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「浮雲」の中の表現上の工夫
「浮雲」の中での表現上の工夫とは何かを教えてください。
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1です。>補足: 「浮雲」の中での言文一致体についても … いわゆる(地)の文と(会話の文)を同じ話し言葉で書くといゆことですが一葉の(たけくらべ)等は古文の知識が読み手に備わっていないと読みこなせません。此れに対して(二葉亭四迷)の試みは江戸時代の滑稽本や落語影響をうけつつ書かれたため(地の文)に置いてはその影響が強く、(会話文)では生き生きとした江戸っ子の言葉になっています。岩波文庫版書き出しは 第一回 アアラ怪しの人の挙動 千早振る神無月最早ニ日の余波となッたニ十八日の午後三時頃に 神田見附の内より塗渡る蟻、散る蜘蛛の子とうようよぞよぞよ沸出でて来るものはいずれも頤(オトガイ)気にし給う方々、しかし熟々(つらつら)と見て篤と点検すると此れにも種々種類のあるもので、まず髭から書き立てれば口髭頬髭顎の髭……明らかに滑稽本のリズムを引き摺る文体です。二葉亭四迷の言文一致体は話し言葉で小説を書く ことに力点が置れたため地の部分では旧態然としたところから抜けきれず、他方会話部分、ことにお政の言葉は歯切れのいい江戸弁の面白さを感じます。P70(岩波文庫) ……お政の顔を見れば何時しか額に芋蟲程の青筋を張らせ癇癪の眦を釣り上げ唇をヒン曲げている「イエサ何とお言いだ 出来た事なら仕様がありません……誰が出来(でか)した事ッ(こつ)た誰が御免になるよう仕向けたんだエ 中略 さんざッぱら人(しと)に世話を焼かしておいて 中略 そりァお前さんの事たから鬼老婆とか糞老婆とか言ッて他人にしてお出でかも知れないが…… こな具合です。この文章に句読点や閉じる( 」)がありませんが、此れはある意味の効果を狙ったものと説があります。詳細については解説に詳しくあります。この(二葉亭四迷)の試みは文学が時代の子であるとゆう感じがしますのは当然のことながら海外の影響特にロシヤ文学のそれが指摘されても良いと思います。御参考まで。( 尚、文字が本文と変更されて表示されるかも知れません。) 参考文献 岩波文庫(2004年版)
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- a375
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作者名が明確でありませんが(二葉亭四迷)としてお答えいたします。 文体とのお尋ねでなく>表現上の工夫とは? としては二つの事がことがいえます。ご案内のとうりこの作品は言文一致体でかかれて居りますが、従来のわが国にない作中人物の性格描写があげられます。主人公の文三はじめ社会的にはに極く平凡な人々の人物の書き分けがあります。次にあげられることは性格描写に加え作中の人物の心理解剖があります。ことに揺れ動く(文三)に著しく現れています。こうした写実と心理描写の特色はロシヤ文学の影響を受けているといはれます。文学史的には坪内逍遥の(小説神髄)の理論を有る程度具体化した第一の作品としての地位を占めています。しかし読んでご覧になればお分かりになりますが、作品としての価値はいかがなものかという感じがします。ことに(文三)の優柔不断振りにはイラつきますね。(浮雲)となずけたワケもなんとなく理解できますが。この作品ならびに作者についてまだお知りになりたい事があれば再度お答えしますのでお尋ねください。
お礼
作者名を表記するのを忘れてしまって申し訳ありませんでした。とても参考になりました。ありがとうございます。
補足
「浮雲」の中での言文一致体についても教えていただけるとありがたいんですが