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DNAについて
少し専門的な話になるので難しい質問で申し訳ないのですが DNAについてその配列に関する疑問です。 同じ生体反応を触媒する酵母のたんぱく質を人のたんぱく質のアミノ酸配列は80%一致する事が見い出されていますが しかしながら対応するDNA配列は65%一致するのみですよね?このように一致の程度が異なるのは何故なのでしょうか。 何故一致の程度が異なるのか、その理由がわかりません。どなたかご存知の方 教えていただけましたら光栄です。
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では、「トランプのカード(プラスチック製)」と「クレジットカード」を比較してみましょう。 (「・・・は?」と思われるかもしれませんが、まずはお聞き下さい) 「トランプ」と「クレジットカード」の主成分は、どちらもプラスチックだというのは、特に説明しなくてもご理解戴けると思います。 これらはともに、大雑把には「原料プラスチックの合成→成形→印刷」という工程を経て作成され、「形状の保持」という役割を担います。 一方、クレジットカードには最近はICチップを載せたりしていて、様々な情報を記録できます。この製造には、先のカードの作成に比べると複雑な工程を経ていることが予想できます。 さて、「アミノ酸配列は80%合致するのに、塩基配列が65%しか一致しないのはなぜ?」とのことですが、上の例とつき合わせて考えてみます。 ここでそれぞれ該当するのは「生体反応を触媒する蛋白質=プラスチックカードの製造工程」、「DNA配列=ICチップの製造工程」です。 何が言いたいかというと、「生体反応」という基礎部分は同じであっても、それ以外の機能が多ければ、その機能を構築するための情報などが必要となる、ということです。 酵母もヒトも生命維持(→蛋白質担当)という基本部分は同じ、けれどヒトの場合はそれ以外に多くの機能があるために、それに対応した情報がDNA上に必要です。 同じ母体の上に多くの情報を追記した、それがDNA配列での一致率の低下の一因ではないか、というのが私の考えです。 なお、「それだと機能・知能の高い生物ほどDNA量が多くなるのでは?」と思われるかもしれません。 ですが実際にはDNAにはかなり「意味のない(なくなった)切れ端」が含まれている、というのが定説であること、また同じDNA配列が重複していることもままあること、などを考えれば、完全な相関関係がないことは必ずしも上記の説明の矛盾とはならない、と考えます。
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- yoshimasa2005
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shkwtaさんのいうとおりだと思います。 3つのDNA塩基配列を一組にしたコドンを元にしてアミノ酸配列が決定されてタンパク質が作られます。 そこで、キーポイントになるのは、アミノ酸が20種類なのに対して、コドンは64種類あるということです。 例えば、フェニルアラニンというアミノ酸のコドンは、「UUU」と「UUC」の2つです。この2つのDNA配列を比べると、コードされているアミノ酸は100%一致しますが、DNA配列の一致は66%です。 つまり、この違いがDNA配列とアミノ酸配列の一致の割合の差をもたらしているのです。
- 24blackbirds
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DNAの冗長性に関する問題でしょう。DNAの中には無駄な部分が多い。遺伝情報が載っていない部分がたくさんあるのです。しかも、無駄な部分で起こった突然変異は保持されやすい(命に別状のない突然変異ですから)。しかし、タンパク質は生命の維持に必要な酵素。構造が変わっても機能が維持されるという確率は低く、突然変異が致死的な影響を与える可能性は大です。つまり、突然変異が起こった場合生き残れる可能性が低いので、変異のスピードが遅いのです。ということで、タンパク質をコードしているDNA領域の中で突然変異が起こった場合、遺伝情報が載っていない部分で起こったら保持されるが、遺伝情報が載っている部分で起こったら次世代に伝わらない確率が高い、ということです。
- shkwta
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こういう単純な質問ではないのかもしれませんが: 多くのアミノ酸では、1つのアミノ酸に対応するコドン(DNAの塩基3つの組)は複数ありますから、DNAの1つの塩基が変化してもそれに対応するアミノ酸は変化しない、つまりタンパク質のアミノ酸配列には影響がない場合があります。 つまり、「塩基の変化」は「アミノ酸の変化」より頻度が大きいわけです。