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露悪趣味って何ですか?
こんにちは。 一時期、ドラマにもなったマンガ「サイコ・ドクター」を読んでいたら、ストーリーの中で、自身の不倫体験などを赤裸々に告白する女性がいて、主人公のカウンセラーが、「この女性は露悪趣味だ」と言っていました。 でも、「露悪趣味」って何なのでしょうか?辞書で調べたら、「自分の悪いところをさらけ出すこと」と書かれてました。 これは、一種の病気とか、何かのトラウマが原因のものなのでしょうか? 芸能人でも、自分の恥ずかしい体験をネタにする人なんかを見ると、「こういうのが露悪趣味って言うんだろうか」と考えてしまいます。でも芸能人の場合は、計算もあるから、わかりませんが。
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明治時代の言葉で文学用語です。 悪意で、つまり意図的に 欠点を露出する精神的露出狂ですね。 もともと、明治時代の夏目漱石の小説「三四郎」あたりが原点になった「造語」と 記憶しています。 昔は偽善者ばかりだったが今は露悪家ばかりだ・・・そういうセリフを 作中人物が語ります。 もう、お気づきのように、偽善の対比は偽悪なのです。しかし漱石はわざと 露悪という言葉を用いて対比しているのです。 偽善者、うわべのよい行いをするのに対して、露悪家は、自分は悪者だと わざと見栄をはる。 いずれも小者の行いだと、漱石は言いたい。 チワワがワンワン吠えまくるのが偽善者ならば露悪家はすぐに腹を出して 降参のポーズをするプライドのない犬。 もともと、明治時代の知識人の自我というテーマから、偽善・露悪の対比が でてきたのであって、背景には英国のジェントルマンのような矜持と知性を わが国の知識層が持ちうるのかという漱石の覚醒した文化人独特の問いかけ があったのだと思います。 今の時代に、偽善者という語彙も露悪家という語彙もともにインパクトを失って いるのは、似非○○、いい子ぶりっこ、なんちゃんて■■という代替語が 豊富あるからでもなければ 偽善的行為露悪趣味が衰退したからでもないです。むしろ、偽善も露悪も 普通日常行う表現行為にとけこんでしまったというのが真実に近いです。 年頃の娘が近所の叔母さんには愛想がいいけど、母親にはわざと悪態をつく。 日頃おしとやかにと注意する母親にわざとドタドタ音をたてて歩く。 これは、どkにでもみられる行為で、別に偽善だ露悪だとさわぎたてるほどの 特徴的行為ではなくなっているということです。 100年経てば、心裏のうちを隠す行動は日常的になり、露悪も偽善の そればっかしの単純な人間は「病気」扱いされるのかもしれません。