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遺伝子がカバーする範囲
遺伝子と言われるものの働き(カバーする範囲)についてお教えいただけないでしょうか。 ヒトの遺伝子は約3万個あると聞いたのですが、この3万個の遺伝子の中には「口が1つある」「頭・首・胸・腹の順に並ぶ」「血液がある」などといった基本的な形質の遺伝子も含まれているのでしょうか。それとも、「髪の色が赤い」「骨の太さが太い」「血液型がA型である」などのようないわば細部の形質に関するもののみしか含まれていないのでしょうか。 よろしくお願いします。
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それらすべて遺伝子の働きによるものですが、遺伝子の究極の働きは適材適所で発現して産物であるタンパク質を作るという分子レベルの具体的なことです。 「口が1つある」「頭・首・胸・腹の順に並ぶ」というような、抽象的な情報が個々の遺伝子にあるわけではありません。形質、表現型というのは、遺伝子発現の結果として生物の上に現れるものを、ある手段で観察してそれを言葉で表現したものです。 人が定義した形質と、実際の遺伝子とが一対一で結びつくとは限らないです。口がひとつあるという形質は、それを実現するあるひとつの遺伝子によるということはないです。 実際には、ひとつの遺伝子がいろいろ異なった場面で機能するものだし、一つの形質に多数の遺伝子がかかわっているものだと理解してください。
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- qo__op
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遺伝子の働きについて、No.2さんの説明が大変わかりやすいと思います。 ご質問への回答は、後者と言えます。遺伝子はタンパク質の設計図で、遺伝子が支配しているタンパク質がたくさん集まったものが生物です。 以上で回答は終わりですが、補足をいくつか。 質問者さんは、体質を決める遺伝子について知りたいみたいなので、 例に挙げられた体格や血液型といった「形質」について説明しますね。 形質には、質的形質というものと量的形質というものがあります。 質的形質は、単独の遺伝子が支配しているものを指します。 遺伝子型がA/A & A/aであるのと、遺伝子型がa/aであるのでは形質が異なる、というタイプです。 これには、血液型や血友病などの形質が当てはまります。 量的形質とは、単一の遺伝的支配を受けるのではなく、変異が連続的で明確な類別のできない形質のことです。 家系的に身長が高いとか、顔が似ているというのは 遺伝子によって支配はされているけど、一つの遺伝子ではなくたくさんの遺伝子が働いた結果なのです。 口のでき方。 受精卵が分割していくと、まず球状で中に腔がある状態になります(ボールの皮みたいなもの)。 ある1点から細胞が中に落ち込んでいき、反対側の極に開口します(ドーナツみたいな感じ)。 最初に落ち込んだ所が肛門になり、開口した所が口になります。 だからふつう口は1つです。 もちろんこのような発生も複数の遺伝子が司っています。 また、乳頭の数についてですが、 もともと哺乳類は6対(5対かも)の乳頭を持っています。 種により、どの乳頭が発現してくるか異なっているだけです。 ブタでは胸から腹部にかけて5対、左右で10個の乳頭を有します。 ウシでは腹部に2対、左右4個の乳頭を有しています。 これは、本来その動物で発現してくる場所以外の乳頭は退化してしまうからです。 ヒトでも3個以上の乳頭をもっていることがありますが、退化した乳頭の名残だと思っていただければ良いと思います。
お礼
ご懇切なご説明を頂き有り難うございます。 1つひとつの例でご教示いただくとなるほど!と思います。そうなのか!と思います。うれしい瞬間をたくさんいただきました。 有り難うございました。
- sak_sak
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#1です。 以前にNHKでも放送していましたが「ホメオボックス」や「ホメオティック遺伝子」について検索されると、 疑問は解決するかもしれません(参考URL参照)。 「口を1つ形成する」「頭・首・胸・腹の順に並べる」「血液を作る」ための情報は、 遺伝子(遺伝子群と呼ぶべき?)に含まれていると言って良いと思います。 発生過程で死なないようにするのが難しいと思いますが、 これらを操作すれば口が2つある個体も可能かもしれません。 嘘か本当か少し怪しい気がしますが乳首が3つある人も稀に存在するそうです。 http://tokyo.txt-nifty.com/fukublog/2005/02/dj.html 乳房が3つという写真も見たことはあります。
お礼
「ホメオティック遺伝子」はすごく興味が引かれます。特に http://www.asahi-net.or.jp/~hi2h-ikd/biojikken/homeobox.htm にある「口・顔・頭・首・胸・腹(前部)・腹(後部)・尾の形成に影響するホメオティック遺伝子」はすごいですね。 有り難うございました。
- sak_sak
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「遺伝子と言われるもの」とわざわざ「言われるもの」という言葉を付けているのには何か意味があるのでしょうか。 もしかして地球外生物のような未知の生物についての可能性も言及しなければならないのでしょうか。
補足
たいへん分かりにくい言い方で申し訳ありません。 地球上の生物についてのみ考えています。「と言われるもの」は、私自身の「遺伝子って何だろう、よく分からないな」という気持がこんな形で現れてしまったものです。申し訳ありません。 また、「ヒトの遺伝子は・・・」の部分ではヒトを例にして言っていますが、ヒトがいちばん分かりやすいのでヒトを例にしただけであり、ヒト以外の(地球上の)生物についても考えています。 このような質問をさせていただいたのは、例えばヒトを例にして考えるなら、世界のどこにも目が4つあったり背の高さが5mあったりする人はいません。つまり、そういう意味では世界中の人は同じ形をしています。なぜそうなのかという漠然とした疑問を感じたからでした。また、ヒトの遺伝子は全て合わせても全塩基対のうちの僅か数%にしかならずそれ以外は遺伝子ではないとお聞きし、またその「それ以外部分」はヒトの生存のためには不可欠とお教えいただき、そのように多くの部分を占めかつ生存に不可欠な「それ以外の部分」はあるいは世界中のヒトが同じ形をしていることと何か関係があるのかなと漠然と感じたからでした。 素人の訳の分からないまたたいへん的はずれな質問で申し訳ありません。よろしくお願いします。
お礼
そうなんですね。確かに、そのように考えると全体として統一が取れていると思います。DNAの複写とかを少しだけ勉強し始めたのですが、その仕組みから見ても、確かにご教示のとおりだと思います。 もし私の言うように基本的な形質と細部の形質の2つがあるとしたら何が基本的で何が細部かをまず決めなければならないですから、変な話になりますね。 「形質、表現型というのは、遺伝子発現の結果として生物の上に現れるものを、ある手段で観察してそれを言葉で表現したもの」「一つの形質に多数の遺伝子がかかわっている」とのご指摘には感動しました。多分、一生忘れないと思います。有り難うございました。 でも、やっぱり「なんで、みんな頭・首・胸・腹の順に並んでいるんだろう・・・」と考えてしまいますね! 面白いですね!