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翻訳の批評について

私は大学生なのですが、翻訳についての講義を選択しています。 冬休みに、翻訳を一冊読んで翻訳の批評をしなさいという課題が出ました。 翻訳の批評といっても、1行1行比較して評価する訳にもいかないと思いますし、 かといって、誤訳や不適当な訳を探して重箱の隅をつつくのが批評と言えるのかどうか分かりません。 何を書けばいいのか見当も付かず、困っています。 翻訳の批評というのは、翻訳のどのような点に着目すればよいでしょうか。アドバイスをお願いします。 ちなみに、分量はwordファイルで5枚程度です。 題材は、サリンジャーのナインストーリーズにしようと思います。

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回答No.3

アメリカに37年住んでいる者です。 私なりに書かせてくださいね。 これはかなりの読解力をもっていないと表面だけの批評となりかねないと思います。 日本人一億評論家、などといわれてしまうほど、批判するのは簡単ですね。 つまり、意味のある批評をするには、まず原本を何回も読んで、自分なりに深い理解をする必要があると思います。 日本語に訳しながら理解すると言うことではなく、日本語訳は関係なく、読んで何を感じるかを意識的に考え、何を言われなくても自分ひとりでも辞書の訳ではなく自分の日本語で翻訳できるようにしてから、翻訳されたものを読んでみてください。 そうすると、日本語訳だけでなく、作者が描き出そうとしているフィーリングをちゃんと日本語でも出せているのかどうかが分かるはずです。 日本語の場合は男性・女性、年下・年上、のほかにも「偏見的差別する表現」をうまく使って表現しているだろうか。 つまり、ちょっと乱暴な男だったら、俺、と言う単語使ってイメージを作り出しているのだろうか。 わし、を使って年寄りっぽいところは? あなた、お前、の持つ愛情関係は? 日本にはない状況やものなどをどう表現しているのだろうか、ニュアンスはちゃんと日本語で表現されているだろうか。 あいまいな表現をどのように表現してそのあいまいさを作者どおりに作り上げているだろうか。 誰もが作者になれるわけではありませんね。 有名であれば有名であるほど表現力(きれいな英語を使うと言うことでは決してありません)にすばらしいものがあるわけですね。 翻訳されたものが同じような言葉のパワーを出せているだろうか。 など、一行一行の訳ではなく、何回も読み返し徹底的な理解をしてから日本語訳を読めば自然に上に書いた事柄が感じ取れるはずです。 感じ取れなければ原本を読み返すしかありません。 自分が出来るだけのことをやると言うことは下準備も自分の出来るだけのことをやる、と言うことでもあります。 そして、日本語訳にしないで感じ取るだけのことを何回もやれば、今回の批評がスムーズに出来るだけでなく、英語と言う言葉に対する自分が変わっているのに気がつくと思います。 そして、これをやったと言うことだけで英語理解力は数倍とは言わないですが、2-3倍には膨れ上がっていると思います。 これでいかがでしょうか。 分かりにくい点がありましたら、補足質問してください。 

その他の回答 (3)

noname#20688
noname#20688
回答No.4

これはまた厄介な課題を出されましたね。 翻訳というのは普通、原文で読めない人が読みますよね。そういう人たちにとって訳者とはあくまで影武者で影の薄い存在です。ですから、翻訳だけを読んでいると 原作の味わいも100%読者に伝わるわけではないし、訳者の工夫や創意も感じることは出来ません。 でも、原文を読んでから翻訳を読んでみてください。 今までは 翻訳から作者のイメージを抱いていませんdでしたか?でも、原文を読むことで作者のイメージも少し変わってくると同時に、今までは影武者に過ぎなかった訳者の個性や息遣いが感じられるでしょう。更には訳者の人間像まで垣間見るような気がします。 そうです。今までは作品そのものを味わってきましたが、今度は「訳」を味わって、その上で批評を書けばいいのです。ある意味、読書感想文の延長・応用なのです。 これはフランス文学になりますが、要領は同じだと思います。「星の王子様」はご存知ですよね。 読書感想文だって小学生にとっては普通の作文より難しく感じますものね。これは 何を書いたらいいか、どのように書いたらいいのか 要領を掴んでいないからです。小学生の読書感想文ならこういう感じでしょう。 ”私はこの物語が面白かったです。王子様が色んな星を探検したんですが、それぞれの星に色んなおかしな人が住んでいました。中でも一番面白かったのは 点灯夫の星です。なぜかというと........” 翻訳批判文ならこういう感じでしょう。 ”私はこの作品は小学生の頃、翻訳で読みましたが とても感銘深い作品でした。でも 大学に入ってから原文で読んだんですが、簡潔なフランス語でしかも文章が洗練されているのを感じました。そして、改めて 邦訳を手に取りましたが、内藤氏による翻訳は原文に勝るとも劣らぬ出来栄えだとも思います。しかし、私が感じたのは作者のサンテクジュペリのイメージが大きく変わってしまうことです。サンテクジュペリはパイロットでもあり、この作品の他にも「夜間飛行」や「南方郵便」を書いていますが、「南方郵便」や「夜間飛行」の訳に比べると(こちらは訳者も違いますが)もともと「星の王子様」だけは少し趣向が違うものの、それぞれの訳を読む限りにおいては作者が同じだとは思えないくらいに違う印象を受けます。私が特に感じたのは 内藤氏がこの作品を少しお伽話的にしすぎたことです。先ず、タイトルからして、直訳すれば「小さな王子様」なんですが、ここは内藤氏のウィットを感じます。それから planeteの訳が「惑星」ではなく、「星」になっていることです。また eruptionが「噴火」でなく「爆発」になっています。恐らく 内藤氏は出来る限り専門用語を避けようと思ったんでしょう、しかし...” こんな感じで書き始めます。

noname#118466
noname#118466
回答No.2

まだ課題に着手さえしていない時点で質問はよくありませんね。まず原本と訳本にさっと目を通して批評の対象とする文章の範囲を決めるべきでしょう。(本当は読破して比較すべきでしょうが)次に何を批判するのか決めるべきです。誤訳、不適格な訳をチェックしそれが全体に与える影響を考察すれば重箱の隅をつついたことにはなりません。 小説の翻訳にはいくつかの方法があると思うので、自分なりの基準点をもって、訳者の思いとそれが成功しているか違和感や誤解を与えていないかを分析するのもひとつの方法でしょう。 翻訳には語学力と日本語力、想像力、歴史、文化(特に生活文化)など総合力が必要です。時代小説なら身分、年齢による言葉の使い分けも大切になってきます。従って翻訳の批評は大きな挑戦になります。自分に出来ることをするしかないと思います。

  • ismael
  • ベストアンサー率33% (228/687)
回答No.1

なかなか厄介ですね。 でも王道は、原文を読み、訳文と比較するしかないのでは? 技術文書は、正確に訳されているかどうかが基準になりますが文学作品は、正確な訳って分かりにくいですよね。結局作者が言いたいことを日本語でちゃんと伝えているかどうかが判断の基準でしょうか。学校英語みたいに単なる単語の意味の置き換えでは良い翻訳にはなりません。 ナインストーリーズの翻訳が数種あるのならそれらを比較するのも面白いかも。あるいはライ麦畑の新旧訳の比較とか。 村上春樹と柴田元幸の対談本『翻訳夜話』『翻訳夜話2』文春新書も参考にしてはどうでしょう。

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