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TLCの展開溶媒の分離
TLCの展開溶媒について質問なのですが、 色々な有機溶媒を混ぜて展開溶媒として使っています。 静置しておくと溶媒が分離している事に気が付いたのですが、 このまま使っても展開溶媒として問題はないのでしょうか?
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やはり、均一溶媒でないと問題があります。 「TLC板・右側=溶媒A、同・左側=溶媒B」という極端な例で説明しますが、 この場合、右側と左側では同物質であってもRf値が異なってしまうことになり、 試料を別々にプロットした場合のRf値の比較ができなくなります。 実際の系ではまだらになるのが自然かと思いますが(→徐々に液滴が析出するはず)、 この液滴が均一に出るという保障はありませんから、この場合も同様に、 Rf値の比較ができなくなります。 また、仮に、はじめから2相に分離した状態でTLCをかけた場合ですが、 このときは上層の溶媒がTLCに展開され、下層の溶媒が展開されることはありません。 (注意:直上でいう「上層の溶媒」「下層の溶媒」というのは、 それぞれ2種類の溶媒の混合物で、その混合比が異なる、という場合を含みます。 つまり、「上層=水20%・アルコール80%」「下層=水70%・アルコール30%」で 分離していた場合、TLCに展開されるのは「水20%・アルコール80%」のもの、 という意味です) どうしてもその展開溶媒でないとまずい、という事情があるようでしたら、恒温槽に入れるなどして、 展開時の温度を変えて分離しない条件を探してみてはいかがでしょうか。 (但し、お勧めはあくまで、「別の展開溶媒への切り替え」です)
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普通は、均一に混ざるものを展開溶媒としますよね。 均一に混ざらないものを展開溶媒に使うのは再現性などの面で難点があると思いますし、普通はそのようなことを行わないと思います。 しかし、・・・こんなことを書くと笑われるかもしれませんが、試料によっては、画期的な手法として、意外に有効かも知れないという気も少ししています。 プレートの上部は移動速度の速い展開溶媒のみによって展開され、下部はそれに加えて遅い展開溶媒でも展開されるということで、後者の極性が大きければ、本来2回に分けて行っていた展開が1回で済んでしまうとか・・・ でもやっぱり、デメリットの方が大きいでしょうね。
お礼
実際にTLCを行っている人に質問してみたのですが、 展開溶媒が分離していると、 やはり再現性に問題があるようです。 デメリットが大きいみたいですね。 有り難う御座いました。
お礼
上層の溶媒のみで展開されるとは知りませんでした。 勉強になります。 やはり展開溶媒が分離していると再現性に問題があるようです。 某国立大学の先生に実験系を確立して頂いたのですが、 気-液飽和状態を作るために静置していた所、 展開溶媒が分離するのをみて疑問に感じていました。 再検討してみたいと思います。 有り難う御座いました。