相のバラつきの平均偏差に影響されません. 影響されず無関係という事は、フラウンホーファー回折の単孔に位相を揃える能力がある実証になるはずです.
お礼
レオウルトラ様ご回答ありがとう. 対話を続けていただけてありがたいです. なんと朝永先生も一生の間、一度も気が付かずに正規分布の性質を見落とし続けてきたのです. どこで見落としたか説明しましょう. 明暗縞を観察できるときの干渉は、同一振動数の振動の位相差で決定されます。 レオウルトラ様の仰る通りです. 些細ですがちょっとだけ付け足しておくと、加算という重ね合せ演算は普遍的に演算可能なので、明暗縞の無い干渉もどんな振動数、どんな位相の波動であっても成立します. たとえばサーチライト数台の重ね合せの事例で、結果に明暗縞模様はありません.光の重なり部が一番明るいというだけです. レオウルトラ様>・・この1マイクロ秒の間はコヒーレンスが保たれているので、干渉縞はよく見えます。 仰る通り明確な干渉縞が存在します. ただし写真に残すには100万分の1のシャッターが始まりと同時に開き、終了と同時に閉まるように働かねばなりません. もしくは真の暗闇にそのA粒由来の光波だけが存在する時でないと、ほかの位相の波動まで重なり合って、サーチライトの時のように明暗縞模様は消えうせます. 干渉の観察は人間の目で行うので、通常の試験連続時間は数分以上から、20分ほどの連続が必要です. そういう100万分の1の期間を区切る高速シャッターは通常の観察道具にはありません.その能力はスローカメラ、高速度シャッターカメラの最高機種の性能でやっと到達します. スクリーンの1光子に光化学反応できる化学感光材も性能が足りずそのような乾板は存在しません.人類の目にも見えません. スクリーンの1光子に1光電子の発生に対し高電界内の電子の雪崩現象で多数の電子を比例させ像を結ぶことができる暗視カメラを使うしか観察の方法はありません.単なる雪崩現象を応用の光電増倍管1台では像形状は得られないので、像を得るために暗視カメラを使うのです. 浜松ホトニクスの実験は暗視カメラを使ったのでしょう. レオウルトラ様>次になんの関係もない原子Bが発光・・原子AとBはなんの関係もないので、それらの発光の位相はでたらめの関係・・この発光を秒のオーダーで観測する(つまり積分する)と、干渉した部分だけが観測されます。 レオウルトラ様のとおり波動の重ね合せが起き、明部が残っていきます. レオウルトラ様>干渉してない部分はブロードで強度の弱いバックグランド信号となるだけです。 これもまたレオウルトラ様のおっしゃる通りです. そのスクリーン上の明暗分布は確率用サイコロを使って数値実験によって再現ができます.確率用サイコロはコンピュータのランダム関数に置き換えても可能です. 位相がどれほど離れてばらつくかは標準偏差のありようを出目の範囲を変えたサイコロの種類から選ぶことで可能です.正多面体の何種類からその確率用サイコロ群はできています.1から6でなく、例として3から・・27の正24多面体のサイコロなども可能です. 原子A由来光波+原子B由来光波+・・・・+原子数億番目からの由来光波+・・・ という重ね合せのブロードで強度の弱い信号が見えるでしょう. これもまたレオウルトラ様のおっしゃる通りです. しかしレオウルトラ様に不足部があります. 確率論による定理の反映がその論に不足して、ありません. このとき、確率論の数学論理によると、いかなる分布曲線を持った波動の重ね合せから生まれ出る分布曲線も、必ず中心極限定理により正規分布曲線となるという性質により、 スクリーンの面上には中心部の明るい、縦横2次元ににそれぞれ明暗信号の正規分布が見えるはずです. これは分布曲線がたとえスクリーン1点の像としてもその累積度数の分布は正規分布の結果になるという確率の性質です. 「なんの関係もないそれらの発光」ランダムな確率を意味します.統計にあらわれる期待値には正規分布という性質がありますが、どうやら物理学者全員が百年以上の期間も正規分布の性質を見落とし続けてきたと分かります. 標準偏差の大小が、180度を許したほど広ければ、当然のこと正規分布がわずかな光子数の集団に見え、0.001度しか許さないとしてもその時にも光子数の大きな大集団や、光子の発生の繰り返し度数が大きければ、やはり正規分布しか出ません. 正規分布になる一歩手前では明暗縞模様の幅の割合が異なる事態が生じます. 前の回答での補足に私が付け足した明暗縞模様の幅の割合が異なる問題があるのです. ところがフラウンホーファー回折の説明にされたフーリエ変換の数式をみると、明暗縞模様の幅の割合が異なる要素を関数や係数に表されていません. そんな性質が存在しないから観察されないのでしょう. レオウルトラ様>ノーベル賞受賞者の朝永先生は、この状況を「光子は自分自身とのみ干渉する」 ならば、なんとあの朝永先生も一生の間、一度も気が付かずに正規分布の性質を見落とし続けてきたのです.