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不正競争防止法(混同防止表示請求権)について
甲の<著名>な商品表示Aに対し、乙が同一又は類似の商品表示Bを、Aが著名になる前から不正目的でなく使用していた場合は、甲は乙に混同防止表示請求はできないが、 甲の<需要者ので広く認識されている>商品表示Aに対し、乙が同一又は類似の商品表示Bを、Aが需要者ので広く認識される前から不正目的でなく使用していた場合は、甲は乙に混同防止表示請求はできる と、不正競争防止法19条の条文より読み取ることができますが、この<著名>と<需要者ので広く認識されている>との違いはどのように理解すればよいのでしょうか?
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「著名」というのは、全国民的に知られていることです。 「需要者の間に広く認識される」というのは、その商品や役務の需要者に広く知られていることです。たとえば、建設機械の商品名であれば、建設業界の人の間に広く知られていれば、「需要者の間に広く認識され」ているということになります。 もっとも、混同防止表示請求については、商品等表示の知名度の範囲は、本質的な問題ではありません。 第19条第1項第3項と第4号が、それぞれ、第2条第1項第1号と第2号という別の不正競争の形態の例外であることを理解する必要があります。 第2条1項1号と2号を比べると、1号には「他人の商品又は営業と混同を生じさせる」という要件がありますが、2号にはありません。 簡単にまとめれば、次のようになるでしょう。 著名な商品等表示でも、(著名には至らず)需要者の間に広く認識されるに過ぎない商品等表示でも、混同がある場合には、第2条1項1号により不正競争となる。しかし、先使用である場合は、第19条第1項第3項により不正競争とはみなさない。ただし、混同があるので、混同防止表示を請求できる。 著名な商品等表示では、混同がなくても、第2条第1項第2号により不正競争となる(混同がある場合は第1号の問題として処理)。しかし、先使用である場合は、第19条第1項第4項により不正競争とはみなさない。混同はないので、混同防止表示を請求させる必要は無い。 (著名には至らず)需要者の間に広く認識されるに過ぎない商品等表示は、混同がなければ、そもそも不正競争にならない。