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免疫組織化学法のブロッキング
プロトコールをみると、ウェスタンなどではスキムミルクやBSAなどでブロッキングをしますが、免疫組織化学法では二次抗体を作製した動物の正常血清を用いているものが多いです。免疫組織化学ではなぜこのような血清を用いているのでしょうか。 あと、抗体のデータシートを見ていると、免疫動物と同種の動物に交差性を示しているものがあります。(例えば、免疫動物がマウスで反応性にヒトとマウスが書いてある)この場合、内在性のマウスIgGに対する二次抗体の反応は無視できるのでしょうか。ただ反応性はあるが、ノンスペも無視できないということでしょうか。 よろしくお願いします。
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#1です。 >二次抗体を作製した動物"だとどのような利点があるのか、わからないのです。 二次抗体のバックグラウンドを抑えるためだと思います。 例えば、goatで作製した二次抗体は、免役したイムノグロブリンにしか反応せずに、goat serum中のタンパク質には全く反応しません。これがrabbit serumでもしブロッキングしたら、何かのタンパク質に非特異的に反応するかもしれません。
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- happy-engawa
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#2の回答者です。 私も脳切片の染色をしています。還流固定しない新鮮凍結切片で、Elite ABCキットを使用しています。主にラットの脳切片ですが・・。 ベクターABCのキットに入っているアンチマウスの二次抗体は、あまり良い印象を持っていません。ラットの脳切片でも、(還流固定していないこともあるかもしれませんが)二次抗体だけで、かなりノンスペに染まってしまいます。そのため、私は、二次抗体だけ、DAKO社の抗体(ラットのIgGで吸収をかけてあるアンチマウス二次抗体)を使用しています。ベクターABCキットのアンチマウス二次抗体は、ラットのIgGにも交差するシロモノです。マウス切片では、もっと汚くなると思います。 MOMに関しては、ブロッキング試薬のみの単品もベクター社から出ているので、二次抗体を変えても大丈夫だと思います。 ちなみに、参考まで教えてもらいたいのですが、二次抗体だけでの染色パターンは、顕微鏡で見たときに、太目で短めの糸が絡み合ったようなパターンでしょうか?私がやったときには、そのようなパターンでした。あれは血管なんだろうか?いつも疑問に思っています。
お礼
私の場合、灌流固定をしているためかそのような染色パターンは見えてきません。どこが染まるなどはなく全体的に染まるため、核に局在しているような蛋白などは、比較することで確認できます。ただマウスIgGのみで反応させた場合に、DABでの褐色反応が他の二次抗体のみの場合と比べて格段に早く、抗体価が低いものや、細胞骨格に発現している蛋白の場合、陽性反応が区別できないことになってしまいます。MOMを使うと少しましになりましたが。 vector社のanti-mouseIgGはあまり良くないのですね。今抗体を買い換える余裕は当研究室にはないですが、次買うときはDAKO社のものを検討してみます。ありがとうございました。
- happy-engawa
- ベストアンサー率48% (24/49)
経験的には、免疫組織化学でも、1% BSA in TPBSなどでも、問題なく染色できましたよ。こっちの方が簡単なので、まず試してみるとよいと思います。 内在性のマウスIgGですが、見たいサンプルに内在性のマウスIgGが少なければ無視できるし、多ければ無視できないと思います。 マウス抗体で、マウスの組織を試すなら、ネガコンで、抗体の代わりに同じタイプで同じ濃度のマウスのIgGなと反応させて、抗体との染まりと比較した法が無難です。 また、還流固定などで、IgGをなるべく除くようにする努力が必要な場合もあります。 それ以外に、抗体反応の前に内在性のIgGをブロックしてから、抗体反応をすることもできます。vector社からmouse on mouseという試薬が市販されています。私のケースでは、改善は見られませんでしたが・・。
お礼
ありがとうございます。免染でもBSAでブロックできる場合があるのですね。 マウスIgGですが私の場合、脳切片を用いているのですが、灌流固定をしてvector社のElite ABCキットを用いて免染したとき、二次抗体のみでかなりの染色が見られてしまいました。以前こちらで別の方に、同様にMOMのブロッキング試薬を教えていただき使用してみたところ、私の環境ではそこそこきれいにブロックしてくれました。 ただ、これが二次抗体にvector社のものではなく、ABC法でもなくFITCなどで蛍光標識した二次抗体にも使用できるものなのかわからないのです。今度試してみようとは考えているのですが、使用してみたことはないでしょうか。
- bzxjpjp
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ウエスタンは変性したタンパク質に対しての抗体反応に対して、免疫組織染色(免染)はnativeなタンパク質に対する抗体反応を用いて検出する方法です。 ウエスタンより免染の方が一次抗体の濃度が濃くなるので、それに伴うバックグラウンドが高くなるのを効果的に防ぐために、正常血清を使うのだと思います。 内在性のIgGに対しての考慮は当然すべきで、マウスの組織をマウスで作製した一次抗体による染色は問題あるといえると思います(二次抗体を使う限り)。 抗体を直接蛍光色素ラベルなどすれば、問題ないと思います。
お礼
ありがとうございます。抗体濃度が高くなる分、ブロッキングにも気を使うということなのですね。ただ、わからないのは、なぜ"二次抗体を作製した動物"の正常血清なのかということなのです。ウェスタンのプロトコル集では、メンブレンに対する抗体の非特異的な反応を防ぐ為とありますが、"二次抗体を作製した動物"だとどのような利点があるのか、わからないのです。
お礼
なるほど。確かにその通りです。自己のものには反応するはずはないですよね。よくわかりました。ありがとうございます!