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電気主任技術者三種 理論
2月に理論の勉強の1回目を終えて、解らないところの復習をやっています。 ところが、独力ではどうしても理解できなく、また周りの合格者もなぜか理解していない問題があるのでここで質問させてください。 電圧V=3+j4 電流I=4+j3 この時の回路の力率は? という問題なのですが、なぜ、電流の共役複素数(I=4-j3)と電圧を乗した値が皮相電力になるのでしょうか? この分野の説明が載っている書籍の紹介でも十分ですので宜しくお願いします。
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力率の定義は、電圧からみた電流の遅れ角度を言います。 電圧、電流ともに複素数のベクトルです。 ベクトルの間の角度を求めるには、複素数ベクトル同士の割り算を行います。割り算をした結果(複素数)の虚部と実部の間の角度がベクトル同士の作る角度になります。 そこで、電圧÷電流を行い、虚部と実部の間の角度を求めます。 方法1 電圧を(A+jB) 電流を(C + jD)とします。 電圧÷電流 =(A+jB)÷(C + jD) =((A+jB)×(C -jD))÷((C + jD)×(C -jD)) =((AC+BD)+j(BC-AD))÷(C^2+D^2)) = R+jX とおきます。 分子と分母に共役複素数を掛けたのは分母を実数にするためです。 実部Rは (AC+BD)÷(C^2+D^2) 虚部Xは (BC-AD)÷(C^2+D^2) 実部と虚部の間の角度が力率です。角度はArc Tan(虚部÷実部)で求めます。(tan-1とも書く) tan-1(虚部/実部) =tan-1(X/R) = tan-1((BC-AD)/ (AC+BD)) 実部=AC+BD = 3x4+3x4=24 虚部=BC-AD = 4x4 - 3x3=7 なので、虚部÷実部 = 7÷24 Arc tan (7/24)とは tan X= 7/24 となる角度Xを求めることです。だからX=16.26度 この例では電圧に対して電流が16度遅れていることになります。 方法2 極座標形式にします。電圧ベクトルは一辺が3,4の直角三角形なので斜めは5ですね(ピタゴラスの定理)だからベクトルの大きさは5。 (A+jB)= K (exp jθ)=5exp(j53度) (C + jD)= G(exp jδ)=5exp(j36度) とすると、力率はθ-δ =16度 になります。 ここで53度は tan-1(3/4)で求めました。 36度は、電流ベクトルを作る三角形も辺の長さが3,4,5の直角三角形なので、最初に求めた三角形と同じですから、53度を使って90度-53度で求まります。 どちらの場合も必ずベクトル図(直角三角形)を書いてみて、計算結果で求まった角度がおかしくないかチェックする習慣をつけましょう。 一般には電圧を基準として0度と考えるので 力率は-δとなります。 マイナス方向を遅れとして定義しているので、「力率は遅れδ度」といいます。 電験3種の理論の教科書にはあるはずです。自習するなら最低でも1冊300ページくらいの参考書で4分冊になっているものを使うことをおススメします。 (オーム社の「完全マスター」(理論)」などです。 これでも理解がむずかしいなら「電気数学」という参考書があります。回路理論だけの演習書もあります(共立出版「回路理論演習上・下」)大学・高専生ならこれで勉強してください。 三平方の定理、三角関数、複素数、複素数と角度の関係、複素数ベクトルの順で復習をしてみてください。 電気の回路理論自体はオームの法則です。直流なら、電圧=電流×抵抗ですが、交流になると電流、電圧、抵抗(インピーダンス)自体が複素数として取り扱います。 回路の計算は複素数や極座標の計算をたくさんこなして慣れれてくると楽しくなりますよ。
お礼
お礼が遅くなり大変申し訳ありません。 ありがとうございます。非常にわかりやすい説明で、私の学習が大いに前進しました。