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同位体について
最近、大学の生物の授業で、同位体について学びました。おもに授業は同位体の反応速度の違いなどについての同位体平衡と同位体分別とかいったようなものでした。 植物では蒸散する際に同位体分別が生じているとかもいっていましたが、具体的にはどんなことがおこっているんでしょうか?重たい重水素がどんどん植物の体内に残るのでしょうか? ということは日々呼吸している私達も多少なりに、重水素率が上がることもあるのでしょうか?
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生体内のプロトンポンプでは、実質H^+の形で反応に関与するので、重水素の質量効果は絶大です。 (もし重水HDOを誤飲した場合には、死ぬ危険性があるぐらいに) つまり、H^+がリン脂質膜を通る場合は、オキソニウムイオン等の形ではなく、そこにある分子とのプロトン授与の形で系外に伝達されるため、質量数の差がもろに効いてくるわけです。 この結果、生体内での移動速度は重水素の方が圧倒的に遅くなる為、生体内に取り込まれた重水素は滞留時間が長く、従って外界に比べると濃縮されることになります。
化学反応の機構を詳細に調べるために、同位体を使うことがあります。 すなわち、原子の質量数の違いによるわずかな反応速度の差(同位体効果)を検出して議論を行うというものです。 しかし、実際問題として、水素と重水素ではある程度の差が見られる場合があるものの、それ以外での違いは極めてわずかで、検出するのが困難であるのが普通だったと記憶しています。 それに対して、水(H2O)と、水素の一方が重水素Dで置き換わったHDOに関しては、わずかながら沸点に差があり、たとえば、普通に蒸留しただけでも重水素の割合がわずかに変化すると聞いたことがあります。 そういうことを考えれば、植物や動物が水分を体外に蒸散させるときに、重水素が体内に残りやすいと言えるかもしれません。 たとえば、海は常に水分を蒸発させ続けており、結果的に、雨水などと比較して重水素の濃度が高くなっています。 熱帯の海では蒸散が激しいため、特に重水素比が高くなっています。 しかし、それでも他の地域に比べて極端に高いというわけではありませんので、生物の体内の水の場合も、外部よりもわずかに重水素比が高いという程度に落ち着くのではないでしょうか。 ・・・汗かきの人ほど重水素比が高いかも???