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分析用語について
測定の精度と正確さの違いについて教えてください。 できれば、検出限界と定量化限界の違いについても教えてください。
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- paddler
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#1です。元々のご質問は「測定の精度と正確さの違いについて」でしたね。 実は「精度(英語でprecision)」も「正確さ(英語でaccuracy)」も結構定義が難しかったり、あいまいだったりする言葉です。 まず用語の前に、測定値が何から成り立っているかを書くと、一般に 測定値=真値+測定の偏り+測定のバラツキ とされます。この表現はいいですね? そこで、「精度」と「正確さ」について拠り所を検索してみると、ホントーに色々出てきます(日本語も英語も)。大別すると、 (1)精度(precision): 測定のバラツキ 正確さ(accuracy): 測定の偏り (2)精度(precision): 測定の偏り+測定のバラツキ 正確さ(accuracy): 測定の偏り (3)精度(precision): 測定のバラツキ 正確さ(accuracy): 測定の偏り+測定のバラツキ (4)精度(precision): 測定の偏り 正確さ(accuracy): "精度"と同じ (この場合、"バラツキ"には「再現性」を当てている) くらいになるでしょうか。計測器業界でも計測対象の分野によって違ったりします。困ってしまいますね。それでも「正確さ(accuracy)」の方については、(1)(2)がそうであるように、"測定の偏り"とするのが多数派です。 私自身、どの立場を取っているかというと、(1)です。そして誤解の可能性の高い「精度(precision)」は避けて、"バラツキ"だけを指すことが明確な「再現性(英語でreproducibility,またはrepeatability)」を使うようにしています。(reproducibilityとrepeatabilityも厳密には違う、とする説もあるのですが。)
- paddler
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一般に「検出限界」は、測定値のバラツキの1σをもってN(ノイズ)と定義したときに、S/Nが3となる濃度、すなわちある濃度の試料を繰り返し測定して得られる濃度測定値の平均値が標準偏差の3倍と等しくなるような濃度、というのが共通認識されていると思います。簡略的には、ブランクを測定した時の測定値(ノイズそのものなわけですが)の標準偏差の3倍(つまり3σ)に相当する濃度でもいいかと思います。 「定量限界」については、基本的な意味は「定量が可能な最低の量」ということで、検出限界が「有る/無し」の判定のみであるのに対し、定量限界ではある程度「出した数値の精度」が語れるというレベルです。これは、JISのように完璧にオーソライズされたもので規定されてはいないようですが、厚生労働省の「食品、添加物等の規格基準の一部改正に係る食品中の残留農薬等試験法について」等には、「概ねS/N=10となる分析対象物質の量」とされているようです。