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特別区・行政区を列挙する際の並べ方
こんにちは。お世話になります。 東京都の特別区(23区)を列挙する際には、 千代田区・中央区・港区・新宿区……という順番に記載する習慣(?)があるみたいです。(皇居を中心に、内側から時計回りに位置する順番だそうです。) そこで質問です。 (1)上記の「23区を内側から時計回り」に記載する方法の呼称はなんでしょうか? (2)今日、この(1)の合理性や利便性はありますか? (3)全国の政令指定都市には行政区がありますが、それぞれ記載順番が決まっていますか? 「○○市では~という順番で行政区を列挙している」といった情報を教えてもらえませんでしょうか。 (1)~(3)全部でなくても、どれかひとつでもよいのでぜひお教えください。よろしくお願いします。
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(1)特別な呼称はないと思います。 話の順序が歴史的流れとは逆になりますが、現行23区名の配列は、総務省所管(旧自治省)の「地方公共団体コード」の番号順になっています。 このコードは、「都道府県コード(2桁)+市区町村コード(3桁)+チェックディジット(1桁)」の計6桁で全自治体に付与されたものです。 参照:地方自治情報センター「地方公共団体コード住所一覧」 →http://www.lasdec.nippon-net.ne.jp/frame.html?url=com/addr/jyu_top.htm ちなみに、これはJIS規格(経産省所管)の都道府県コード2桁、市区町村コード3桁とも共通です。(JISのほうは都道府県と市区町村が別の規格で、チェックディジットはありません) このコード番号の根拠は、制定当時の自治体に基づいています。 都道府県コードは地方ブロックごとに北から南、東から西の方向。ブロック内も同様です。これは現状では特に異論は無いでしょう。 市区町村コードは、東京特別区や政令指定市が100番台、市部が200番台。郡部は300番台以降。 で、ここから先が問題。 東京特別区のコードは、皇居のある千代田区の「101」から江戸川区の「123」まで、内側から右回りに振られていますが、これはNo.1さんの回答にある通り、コード番号の制定以前からの慣習です。 さらに遡れば、戦前の大東京35区時代、明治11年からの15区時代も「内側から右回り」に並べるのが慣例だったようです。 それ以前、明治4年から11年までの「大区小区制」の時代も、皇居を基点として右回りに、旧朱引内が「第一大区~第六大区」、朱引外が「第七大区~第十一大区」という通し番号の大区名が付与されていました。 さらにその前、明治2年に名主制度を廃止して旧朱引内928町を50区域に分割し、「第一番~第五十番」とする「番組制」を導入しています。このときも、旧江戸城を中心として右回りに番号が振られています。 これが、現在の23区の配列順の起源と言えるでしょう。 ======================== (2)合理性について。 同格の自治体を何らかの順序で配列する際、行政や経済の中心を最初にあげるのは妥当といえるでしょう。 その先は地理的な配置に基づいて、中心から外側に向かって並べるのが合理的といえます。 江戸・東京の市街地は、江戸城・皇居を中心に同心円状に広がってきた経緯からも、内側から順番に渦巻き式に並べるのは合理性があります。右回りか左回りかは決めの問題ともいえますが、右回りのほうが感覚的に受け容れ易いことは想像できます。 同心円状・放射状に並べる根拠がとくにない場合は、東から西へ、北から南へと並べるケースが多いようです。 最初にあげた市区町村コードの並び順も、都道府県内で、概ね「中心大都市部→周辺町村部」「東→西・北→南」の原則にほぼ則っているようです。(すべてを検証したわけではないので断言はできませんが) 脱線しますが、住居表示の丁目-街区番号-住居番号についても、同様のことが言えます。 すなわち、丁目は多くの場合、市街区域の中心に近いほうが1丁目。 街区番号も、中心部に近いほうを1番とするのが多数派。2番以降は、文章のように末端まで行ったら先頭に戻ってくる平行式、末端で折り返して逆方向に戻ってくる牛耕式、右へ左へ折り返しながら進む千鳥式など、地形その他の事情に応じていろいろです。 地域によっては、通り(道路)をはさんで右が偶数・左が奇数といった、欧米の街区番号方式(ストリート方式)を採っているケースも、極くまれに存在します。 街区内の住居番号は、たいていどこでも右回りのようです。法令で規定されているわけではないので、例外はあるかもしれません。 なお、市区町村コードについては、自治体の配置分合で欠番や並びの不整合が出ます。 