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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:ミトコンドリアDNA)

ミトコンドリアDNAによる先祖探しの限界とは?

このQ&Aのポイント
  • ミトコンドリアDNAによる母系先祖探しは、最近話題となっていますが、ライオンの群れなどではうまくいかないという事例があります。
  • ミトコンドリアDNAは母性遺伝を示すため、群れ内で殺されたオスは次の世代に遺伝しないため、その系統を追跡することができません。
  • また、ライオンの群れではオスが群れ間を移動するため、メスの系統がそのまま受け継がれることはありません。群れごとに異なるミトコンドリアDNAを持つことで、先祖探しの手法が限定されるのです。

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回答No.1

ミトコンドリアDNAのうちD-ループと呼ばれる領域はミトコンドリアDNA の他の部分と比較して5倍の速度で塩基置換が起こると考えられており、系統間の比較にはこの部分を使います。まずは目的とする種なり地域個体群のD-ループに何タイプ(ミトコンドリアの場合、ハプロタイプといいます)があるのかを明らかにし、それぞれの個体群(ライオンの場合、プライドを対象)におけるハプロタイプの出現頻度を元に、個体群の系統樹を作成します。また、D-ループの塩基が置換されている部分からネットワーク図という物を作ります。aタイプとbタイプは10個目の塩基が1カ所置換されているだけ、というような関係があったらこれを線で結ぶわけです。こうしてできたネットワーク図と出現頻度から祖先ノードという、それぞれのハプロタイプの元になったタイプを明らかにします。 しかし、ライオンのプライド(群)ではメスの交流がなく、しばしば子殺しが行われるので、創始者効果(最初に大量に子孫を残した個体のハプロタイプが高い比率を占めるようになる)により、ハプロタイプの多様性が低下します。そして、多様だったかもしれないハプロタイプの内の1種のみが生き残る、ということも生じます(子殺しの後繁殖可能だったメスがすべて同系だった場合など)。この課程では当然消失してしまうハプロタイプも現れます。この消失ハプロタイプが多くなるとネットワーク図の作成は困難になり、先祖ノードの特定も困難になります。また、それぞれが単一のハプロタイプを持っていたら、プライド間の近縁関係も明らかにすることができません。ここで注意すべき事は、ネットワーク図で示されるハプロタイプの進化の過程と、個体群の進化の過程は一致しない、ということです。各プライドで見られるハプロタイプは偶然生き残った物であり、かつては多様だった物の残骸と考えられるからです。

ku_nen
質問者

お礼

御礼が遅くなり、申し訳ありませんでした。詳しい説明をいただき、ありがとうございました。

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