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Garamond とCaslon が酷似している理由
フランス生まれのGaramondとイギリス生まれのCaslonが酷似しているのには理由があるのでしょうか? Garamondは16世紀のフランスで生まれ、Caslonは18世紀のイギリスで生まれたという話を聞いたことがありますが、CaslonのベースにGaramondがあったということなのでしょうか? また、英文の文献で平気でGaramondが使用されているのは、イギリス人もGaramondとCaslonをあまり区別していないと言うことなのでしょうか? DTP関係者などで、お詳しい方がいたら教えてください。
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似てますか? 『ローマン体』という程度でしか共通点はないですよ。リュウミンとヒラギノ明朝も一見して「明朝」というくくりで似てはいますが、同じ文字を打って拡大してよく見比べてみて下さい。随分違うのが判るかと思います。 現在のデジタル書体に“Garamond”や“Caslon”と名前が付いてるものはありますが、当時のものの完全な“写し”ではありません。それぞれ昔のものを「ある程度参考にした」という程度のものです。開発に携わった方独自の解釈が加わっており、ほとんど完全なオリジナルと言っていいでしょう。その証拠に、同じ“Garamond”でもMonotypeとStempel、Adobeのものでは全然形が違います。 また欧米では、その書体(または作者)の生まれた言語圏や文化圏、時代によっていちいち書体を使い分けると言うことはありません。あくまでも「見た目の雰囲気」が重視され、使おうとする文章やデザインに合うかどうかで判断します。日本では「イタリア語はBodoniでは組め」とかいう半可通が多いですが、まったくバカな話です。サイズが小さい場合、あんな細いセリフの書体では読みにくくてしょうがないでしょう(セリフのやや太い、本文向きのBodoniもありはします)。あくまでも用途によりますよということです。優雅な雰囲気を出したければ、英文でもAdobe Garamondは最適でしょう。 この辺りの詳しいことは、小林章著「欧文書体―その背景と使い方」をご覧下さい。
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- stereoman
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GaramondとCaslonは出どころも、作った人も、違います。なので似ていないはずなのですが。と思ったらGaramondは米国アドビ社のデザインチームが16世紀のClaude Garamondの活字をもとにデザインしたもので、Caslonは英国のWilliam Caslonが18世紀前半に制作したものを米国のアドビ社のデザインチームが本文用書体にデザインしたもの。だそうです、どちらもアドビが整えていたんですね。文字の美しさ、見やすさはあるていど決まりがあります、なので美しさ見やすさを高めていった結果似てきてしまうということもあるのではないでしょうか?でも私は似てないと思いますが‥
文字の歴史的背景についての疑問でしょうか? だったらDTP関係者に聞いても答えは帰ってこないと思いますが。 それは学者の領域です(笑)。 で、単に字面が似ているのは何故か?という疑問でしたら ご質問の2書体に限らず酷似している書体はヤマほどあります。 Garamondに対してCaslon以上にGoudyのほうが似ています。 Futuraに対してもFurneriusなんてそっくりの書体もありますし。 HelvetivaとSwiss721なんかもそっくりです。 その理由として想像できるのは もともと欧文書体は大文字、小文字、記号、約物を入れても1セット100字以内ですから 権利に縛られるよりも新たに作成したほうがいい、という思いからではないでしょうか。 その際に“元の文字をちょっと変える”くらいは誰でも考える事です。 実際に似ている書体でもセリフ部分の処理が違うだけとか ハネ部分が尖っているか角になっているか、程度の違いしかありません。 しかもご丁寧に、元書体と似たような名称のものも多く(理由は不明) ちょっと検索すれば殆ど同じ書体がフリーでいくらでも出回っています。 区別に関して言えば、日本国内でも 台湾生まれのDF明朝と和製のモリサワや写研明朝を区別して使い分けている人はごく僅かです。 文字を組んだ際に見栄えが良ければ生い立ちは何でもいいんじゃないでしょうか。 ただ、中には「区別しない」んじゃなくて「区別できない」人もいて そんな人が増えてきているのは個人的には危惧する問題ですが。