市町村合併で廃止された自治体は欠番、新設された自治体は末尾に追加する方式なので、そのコード順に並べたときは前述の原則が当てはまらなくなります。 ======================== (3)政令指定都市の行政区について 基本的には、行政区ごとの地方公共団体コード(市区町村コード)の順に並べるケースが多いようです。 すなわち、「中心部→周辺部」「東→西・北→南」という一般原則です。 ただし、(2)でも挙げたように、行政区の配置分合によってコード番号の不整合が起きたところでは、コード番号に関係なく、「中心部→周辺部」「東→西・北→南」といった当初の原則を維持して実用性と分かり易さを確保しているようです。 たとえば、区の数が少なくて分かりやすい川崎市の例。 ・市区町村コード順 131 川崎区(行政の中心部) 132 幸区 133 中原区 134 高津区 135 多摩区 136 宮前区(高津区から分区新設) 137 麻生区(多摩区から分区新設) ・川崎市の公開情報などの配置順 (1) 川崎区(東南端、行政の中心部) (2) 幸区 (東南部) (3) 中原区(中部) (4) 高津区(中部)──┬─旧高津区 (5) 宮前区(中部)──┘ (6) 多摩区(北西部)─┬─旧多摩区 (7) 麻生区(北西端)─┘ 横浜市の場合、何段階か分区を重ねて現在の18区になった経緯があり、コードの並び順は面倒なことになっています(歯抜けはなし)。 横浜市HPの統計情報にある行政区別の一覧表の順序を見ると、地方公共団体コードの順番との食い違いがよくわかります。 過去に分区のあったほとんどの都市について、同様のことが起きています。総務省の全国統計などは当然ながら地方公共団体コード順を貫いていますが、平成の大合併で並びが相当ズタズタになってしまいました。過去の情報の継承性・継続性を考えると、いまさら番号を振りなおすことは困難でしょう。
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- nidonen
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(1) とくに呼称はないんじゃないでしょうか。明治11年の 旧 15 区時代からすでに、「 麹町、神田、日本橋、京橋 ~ 」 という時計回りの順番は採用されていました。 この方式は、おそらくパリにならったものと思われます。 パリでは 1860 年に現在の 20 区制が施行され、渦巻状の 順番になっています。だから、あえて言えば「 パリ方式 」 なのかもしれませんが、そういう呼称はないようですね。 なお、現在でも番地をつけるとき、同様の方法を採用する ことが多いです。役所に近いほうを 1 番地とし、そこから 時計回りに番地を振っていくという法則性です。 (2)継続することが、最大の利便性でしょう。たとえれば 人間工学的になんら意味のない QWERTY 配列のキーボードが 世界中で使われているように、一度みんなが慣れてしまえば 変える必然性がないからではないでしょうか。 (3)地方公共団体コードで定められています。行政区に限らず、 すべての地方自治体には一応、記載の順番が決められています。 もっとも、同コードに従う義務はありませんので、一覧表示する 目的によっては、人口順や北から順などが使われることもあります。
お礼
ご回答ありがとうございました。 なるほど、パリも渦巻状の順番になっているんですね! > 継続することが、最大の利便性でしょう。 そうですね、私の住む区はいつも“パリ方式”で最初のほうに書いてあるので、たまにアイウエオ順に並べられていたりすると記載箇所が見つけられずに戸惑います。 それと、地方公共団体のコードというのが存在するんですね! たいへん勉強になりました。ありがとうございました。
お礼
ご回答ありがとうございました。 (パソコンのキーボードの具合が悪くなり、お返事するのが遅れてしまいました。申し訳ありません。) とても詳しく記載してくださったので、とても勉強になりました。地方公共団体コードの数字と数字の間が随分と空いているのが不思議だったのですが、下1桁はチェックデジットだったのですね。(もしや廃止された麹町区などにもコードが振ってあったのだろうかなどと思っていました。) なんとなく聞いたことのある「大区小区制」、初耳の「番組制」など、とても知識が増えました。23区の記載順のルーツを窺い知ることができたように思います。 > 「中心部→周辺部」「東→西・北→南」という一般原則 確かにazuki24さんの分析通りですね。そして、これが住居表示でも同じ考え方が採用されているのだというのはビックリです。住宅地図などでも確認してみます。 本当にありがとうございました。お世話になりました。
補足
(皆様へ 締め切りが遅くなってしまい、たいへん申し訳ありませんでした。 06-03-15 02:30)