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ランジャタイについて
正倉院に納められている香木「ランジャタイ」(漢字変換できません・・)についてですが、足利三代将軍、織田信長、明治天皇など時の権力者が切り取って使用し、権勢を誇ったという事を聞いた事があります。 なぜ「ランジャタイ」を使用する事が権力を象徴する事と考えられていたのでしょう。また、豊臣秀吉、徳川歴代将軍などの権力者はなぜそれをしなかったのでしょう。(秀吉の性格ならしてもおかしくないと思うのですが) ご存知の方、教えてください。
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蘭奢待ですよネ。 中に東大寺という文字が隠されている銘ですネ。 これは天皇家に献上され,正倉院宝物として納められた天皇家の宝(現在も宮内庁の宝物であり,国宝ではありません。国宝は文部科学省の管轄ですから)ですネ。 つまり,武家のトップである将軍よりも名目上は地位が高い天皇の宝であった(現在でも)訳です。 さらに,蘭奢待は名香の象徴として考えられていたという背景もあります。 秀吉も切り取っていますし,家康も切り取っていますヨ。 そして,記録に残っているよりもはるかに多い,三十数箇所の切り取った後があるのです。 しかも,面白いことに家康が切り取ったところは蘭奢待の中でも香りの非常に悪い部分なのですネ。 あれほど巨大な沈香(実際には一部分は伽羅であることが分っています)ですから,また,樹脂のない部分を綺麗に加工していませんので,削り取る部分によって香りには大きな違いがあるのです(宮内庁による正倉院宝物研究調査が多くの大学の協力で行なわれています。蘭奢待については○○大学が担当なのですが,そこで多くのデータが取られています)。 過去において,沈香や伽羅といった香木は非常に価値の高いものでした。現在でも品質のよい伽羅であれば1キロあたり一千万円を軽く超えるのですからネ。 戦国大名もそうでしたが,江戸時代になっても,各大名達は名香を求めて争ったのです。 前田家や伊達家が沈香を求めて出島で取り合いをし,まけた方がその場で切腹をしたという話しも残っているくらいですからネ。 なお,現在でも徳川家で蘭奢待の香を聴く会が毎年開かれていますが,あの蘭奢待と正倉院の蘭奢待は全く無関係のものです。 以上kawakawaでした
お礼
回答ありがとうございます。 つまりは日本国最高権威者とされる天皇家の宝を武家が使用する事で、事実上の権力者が誰であるかを示した示威行動なわけですね。 ところで蘭奢待の切取り跡に、足利義満や織田信長といった450年以上前の人物の名札が貼り付けられており、何か歴史のロマンを感じますね。