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単糖の過ヨウ素酸酸化について
過ヨウ素酸酸化ではOH基を持つ隣あった炭素間結合が切断される、という知識はあるのですが単糖の問題に直面したときにわからなくなってしまい質問させて頂きました。 質問は、単糖をFischerの投影式で示したときのOH基を持つ炭素とCHO基を持つ炭素(一位と二位の)間の結合は切断されるのでしょうか?というものです。 もし具体的な例を使った方が説明しやすい場合はD-mannose、methyl β-D-mannopyranoside、D-glucoseのどれかを使って説明して頂けると幸いです。
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過ヨウ素酸は「α-グリコール」だけではなく,「α-アミノアルコール」,「α-オキシアルデヒド」,「α-オキシケトン」等の C-C 結合も酸化開裂します。 これは下記の様な環状中間体が生じる事で,「α-グリコール」と同様の反応が進行するためです。R' がアルキル基で X=O の場合が「α-グリコール」です。同様に,「α-アミノアルコール」は R' がアルキル基で X=NH の場合,「α-オキシアルデヒド」は R'=H, X=O の場合,「α-オキシケトン」は R がアルキル基で X=O の場合です。 R-CH(XH)-CO-R' + HIO4 ↓ RーCHーーCHーR’ | | X O \ / O=I=O | OH ↓ R-CH=X + OHC-R' したがって,お書きのものでは,環状構造で C-1, C-2 に「α-グリコール」(開環構造で C-1, C-2 が「α-オキシアルデヒド」)になる D-mannose と D-glucose は酸化され,C-1 はギ酸になり,C-2 はアルデヒドになります。 以下同様に酸化されるため,トータルとしては,5当量の過ヨウ素酸と反応してギ酸5当量とホルムアルデヒド1当量を生じます。 一方,methyl β-D-mannopyranoside は環状構造しかとらず,C-1 が OH ではなく OCH3 のため C-1, C-2 間は酸化開裂されません。
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- el9
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結論からいいますと、一位と二位の間の結合も切断されます。例に挙げられたD-glucoseやD-mannoseは5当量の過ヨウ素酸と反応して5当量のギ酸と1当量のホルムアルデヒドになります。つまり、炭素鎖は1炭素化合物にまで完全に分解されるわけです。 質問者の方は多分Fischer投影式で糖(D-mannose,D-glucoseなど)描いた場合、一位と二位が隣接するジオールの関係になっていないため、そこの炭素鎖が切れるのかどうか疑問に思っていらっしゃるのですよね? しかし、ご承知のとおり一般的な糖はアルデヒドと環状ヘミアセタールの平衡混合物として存在しています。そして多くの場合その平衡は環状ヘミアセタールの方に大きく傾いています。 Fischer投影式はアルデヒドの状態を示しているため、一見一位と二位の間は切断されないように思われるかもしれませんが、環状ヘミアセタール構造を書いてみていただければ、一位と二位も隣接するジオールの関係になっている事がわかり、そこの炭素鎖も切断される事が理解できるかと思います。
お礼
私の疑問だったところはまさにel9さんが指摘してくれたところです。 回答ありがとうございました。
お礼
回答ありがとうございました。 化学式はPCで書き表すのは大変であろうにもかかわらず、化学式を使った非常に見やすい回答でした。 また質問したこと以上の情報まで教えていただき、感謝してます。